インプラントコラム
COLUMN
【手術時間表あり】インプラント手術は痛い?痛みの原因と抑える方法を紹介
18.06.13
インプラント手術は痛い?
手術の痛みを心配している方は、実際のところ痛みを感じるのかどうかを知っておきましょう。イメージだけで痛いと決めつけてしまうと、手術を受けたくなくなるかもしれません。
手術中は麻酔をかけるため痛みがなく、不安は少ない!
手術の際には局所麻酔を使用します。全身麻酔とは異なり、手術部位の間隔だけを麻痺させるため、意識を保った状態で手術を受けられます。痛みなく手術を受けられるため、大きな不安を感じることもないでしょう。
手術中に麻酔が切れて痛くなる場合もある
局所麻酔が効いているうちは、痛みを感じることはありません。しかし、手術中に麻酔が切れてしまい、痛みを感じるようになる場合があります。通常、痛みが出る前に麻酔を追加するので、手術中に強い痛みを感じるような心配はありません。
痛みへの不安が強い場合は、静脈内鎮静法を相談してみる
局所麻酔によって痛みを抑えていても不安に感じる方もいるでしょう。不安が強い場合は、静脈内鎮静法を受けられないか相談することをおすすめします。静脈内鎮静法とは、静脈麻酔薬や抗不安薬などを投与して、半分眠っているような状態にする方法です。次のようなメリットとデメリットがあります。
静脈内鎮静法のメリット
局所麻酔よりも痛みを大きく抑えることができます。また、手術中の嫌な記憶が残りにくくなるため、歯科治療を受けたくなくなる事態を防げます。さらに、点滴によって静脈路を確保しているため、静脈から薬を投与する必要がある事態となってもすぐに対応できることもメリットです。
静脈内鎮静法のデメリット
静脈内鎮静法でインプラント手術を受けた後には、麻酔の効果を打ち消す薬を投与します。しかし、すぐに効果が打ち消される訳ではないため、そのまましばらく安静にしておかなければなりません。また、麻酔が切れてもふらつきなどが起こる場合があるため、当日は車の運転を控える必要があります。さらに、手術中に何らかの拍子で嘔吐した場合、嘔吐物を誤嚥する恐れがあるため、治療の4時間前から食事制限がかかるというデメリットもあります。
インプラント手術と他の手術との痛みを比較
手術以外に痛みを伴う可能性がある歯科治療には、虫歯治療、抜歯、親知らずの治療などがあります。インプラント手術との痛みの違いについてご紹介します。
インプラント治療は虫歯の治療よりも痛い?
虫歯の治療法は、進行状態によって異なります。神経を取り除く治療では麻酔を使うため、痛みを感じることはありません。しかし、歯を削るだけの治療では麻酔を使わないことも多く、それだけインプラント手術よりも強い痛みを感じます。
インプラント治療は抜歯の治療よりも痛い?
抜歯が必要な状態では、歯茎に強く腫れている、膿を持っているといった場合があります。それに対して手術を受ける状態では、口の中が健康であることが多いため、抜歯よりも痛みを感じないことが多いようです。
インプラント治療は親知らずの治療よりも痛い?
親知らずは奥歯の付近に生えるのですが、麻酔は口の奥に効きにくいため、手術よりも強い痛みを感じます。また、親知らずが複雑な生え方をしている場合は、抜くのに時間がかかるため、長く苦痛を感じることにもなります。
手術後に患者様の行為が原因で痛み腫れが生じる場合も…
手術後には、様々なことに注意が必要です。歯科医から注意されたことを守らないと、強い痛みや腫れが現れる可能性があります。どのような原因でトラブルが生じるのかご紹介します。
支給された薬はきちんと服用する
手術後は1~3日ほど痛みが続くことがあります。このような場合は、処方された痛み止めを飲みましょう。痛みが強くなると生活に支障をきたすこともあるため、我慢せずに飲むことが大切です。
口腔内の衛生状態が悪い
口腔内の衛生状態が悪いと、手術による傷口から雑菌が感染して化膿する恐れがあります。治癒までの期間が延びてしまうので、ブラッシングを欠かさないようにしましょう。治療部位に歯ブラシが触れることが怖い場合は、細かく磨けるタフトブラシを使うことをおすすめします。
喫煙・飲酒をする
喫煙には、血流を低下させる働きがあります。血流が悪くなると、インプラントと骨が結合しにくくなるため、治療の成功率が下がってしまいます。手術後は喫煙を避けましょう。
お風呂に長く浸かりすぎない
インプラント手術後に血流が促されると、傷口から出血する場合があります。お風呂に長く浸かると血流が促されるので、できればシャワーで済ませた方がよいでしょう。また、アルコールにも血流を促す働きがあるため、控えることが大切です。
手術後、一定期間経過後に起こる痛み・トラブル
手術後しばらくすると、痛みやトラブルが起こる可能性があります。どのようなトラブルが起こるのか確認しておいて、少しでも異常が現れた場合は歯科医院を受診しましょう。
