基礎知識

インプラントの手術時間はどれくらい?負担の少ない方法も紹介

19.06.17

インプラント治療は歯を失った時の治療として選ばれるようになってきました。
インプラントが普及してきても、実際に手術にかかる負担や時間はどの様になっているのでしょうか?
そこで今回はインプラントの手術時間や負担を減らす方法などをご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

2回法のインプラントの治療の流れ

1 麻酔をして麻酔が効いているか確認する

2 歯ぐきを切開してあごの骨に穴を開け、インプラントを埋め入れる

3 あごの骨に定着するまで期間をおく

(個人差がありますが3~6カ月程度の期間が必要なことが多いです)

4 歯ぐきを切開してインプラントの頭を出す処置を行います

歯ぐきが落ち着いてから人工歯を取りつけるためのアバットメントの型取りを行います

5 アバットメントを取りつけ、人工歯の型取りをして人工歯を取りつけます

インプラントの手術時間

インプラント治療は骨の状態や本数によっても手術時間が異なります。
インプラントが1本の場合には、30~60分程度が一般的です。
インプラントが3本程度の時にはプラス15~30分程度時間がかかります。

また、インプラント手術と同時に骨再生をする場合には事前に骨再生術を行う場合より時間が短く、10~30分程度の時間で行うことができるでしょう。
事前に骨再生の治療が必要な場合には、歯ぐきの切開から行い、その治療方法によっても差はありますが、30~90分程度の時間がかかることが多いです。

インプラントの手術時間は親知らずの抜歯程度と言われることもあり、外科手術ですが
本数が少ないと手術時間はそれほどかかりません。
また麻酔もして、きちんと麻酔が効いているかどうかも確認するので安心です。
通常は局所麻酔をすることが多いのですが、不安が強い方のために静脈内鎮静法という方法もあるので、ご紹介します。

静脈内鎮静法とは?

静脈内鎮静法とは、静脈に麻酔薬を点滴から体内に投与することにより、不安や苦痛を取り除き、リラックスした状態で治療を受けることができます。
そのため、緊張状態で普段から血圧が上がりやすい人などは、ほぼ眠っている間に治療を終えることができるので血圧が上昇するのを防ぐことができます。

また、全身麻酔と違い意識がある状態の中で治療を受けることができるので、治療後にふらつきがないかどうか確認した後には、入院することなくその日に自宅に帰宅できます。

そして、静脈内鎮静法は専門の麻酔医がモニタリングをして心拍数や血圧、血中飽和濃度などの確認を行って全身の管理を行いながら治療を進めるので安心です。

負担の少ないAll-on-4

オールオン4は今まで骨が足りなくてインプラントが難しかった方や総入れ歯の方にもインプラント治療の選択肢を増やすことができる治療法です。
通常のインプラントの場合には、できるだけ失った歯の本数のインプラントが必要になりますが、All-on-4は4~6本のインプラントを斜めなどに角度をつけて埋入することで費用や手術の負担を軽減できるようになります。

ただ、All-on-4は上あごや下あごに歯がないケースやすべての歯がない場合に行われる治療法です。
歯が残っているとバランスを取ることが難しいので治療が適応にならないか、残っていてもグラグラしているなど、使用することが難しい時には抜歯をして治療することもあります。

手術後の注意事項

・インプラント手術後の食事

インプラント手術後はまだ傷口になっている状態なので通常の食事よりやわらかめのものからスタートしましょう。
手術後3日程度はうどんやおかゆなどを食べて、徐々に通常の食事に戻していきましょう。
また、手術後麻酔がきれていない時に食事をしてしまうとやけどをする場合や、頬をかんでも気づかないことがあるので注意が必要です。

・インプラント手術後の歯磨き

インプラント手術後は手術した部分の歯磨きはしないようにしましょう。
傷口に歯ブラシが当たると出血しやすくなる場合があるので歯ブラシは当てないようにしましょう。
また、研磨剤が入っている歯磨き粉は粒子が大きく歯ぐきの境目に入ってしまうと炎症を起こすこともあるので避けた方が良いです。

腫れた場合の対処法

インプラント手術をして腫れが出た場合には、炎症を抑えるためにタオルなどで冷やし
ましょう。
また、炎症を抑えるために処方されている薬を服用しましょう。

腫れが出やすいケースとは?

歯ぐきを切開している部分が多いと腫れが出やすくなります。
本数が多い場合は切開する部分が多くなります。
インプラント手術には歯ぐきを切開する方法以外に、サージカルガイドを使用して歯ぐきを切開せずにインプラント手術を行う方法もあります。
この方法だと、傷の治りも良いことや事前にしっかりとシュミュレーションして正しい位置をガイドするので、より精密な治療をすることが可能になりました。

この治療が適応できるかは歯科医院によっても異なりますし、症例によっても適応にならないことがあります。

また、骨移植をした場合にも手術範囲が広くなるので、腫れが出るリスクが高くなります。
そして腫れの出る期間ですが、通常は3~4日程度がピークでだんだん落ち着いてくるケースが多いです。
たいてい1~2週間程度で通常通りに戻ることが多いです。

インプラントは外科手術ですが、骨移植をしない場合、手術時間も長くはありません。
また負担を軽くするように静脈内鎮静法や本数を少なく治療できるAll-on-4もあります。
インプラントがストレスなく受けられるようにさまざまな取り組みがあります。
患者さんのお口の状態によって治療計画が変わることがあるので、インプラントが気になる場合には、検査をしてどの様な治療ができるかを確認しましょう。

インプラントは身近な治療になってきています。
歯を失った時の選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?