基礎知識

選択肢が広がる?知って得するインプラントメーカーの種類とその特徴

19.09.17

インプラントは虫歯や歯周病、事故などで歯を失った場合に行う治療法の1つです。チタンと歯槽骨が結合する事実が発見されてから50年以上が経過し、インプラントメーカーは世界各国に100社以上誕生し、数多くのインプラントシステムが発売されてきました。インプラント治療は自費診療となるために、歯科医院で取り扱うインプラントメーカーも異なり、その特徴は様々であります。そこで今回は日本で多くの歯科医院が採用している、インプラントメーカーについて詳しくご紹介しましょう。

チタンと歯槽骨の結合を発見:ブローネマルク・システム

まずは、インプラントを語る上で、欠かせないチタンと骨の結合の発見について、ご紹介しましょう。チタンと歯槽骨が結合する、オッセオインテグレーション現象を利用したブローネマルク・システムは現在でも各インプラントメーカーが採用するシステムであり、その発見はインプラント治療の技術を大きく向上させました。

ブローネマルク・システムは、ブローネマルク氏が1952年にチタンとウサギの骨が結合することを発見し、1965年に臨床を開始した、インプラント業界の革命的な発見となったシステムです。ブローネマルク氏がチタンと骨が結合することを発見して以降、様々なインプラントメーカーが誕生していますが、チタンと結合する、オッセオインテグレーションを超える発見はありません。

また、ブローネマルク氏によって世界で初めてチタン製のインプラント体を埋め込む治療を受けた男性は、生涯を全うするまでの40年以上もの期間、拒否反応などの問題が起きることなくインプラントを維持することができ、世界で最も多くの科学的文献で立証されている、確かな技術と品質を保有すインプラントです。

世界で最も高いシェア数を誇る:ノーベルバイオケア・インプラント

前述でご紹介したインプラント史上革命的な発見であった、ブローネマルク・システムを採用した、ノーベルバイオケア・インプラントでは、タイユナイトと呼ばれる特殊技術を導入し、イミディエートファンクションを可能としました。

イミディエートファンクションとは、インプラント手術を行ったその日から、新たな第三の歯として機能するように行う治療法であり、従来の治療法ではインプラント体を埋め込んでから数カ月間を治癒期間として設け、上部構造である人工歯がない状態で過ごさなければならないデメリットを解消することに成功し、患者さまの負担を軽減させます。

イミディエートファンクションを最大限に活用した治療法が、オールオン4(All-on-4)です。オールオン4は、4本のインプラントで上、または下全体の12本から14本の人工歯を支え、「入れ歯が合わない」「歯がほとんどないため食事がおもう様に出来ない」などの悩みを解決する画期的な治療方法として、支持されています。

日本のインプラントメーカー:ピーオーアイ・インプラント

ピーオーアイ・インプラントは、1990年に日本で開発されたインプラントメーカーであり、日本製のインプラントメーカーとしては歴史のあるメーカーとして知られています。

1ピース、2ピース、3ピースまでのインプラント形態を展開させ、歯槽骨とインプラント体を更に綿密に結合させるために開発された特殊技術「陽極酸化処理」で行う表面性状と、ハイドロキシアパタイトがコーティングされた「HA」と呼ばれる表面性状を2つ保有するインプラントメーカーとして、2000年には国内最大シェア数を誇るまでになりました。

しかし、審美性が劣る欠点があった為に、徐々にそのシェア数は減少していきましたが改良が重ねられ、日本メーカーの根強い信頼性も合わさり、現在でも国内で高い支持を得ています。

世界シェア2位:ストローマン・インプラント

1972年にスイスのベルン大学とストローマン研究所で共同開発されたのが、ストローマン・インプラントです。ストローマン・インプラントは、主に1回法のみの取扱となるために、ノーベルバイオケア・インプラントと比べると比較的術式が容易であり、取り扱いやすいインプラントメーカーとして知られています。

また、インプラント体と歯槽骨を綿密に結合させるための粗造表面を世界で初めて開発した、インプラントメーカーであり、インプラント成功率を大幅に上げることで、世界で普及していきました。

世界シェア3位:バイオメットスリーアイ(3i)・インプラント

ブローネマルク・システムの模倣インプラントとして知られていましたが、ブローネマルク・システムに当時採用されていなかった、粗造表面を取り入れ、インプラント体と歯槽骨の結合を上手く促すことで、インプラント治療の成功率を上昇させ、アメリカで広く利用されるようになりました。

斜めにインプラントを埋め込む場合や、オール・オン・フォー(All on 4)法に適しているインプラントです。

インプラントメーカーの確認をしよう


上記でご紹介したインプラント業界トップクラスとなるメーカー以外にも、世界には100種類以上のインプラントメーカーが存在しています。その中には名の知られていないインプラントメーカーも数多く存在し、信頼できる確かな品質を持ったインプラントメーカーであるか、自身の身体に埋め込まれるインプラントメーカーの品名を、手術を受ける前に必ず確認することが大切です。

また、人工サファイヤ製のインプラントや、骨膜下インプラントなどは、現在その品質や性質に危惧する点もあるため、ほとんどと言っていいほどに取扱われていないため、治療を受ける場合には注意が必要となります。

まとめ


以上、今回は日本で多くの歯科医院が採用しているインプラントメーカーについてご紹介してまいりました。インプラントメーカーは世界に100社以上存在し、メーカー毎に特徴や性能はそれぞれ異なります。自身の身体に埋め込む精密機器であるインプラントの情報を確認し、ご納得した上で手術を受けることがインプラント治療を成功させる為のキーポイントとなるでしょう。インプラント治療をお考えの場合には、お気軽にお問い合わせください。