基礎知識

インプラントで老け顔予防?頬のこけ・たるみに効果がある理由とは

25.06.26

「歯を抜いたら、なんだか頬がこけてきた気がする……。」

「口元がたるんで老けた印象になったかも……。」

このような変化が気になる方は少なくないのではないでしょうか?

実は、歯を失ったことによって生じる顔立ちの変化は想像以上に大きく、特にシニアの方には見た目への影響が強く出ることがあります。

そして、その変化を改善または予防する手段のひとつが「インプラント治療」です。

今回は、インプラント治療と顔立ちの変化の関係性についてと、頬のこけ・口元のたるみの原因や、インプラントによる改善効果についてわかりやすく解説します。

 

歯を失うと顔立ちに影響があるの?

 

実は、歯は「見えない顔の骨格の一部」として、顔の輪郭や表情を内側から支える重要な役割を果たしています。

そのため、たとえ1本でも歯を失い、長期間放置していると、顔のバランスや印象が大きく変わってしまうことが考えられます。

では、具体的にどのような変化が起きるのでしょうか?

 

・口元がたるむ・しぼんで見える

歯を失うことで変化が出やすいのが、口元のボリュームの減少とたるみです。

特に、前歯や犬歯といった唇を内側から支える歯がなくなると、唇がしぼんだように見えたり、口角が下がって不機嫌そうに見えたりすることがあります。

歯の支えがないことで唇の張りがなくなり、「口元の老化」が一気に進んだような印象を与えてしまいます。

 

・頬がこけて見える

歯は、噛むためだけの器官ではありません。

特に奥歯は、頬の内側から筋肉や皮膚を支える“柱”のような役割も担っています。

歯を失うと、その支えがなくなるため、頬の筋肉や皮膚が内側に落ち込みやすくなり、こけたような印象に見えてしまうのです。

この現象は、左右で歯を失っている箇所がある方や、入れ歯が合っていない方に特に多く見られます。

年齢よりも老けた印象を与えてしまうこともあるため、注意が必要です。

 

・顔全体のハリが失われる

奥歯を失ってしまうと、咬筋や表情筋のバランスが変化します。

・頬のたるみが目立つようになる

・ほうれい線が深くなる

・口角が下がりやすくなる

 

また、噛む回数や咀嚼力が減ると、顔全体の筋肉が衰え、さらにハリが失われやすくなります。

つまり、歯の喪失は、“加齢による見た目の変化”を加速させる要因のひとつとも言えます。

 

・1本でも失ったら、できるだけ早く対処を

たった1本でも歯がなくなると、隣の歯が傾いてくる・噛み合わせがずれる・顔の筋肉が使われにくくなるなど、見た目にも機能にも悪影響が広がります。

見た目の若々しさを保つためには、入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで適切に補うことが重要です。

特にインプラントは、天然の歯に近い機能と支えを再現できるため、顔立ちの変化を予防する治療法としても注目されています。

 

インプラントは顔立ちの変化を予防できる?

 

インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根(チタン)を顎の骨に埋め込み、人工歯を支える治療法です。

このインプラント治療には、次のような顔立ちを保つメリットがあります。

 

・顎の骨が痩せるのを防ぐ

インプラントは顎の骨に直接埋め込まれるため、噛む力がしっかり骨に伝わります。

これにより、歯根がないことで起こる骨の吸収を抑えられ、骨のボリュームが維持されやすくなります。

 

・噛み合わせが改善され、表情筋のバランスが整う

インプラントによって正しいかみ合わせが復元されると、口まわりの筋肉や咬筋の動きが安定し、顔全体の筋肉バランスが整いやすくなります。

それにより、口角の下がりやほうれい線の目立ちにくさにもつながります。

 

・頬・口元の内側からの支えを再現できる

入れ歯やブリッジと違い、インプラントは歯根と同じ位置に固定されるため、天然歯と似た構造で顔の内側を支えることができます。

これにより、頬のこけや唇のしぼみを防ぎ、若々しい顔立ちを維持する効果が期待できます。

 

入れ歯との違いは?インプラントが優れている理由

「見た目を改善するなら入れ歯でもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

たしかに、入れ歯でもある程度は外見の変化を補うことができますが、長期的な観点ではインプラントに大きなメリットがあります。

 

・骨への刺激

インプラントは、顎の骨に刺激が伝わるため骨が痩せにくいですが、入れ歯の場合には骨への刺激が少なく、骨が痩せや少なります。

 

・支持力

インプラントは顎の骨に固定して人工歯を支えるため、支持力があります。

一方、入れ歯は粘膜の上に入れ歯を入れて使用するため、不安定になりやすいです。

 

・見た目の自然さ

インプラントは、人工歯にセラミックやジルコニアなどの素材も選択できるため、透明感があり、自然な白さの被せ物を作製できます。

 

インプラント治療は「噛みやすくなる・話す時にも違和感が少ない」だけでなく、「顔立ちを内側から支える」治療法として、審美的にも機能的にも優れた結果が見込めます。

 

見た目の変化を防ぐために、早めの受診を

 

歯を失ったまま放置していると、顎の骨は徐々に痩せていき、歯ぐきのボリュームも減少していきます。

この「骨と歯ぐきの吸収」が進むと、入れ歯が合いにくくなる・インプラント治療が難しくなる・顔の輪郭が崩れるといった、さまざまな問題につながっていきます。

 

骨が足りなくても、選択肢はある

 

失った歯の周囲では、噛む刺激が伝わらなくなることで骨の吸収が加速します。

この状態が長期間続くと、インプラントを埋入するだけの骨の高さや幅が足りなくなるケースが多く、治療の難易度が上がる傾向があります。

 

しかし、「もう遅いのでは…」と諦める必要はありません。

骨や歯ぐきを再生させる再生療法が進化しており、以下のような処置で対応可能なケースも増えています。

 

・骨造成(GBR)

インプラントを支えるための骨の再生を促す治療。骨の厚みや高さが足りない場合に行われます。

 

・歯肉移植

痩せてしまった歯ぐきを移植する処置。

見た目の美しさと清掃性の向上にもつながります。

 

これらの治療を組み合わせることで、見た目の改善だけでなく、しっかり噛める機能の回復も可能になります。

 

【まとめ】

歯を失うと、見た目にも大きな変化が起きることがあります。

インプラントは、ただ噛めるようにするだけでなく、骨・歯ぐき・表情筋を適切に支えることで「顔立ちの若々しさ」を保つ役割も担っています。

「最近、口元の印象が変わった気がする…」

「頬がこけて老けて見える…」

そんな変化を感じる前に、ぜひ一度インプラント治療のご相談ください。