基礎知識

インプラントは空港の金属探知機に反応する?旅行前の不安を解消!

25.07.29

「インプラントを入れたあと、空港の金属探知機は大丈夫?」

このような不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

特に、初めてインプラント治療を受けた患者さまにとって、インプラント治療後の海外旅行や出張の際のセキュリティチェックは気になるポイントだと思います。

そこで今回は、インプラントと空港の金属探知機との関係性や、万が一のときの対処法安心して旅行を楽しむためのポイントをわかりやすく解説します。

 

インプラントに使われる素材と金属探知機の反応性

まず、はじめにお伝えしておくと、一般的なインプラントは金属探知機に反応する可能性は低いといわれています。

 

その理由としてインプラントの主な素材は、多くがチタン製の素材を使用しています。

チタンは下記のような特徴を持つ金属です。

 

・生体親和性が良く、人工関節や心臓ペースメーカーなど幅広く使用されている

・軽く強度が高い

・非磁性で金属探知機に反応しにくい

 

そのため、空港のゲートを通る際にも、チタン製のインプラントが探知機に反応することはほとんど少ないと考えられています。

 

インプラントが金属探知機に反応することはあるの?

ほとんど少ないケースではありますが、次のようなケースでは探知機が反応する可能性もゼロではではありません。

 

・空港や国によって探知機の感度が異なる

一部の国では、セキュリティ強化のために探知機の設定が非常に高感度に調整されていることがあり、こうした環境では反応することもあります。

とはいえ、仮に反応したとしても、身体検査でインプラントが入っている状況を説明すれば問題になることは少ないでしょう。

 

・複数本のインプラントが広範囲に埋め込まれている場合

上下顎に多数のインプラントが入っていると、金属の総量が増え、感度の高い探知機には反応する可能性があります。

 

・被せ物に金属を使用している場合

被せ物部分にコバルトクロム合金などの磁性金属を使用していると、探知されやすくなる可能性があります。

 

もし反応したらどうする?空港での対応のポイント

万が一、インプラントが原因で探知機が反応した場合でも、すぐに対処することができます。

多くの場合は、簡単な手荷物検査やボディチェックで解決します。

 

・落ち着いてインプラントが入っていることを伝える

海外の空港であれば「Has dental implants」(歯科インプラントが入っています)と英語で伝えましょう。

言葉に不安がある場合は、インプラント治療の証明書を見せるとスムーズに対応しやすくなります

 

・ハンドスキャナーや身体検査での確認が行われる

係員によって、小型の金属探知機(ハンドスキャナー)や軽いボディチェックが行われます。

歯科インプラントは体内に埋め込まれているため、衣服の上からの確認のみで済むことが多いでしょう。

また、金属製のベルトや腕時計、アクセサリー類なども反応の原因になりやすいため、一緒にチェックされる場合もあります。

 

・インプラントの証明書は持参しておくと安心

歯科インプラントは医療用金属として広く認知されており、基本的に証明書の提示を求められることはほとんどありません

ただし、念のために備えておくと安心な書類をご紹介します。

 

・治療報告書(英語併記が理想)

・医院で発行されたインプラント証明書(希望すれば発行可能な場合も)

 

空港でのトラブルを避けたい方は、これらの書類をスマホに保存したり、印刷したりしてパスポートと一緒に保管しておくと便利です。

 

旅行前にできる安心対策とは?

インプラントを入れた状態でも飛行機に乗ることは問題ありませんが、空港での金属探知機チェックに備えてちょっとした準備をしておくと、より安心して飛行機に搭乗することができます。

以下のような対策を、出発前にチェックしておきましょう。

 

・インプラント治療を受けた歯科医院で「診療明細書」や「治療記録」をもらっておく

歯科医院で発行してもらえる治療履歴や診療明細書を用意しておくと、万が一の説明に役立ちます。

特に英文表記で「Dental Implant」と記載されたものがあると、海外の空港でもスムーズに説明しやすくなります。

 

スマホで撮影しておくと紙の紛失リスクも軽減できます。

 

・現地の言語でインプラントの説明文をメモしておく

海外の空港や現地で英語・現地の言語でインプラントについて聞かれることがあるかもしれません。

簡単なフレーズをスマホにメモしておくと安心です。

翻訳アプリが使える場合は活用するのもおすすめです。

 

・インプラント手術後すぐの海外旅行は避ける

インプラント手術後すぐの飛行機移動は、気圧の影響などで腫れ・出血・感染などのリスクが高まるため避けた方が安心です。

特に長時間フライトでは体調への負担も大きく、口腔内のトラブルが起こりやすくなります。

治療後最低でも7〜10日は余裕を持ち、可能なら2週間以上空けて出発するのがおすすめです。

 

・不安な場合は早めに空港に到着しておく

トラブルや再検査の可能性も考え、出発の2時間前には到着しておくと安心です。

検査の時間に余裕があるだけでも精神的に落ち着けるでしょう。

 

・インプラント証明書を作成してもらう

医院によっては、「インプラント証明書(またはインプラントカード)」を発行してくれるところがあります。

治療日や使用メーカー、部位などが記載されており、本人確認にも便利です。

転院などの時にもスムーズにメンテナンスができるようになりますし、旅行先での歯科トラブル時にも役立つ場合があります。

発行には数日かかることもあるため、旅行が決まったら早めに依頼しましょう。

 

インプラントは飛行機搭乗に影響しません

結論として、インプラントが金属探知機に反応することはまれであり、反応しても問題になることはありません。

インプラント治療を受けた方でも、国内外の旅行に不自由はありませんし、空港職員の対応も十分に整っています。安心して旅行を楽しみましょう。

 

 

【まとめ】

インプラントは主にチタン製で、金属探知機に反応しにくい素材です。

万が一反応しても、身体検査や申告でスムーズに対応可能で、インプラント証明書の携帯や英語での説明メモがあると安心のため、心配な方は事前に歯科医院に相談をしましょう。

 

旅行や出張を控えている方も、インプラントがあるからといって過度に心配する必要はありません。

気になることがあれば、お気軽に歯科医院へご相談ください。

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