インプラント手術後に出血はする
手術後は、傷口が完全には塞がっていません。このような状態で強いうがいやゴシゴシと強く歯を磨いたりすると、出血する可能性があります。ブラッシングをしないのも傷口の感染のリスクを高めるため、傷口への刺激を避けて丁寧に磨きましょう。
インプラントと骨が結合していない場合痛みが生じる
顎の骨としっかり結合していない場合は、痛みが生じます。顎の骨に穴を開けるときに発生する熱をしっかり抑えられなかったことで、顎の骨が火傷を負ってしまうと、結合が悪くなってしまします。
細菌感染を起こしている
口腔環境が悪いために傷口が細菌感染を起こすと、インプラントがグラついたり外れたりする可能性があります。何らかの症状が現れた場合は、すぐに歯科医院を受診して処置を受けましょう。
手術後に痛みを少しでも改善する方法
手術後の痛みが心配であるために、手術を受ける決断ができない方もいるでしょう。予め、痛みを抑える方法を確認しておくことで、手術に対して前向きな気持ちを持てるようになるかもしれません。手術後の痛みは、次のようにして和らげることができます。
痛み止めなどので対処できる
手術後は必ず痛み止めが処方されます。痛みを感じたら、我慢せずに飲むようにしましょう。それだけで痛みが十分に抑えられて、快適に過ごせるようになる可能性があります。
手術方法によって痛みや手術時間も変わってくる
インプラント手術には、いくつかの種類があります。手術の方法によって痛みの強さや手術時間が異なります。どのような方法があるのか確認しておきましょう。
一回法
一回法は、一回目の手術でインプラントを歯肉へと埋め込み、その際にインプラントの一部を露出させます。そして、インプラントが顎の骨に生着してから、歯肉から出ている部分に土台を作ります。
埋入本数 | 1本 | 2~3本 | 4~6本 | 7~10本 |
---|---|---|---|---|
手術時間の目安 | 15~20分 | 25~45分 | 50~85分 | 90~120分 |
二回法
二回法は、一回目の手術でインプラントを歯肉へと完全に埋め込み、インプラントが顎の骨に生着してから二回目の手術を行います。二回目の手術では、歯茎を切開してインプラントの上部に土台を作ります。
埋入本数 | 1本 | 2~3本 | 4~6本 | 7~10本 |
---|---|---|---|---|
一回目の手術時間目安 | 10~15分 | 20~35分 | 40~75分 | 90~120分 |
二回目の手術時間目安 | 5~10分 | 15~20分 | 25~35分 | 35~60分 |
All-on-4(オールオンフォー)またはボーンアンカードフルブリッジ
ボーンアンカードブリッジは、歯が全て抜けてしまった場合に適用されます。インプラントを4~6本埋め込み、ブリッジという方法で人工の歯を被せます。一回目の手術でインプラントを4~6本埋め込み、2回目にブリッジをインプラントに装着します。条件が揃えば、一回でインプラントの埋め込みとブリッジの装着が可能です。
埋入本数 | 4~6本 |
---|---|
手術時間の目安 | 40~60分 |
インプラントを埋め込む方法と骨を増やす治療を同時に行う
人工骨の材料を骨が失われたところに埋め込み、同時にインプラントも埋め込む手術があります。また、下顎枝や上顎結節といった部分から自分の骨を採取して、骨がないところへ移植する方法もあるなど、手術方法は様々です。
骨を増やす手術 | 手術時間の目安 |
---|---|
ソケットリフト・・・上あごの骨を増やす手術(1箇所) | 5~10分 |
サイナスリフト・・・上あごの骨を大きく増やす手術(片側) | 10~20分 |
GBR・・・骨の厚みを増やす手術(1箇所) | 10~20分 |
骨を増やす手術 | 手術時間の目安 |
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サイナスリフト・・・上あごの骨を大きく増やす手術(片側) | 30~40分 |
GBR・・・骨の厚みを増やす手術(1箇所) | 30~40分 |
ベニアグラフト・・・他の部位から骨を移植する手術 | 75~90分 |
お口以外の部位(腸骨や膝など)から骨を採取する手術 | 120~180分 |
インプラント手術をするときに気をつけるべきこと
手術は誰でも受けられる訳ではありません。手術を検討する際には、次のようなことに気をつけましょう。
妊娠・授乳中の方は手術を避ける
インプラント手術を受ける前には、レントゲンなどによる検査を受けます。そのため、妊娠中はお腹の赤ちゃんへの影響が懸念されます。また、手術では、母子に何らかの影響を与える可能性がある量の麻酔を使用します。その他、出血によって早産のリスクが高まるなど様々な問題があるため、妊娠・授乳中はインプラント手術を避けた方がよいでしょう。