基礎知識

インプラント手術後に控える食事は?事前に知っておくべきことは?

19.12.24

時より患者さまより、「インプラント手術後に何を食べれば良いのか分からない」とご相談頂くことがあります。虫歯治療などの一般的な治療とは異なり、歯肉を切開して歯槽骨に直接インプラントを埋め込む外科手術を行なった後、どのような食事を食べられるのか、控える食事はあるのかと、不安な気持ちを抱く患者さまも少なくありません。そこで今回は、インプラント手術後に控える食事はあるのか、手術前に知っておくべき情報をご紹介いたします。不安な気持ちを払拭して、インプラント手術に挑みましょう。

インプラント手術前の食事は?

まず、インプラント手術前の食事について確認しましょう。
手術前であれば、何を食べても問題ないと考えがちでありますが、術前であってもインプラント手術に影響を与え兼ねない内容の食事もあるために、確認が必要となります。以下がインプラント手術前に控えるべき食事内容となります。

アルコール類・・・ビール、ワイン、日本酒、焼酎など

香辛料の強い食事・・・激辛料理など香辛料の強い料理

これらの食事内容をインプラント手術前に摂取すると、血液の循環が促進されることによって出血が止まらなくなってしまうリスクも伴うために、手術前に摂取することは避けましょう。

インプラント手術直後の食事は?

インプラント手術直後の食事について確認を行いましょう。インプラント手術直後に食事を行う場合には、麻酔が切れていることを確認してから食事をすることが推奨されています。

なぜならば、麻酔の効果がまだ残っている状態で食事を行ってしまうと、火傷を負ったり、唇や頬を咬んでしまう恐れがあるために、麻酔の効果が切れていない場合は、食事を控えるべきだと考えられています。

以下の症状が現れる場合には、まだ麻酔が残っているため、症状が治まってから食事を行いましょう。

麻酔が残っている場合の症状

・唇がしびれている

・口周りの感覚に違和感がある

・口周りの感覚がない

・口の動きが鈍い

麻酔の効果が残っているのにもかかわらず食事を行ってしまった場合に起こり得るトラブルは、以下の通りになります。

麻酔後のトラブル

・熱いスープを飲んだが感覚が鈍く・・・火傷

・会話途中に口の動きが鈍く・・・舌を咬む

・飲み物を飲むが口がしびれていて・・・飲み物を口からこぼす

・頬を咬んでしまったが感覚がなく・・・何度も咬んでしまい傷が酷くなる

上記のようなトラブルを起こしかねないため、麻酔後の食事には気を付けましょう。また、以下が麻酔の効果が消えるとされる平均時間となります。麻酔持続時間も把握しておくといいでしょう。

麻酔が切れるとされる平均時間

・表面麻酔・・・10分

表面麻酔とは歯肉の表面の感覚を麻痺させる麻酔であり、針を刺す刺激を抑えることを目的に行われる麻酔であり、その持続効果は10分程度となります。ゼリー状のものや、スプレー噴射するタイプが存在します。

・浸潤麻酔・・・2時間~3時間

浸潤麻酔は抜歯や虫歯治療、インプラント手術時にも使用される、歯科医療における一般的な麻酔として広く知られ、局所に注射をおこなう麻酔薬であり、その持続効果は2時間~3時間となります。

・伝達麻酔・・・6時間~8時間

伝達麻酔は主に下顎奥歯、親知らずなどの抜歯時に活用され、下顎奥歯は麻酔の効果が弱いことで知られ、浸潤麻酔と合わせて局所に注射をおこなう麻酔薬であり、その持続効果は3時間~6時間となります。

術後に控える食事は?

麻酔の効果が切れていることが確認することができたら、食事を行いましょう。しかし、インプラント術前に控える食事があったように、インプラント手術後に控える食事も存在し、インプラント治療を成功に導くためにも、以下の食事はインプラント手術後から2日~3日の間は控えるべきと考えられています。

インプラント手術後から2日~3日の間は控える食事

・アルコール類・・・ビール、ワイン、日本酒、焼酎など

術前の食事と同様に、血液の循環が促進されることによって出血が止まらなくなってしまうリスクも伴うために、手術後に摂取することは避けましょう。

・香辛料の強い食事・・・激辛料理など香辛料の強い料理

術前の食事と同様に、血液の循環が促進されることによって出血が止まらなくなってしまうリスクも伴うために、手術後に摂取することは避けましょう。

・熱い温度の食べ物・・・熱いスープ、熱いグラタンなど

温度の熱い食べ物は傷口を刺激し、更なる出血や腫れの原因となりかねないために、術後に摂取することは控えましょう。

・硬い食べ物・・・せんべい、ナッツ類、フランスパン、飴(咬む恐れがあるため)など

硬い食べ物は咬み砕く際に傷口を刺激し、更なる出血や腫れの原因となりかねないために、術後に摂取することは控えましょう。

・すっぱい食べ物・・・梅、レモンなど

すっぱい食べ物の特徴である酸味などが傷口を刺激し、更なる出血や腫れの原因となりかねないために、術後に摂取することは控えましょう。

・甘い食べ物・・・チョコ、ケーキ、餡子など

甘い食べ物を体内で分解する際に、粘膜の新陳代謝を保つ役割を担うビタミンB群を多く消費してしまうため、傷口の治癒を妨げてしまう恐れがあるために、摂取を控えましょう。

術後に適した食事は?

インプラント手術後2日~3日の間は、以下のような食事を心がけましょう。

術後に適した食事

・うどん

・そば

・おかゆ

・スープ

・ゼリー飲料

・ヨーグルト

基本的に柔らかい食べ物を選択し、傷口を刺激しないようにしましょう。

また、例え術後に痛みを感じることがなくなったとしても、しばらくの間は、インプラント手術行った部位側で咬まず、それ以外の部位で食べ物を咬みましょう。

まとめ

以上、今回はインプラント治療後に控える食事などについて、詳しくご紹介して参りました。インプラント治療は外科手術をともなう治療であるために、術後の食事を心配する患者さまも少なくありません。インプラント治療を受ける前に正しい知識を把握し準備することが、インプラント治療を成功させるプロセスとなります。インプラント治療に対し、ご質問やご相談などございました際には、お気軽にお問い合わせ下さい。