基礎知識

歯を失った時の食生活と3つの治療のケア方法の比較とは

24.07.31

歯を失った後に何らかの治療をすることが大切です。

失ったままにすると、噛み合わせの歯が伸びてしまったり、左右の歯が倒れてしまったりすることもあるからです。

歯を失った時には、インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つの治療があります。

それぞれケア方法にポイントがありますので、食生活の注意と合わせてご紹介します。

 

歯を失った時の初期の対応

・応急処置

 

歯医者で抜歯した場合には、口の中の出血が気になる時はうがいをしても大丈夫ですが、強くうがいをするとかさぶたになりにくくなるため、優しくうがいするようにしましょう。

 

そして、思いがけず歯が抜けた場合にはまずは止血をしましょう。

清潔なガーゼが良いですが、手元に無い時にはティッシュペーパーで代用ができます。

 

抜けた部分にガーゼを折りたたんで10~15分程度圧迫して止血してください。

正しく止血ができていれば、出血は落ち着くでしょう。

 

・食生活の変化と対応

 

抜けた部分はまだ傷口になっているため、傷口に負担がかからない物を食べましょう。

刺激のある香辛料の多い辛い物や熱い物は控えるようにしてください

傷口には当たらないように、反対側で噛むことも大切です。

 

固い物を噛む時も負担がかかることがあるため、うどんなどのやわらかい物を食べるようにすると負担になりにくいです。

 

歯を失った時の3つの治療の食生活

・インプラント

インプラントは、歯を失った部分に「インプラント体」を埋入してその上に土台を立てて、人工歯の被せ物をする治療です。

固定式の治療のため、安定した噛み心地を実感することができます。

また、ほかの歯に負担をかけることが無く治療が可能です。

 

顎の骨に定着するまでに3~6ヶ月程度かかるため、ほかの治療と比較すると治療期間が長い傾向になります。

 

インプラント手術後の食生活

インプラントを埋入したばかりの時期は、傷口になっているため抜歯後の食事と同じように刺激の強い物は控えましょう。

インプラント体が定着して、その上に土台を立てて被せ物まで入ると、今まで通りの食事をしても問題ありません。

固定式で、天然歯の構造が似ているため、しっかり噛むことができます。

 

・入れ歯

保険適用の部分入れ歯は、歯を失った部分を補い、周りの歯にばねで固定します。

保険適用ができるため、費用の負担を軽減することができます。

ただし、取り外し式のため、天然歯と比較すると安定しにくく、食事がしにくいことがあります。

また、ばねが見えるので、審美的に気になる場合があります。

 

入れ歯を入れた後の食事

入れ歯は製作したばかりの時は、違和感が出る場合があります。

靴が少しずつなじんでいくように、何度か調整を重ねながらお口に合うようにしていきます。

そのため、入れ歯が入ったばかりの時にすぐに固い物を噛むと歯ぐきに負担がかかることがあります。

また、同じ食材でも大きめの物より小さく切ってから食べることで食べやすくなります

失った本数によっても異なりますが、失った本数が多いほど入れ歯の安定感は少なくなります。

そのため、多くの歯を失った時にも食事に配慮する必要があります。

 

・ブリッジ

ブリッジは、歯を失った部分の左右の歯を削って橋渡しのようにします。

固定式のため、安定して噛むことができますが、左右の2本の歯で3本分を支えるため左右の歯に負担がかかってしまうことがあります。

 

ブリッジは3本分の歯が入ります。

そのため、噛み合わせのバランスが少し変化することがあります。

左右の噛み合わせを確認して調整をしますが、実際に食事をすると感じが違う場合もあります。

 

ブリッジを入れた時の食事

通常通り食事をしても問題ありませんが、噛み合わせが気になるようであれば相談しましょう。

また、神経が残っている歯はしみやすい場合があります。

特に銀歯は熱の伝導率がよいため、しみやすい傾向になります。

通常は、徐々に慣れてくることが多いですが、気になる場合は少し経過を見てから相談しましょう。

 

インプラント・入れ歯・ブリッジのケア方法

歯を失った時の3つの治療のケア方法についてご紹介します。

 

インプラント

インプラントは汚れの中にひそんでいる歯周病菌が炎症を引き起こすと「インプラント周囲炎」になってしまうことがあります。

インプラント周囲炎は歯周病に似た疾患ですが、歯根膜というクッションに役割をする部分がないため、症状の進行が早い特徴があります。

 

炎症が顎の骨に及ぶと、顎の骨が減ってしまいインプラントの支えが少なくなってしまいます。

そのような状態にならないように、毎日の丁寧なセルフケアが重要です。

歯ぐきの境目を中心に1~2本程度ずつ細かく動かしましょう。

また、歯と歯の間は汚れが残りやすい部分です。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用して細かい汚れを落としましょう。

 

入れ歯

入れ歯にも汚れがつくため、洗浄する必要があります。

部分入れ歯と総入れ歯で洗浄剤が異なりますので、注意しましょう。

洗浄剤につけた後は、専用のブラシで汚れを落としましょう。

また、入れ歯のばねがかかっている歯も汚れが残りやすく、入れ歯を支える大切な歯のため、歯ブラシを細かく当てましょう。

※入れ歯をつけて就寝するかは歯科医師の指示を確認してください。

 

ブリッジ

ブリッジは、歯を失った部分も被せ物がありますが、その部分は汚れが入り込みやすくなっています。

ブリッジ専用のフロスもあるので、その部分の汚れをしっかり落とすようにしてくださいね。

 

定期検診の大切さ

インプラント、入れ歯、ブリッジのそれぞれのセルフケア方法がありますが、定期的に検診をして状態やケア状況を確認することが大切です。

そうすると、それぞれの治療のトラブルを未然に防ぐことにつながります。

また、今残っている天然歯の寿命を延ばすこともできます。

 

【まとめ】

 

歯を失った時の3つの治療はそれぞれ特徴があり、セルフケア方法も異なります。

使用感も異なりますので、ご自分に合った方法を選択してください。

歯を失ったままの期間があると、左右の歯が寄ってきてしまうなど、治療をスタートしたい時にすぐにできない可能性あります。

歯を失った部分は、できるだけ早く治療をスタートするようにしましょう。