インプラントコラム
COLUMN
矯正の効果をアップできる?インプラント矯正とは
20.04.22
歯を失った時に人工歯根を埋め込んで歯として使用する『インプラント』が普及してきま
したが、矯正の種類でもインプラントがあります。
インプラントの矯正は被せ物をするデンタルインプラントとはまったく違うものです。
そこで今回は歯並びを整えるインプラント矯正について詳しくご紹介しますので矯正を検
討している方は参考にしてみてくださいね。
インプラント矯正
インプラント矯正とはなくなった部分に人工歯根を埋め込んでその部分を土台にして被せ
物をする『デンタルインプラント』とはまったく異なるものです。
インプラント矯正とは歯並びを整えるための矯正の種類の1つで、『歯科矯正用アンカー
スクリュー』という小さなねじを歯ぐきの骨の部分に埋入してのその部分を固定源として
矯正する方法です。
従来のブラケット矯正はワイヤーでつながった歯と歯がお互いに引っ張り合うことで歯を
動かしてきましたが、インプラント矯正は自由に固定源を決めることができるので従来の
矯正方法に比べて安定して矯正ができます。
デンタルインプラント
デンタルインプラントとは、歯がなくなった部分にインプラント体を埋め込んでその部分
を土台にして被せ物をしていく治療です。
あごの骨に埋め込む部分をインプラント、被せ物とインプラントをつなぐ部分をアバット
メントと呼び、3つの構造からできているものが多く、ブリッジや入れ歯と比べるとメリ
ットの多い治療です。
デンタルインプラントはほかの歯に負担をかけることなく部分入れ歯のようにばねをかけ
ることもないので、見た目も天然歯のように自然でメリットの多い治療です。
一般的にインプラントと言われるとデンタルインプラントのことをいうことが多く、イン
プラント矯正と比較する時にデンタルインプラントと呼ばれることがあります。
インプラント矯正のメリット
固定源が動かない
従来のブラケット矯正は抜歯などでスペースを作って歯を動かして前歯と奥歯を引っ張り
合います。
そのため、前歯だけ動かしたい場合も奥歯も同時に動いてきてしまいます。
インプラント矯正は固定源が動かないので、奥歯は前にずれることなく前歯のみが後ろに
下げられます。
治療期間の短縮
従来のブラケット矯正の場合には、奥歯が前にずれてしまう場合があり、犬歯を動かして
から前歯を動かすなど2段階の段階で動かすこともありました。
インプラント矯正の場合にはまとめて歯を動かすことが可能なことが多いので、治療期間
を短縮できる可能性が高くなります。
抜歯しない可能性が高くなる
今までの矯正方法では、奥歯を後ろに動かすことは難しいと考えられていましたが、矯正
用インプラントを使用することで、奥歯より後ろに歯を動かすことができ、スペースを確
保しやすくなりました。
このことから、小臼歯を抜歯してスペースを確保していたケースでも抜歯をせずに矯正で
きる可能性が高くなります。
歯を骨の中に動かすことが可能
従来のブラケット矯正は歯を動かして並べるので、歯を骨の中に沈める様に動かすことは
難しいとされてきました。
インプラント矯正は歯を骨の中に動かずことが可能になるので矯正の歯並びで歯ぐきが多
く見えてしまう『ガミースマイル』の改善や奥歯がかみ合っているのに前歯が開いてしま
う開咬の場合に改善が可能になりました。
インプラント矯正のデメリット
外れてしまうことがある
矯正が終わると外すことを前提としているので、深く埋入しておらずねじが外れてしまう
こともあります。
その場合には再度インプラントを埋め込む必要があります。
お子様は対象ではない
骨が発育途中のお子様は対象にはならないので、16歳以上の方が対象になります。
インプラント矯正の種類
スクリュータイプ
比較的短い距離を移動する時に使用する『ねじ』のタイプのインプラントです。
装置として耐えられるのが400~500グラム程度なので適正な力で矯正する必要があり
ます。
プレートタイプ
プレートタイプは穴が開いている部分に複数のねじを埋め込んで歯を全体的に動かした
い場合に使用する装置です。
2~3本分のねじを埋め込むのでスクリュータイプのねじより大きな力に耐えることがで
きて1キロ程度の負担まで可能です。
インプラント矯正の手順
1 レントゲンを確認してインプラントを埋入する位置を確認します。
2 消毒と麻酔をして切開は行わず、ねじをしめるようにドライバーで入れていきます。
骨の状態で抵抗が強い場合には、ドリルで穴を開けて埋め込む場合もあります。
3 インプラントがしっかりと埋め込まれたことを確認して消毒します。
そのまま矯正する場合もありますし、インプラントが落ち着くまで少し治癒期間をお
くこともあります。
4 清掃方法などを確認します。
矯正用のねじを埋め込む場合は1本10分程度で終わります。
矯正が終わった後はねじを抜きますが、麻酔が必要ないことが多いです。
また、治療が終わった後の穴も歯ぐき部分はすぐに落ち着きますし、骨の部分も数カ月経
過すると元通りに戻ります。
インプラント矯正の痛みについて
インプラントというと大がかりなイメージかもしれませんが、実際にインプラントを埋め
込むのは小さなねじなので痛みを感じることは少ないです。
また、処置の際には麻酔をして出血もほとんどなく、麻酔なども含めても30分程度の施術
なので患者さんの負担の少ない治療です。
インプラント後に少し痛みを感じた場合でも痛み止めを服用すると痛みが落ち着く程度で
す。
ただ、ワイヤーのブラケット装置と同様に慣れるまでは、歯ぐきから出ているねじの部分
が当たって痛みが出ることはあります。
また、スクリューの部分に汚れが着いたままになると炎症を起こして痛みが出ることがあ
るので、ねじの部分は汚れを落とす必要があります。
インプラント矯正は歯並びを治したい時にメリットの多い治療です。
治療期間を短縮でき、抜歯をしないで治療できる可能性が高くなります。
最近の矯正はいろいろな種類が出ており、メリット・デメリットがそれぞれあり、お口の
中の状態によって適応にならないケースもあります。
ご自身に希望を伝えてご自身に合った矯正方法を探してみてくださいね。