インプラントコラム
COLUMN
インプラントの成功に大切な滅菌・消毒とは?
20.04.28
歯科の治療は清潔な環境で行うことが大切ですが、インプラント治療は特に感染対策や衛
生管理が必要です。
インプラントは外科手術なので、無菌の状態で行うことが望ましいです。
テレビなどの病院の手術シーンで手洗いをして手を上に上げた所を見たことがあるのでは
ないでしょうか。
これは、清潔にした手の部分をできるだけ無菌の状態にして、傷口にばい菌が入るのを防
ぐためです。
傷口にばい菌が入ってしまうと傷口が化膿してしまい、インプラントの不具合の原因にな
ってしまいます。
そのような状態にならない様に滅菌・消毒が大切です。
そこで今回はインプラントの成功に大切なことについてご紹介します。
器具の洗浄・滅菌・消毒
洗浄
インプラントでは使い捨てのディスポーザブルのものを使用することが多いですが、器具
などを使用した場合にはまず洗浄をして汚れを落とします。
洗浄をして、更に消毒・滅菌を行い、その効果を最大限に発揮させるために大切な工程で
す。
浸漬洗浄
洗浄液に浸して汚れを除去する方法です。
血液や唾液などを除去して分解するので効果的に洗浄を行います。
超音波洗浄
超音波の機械で超音波を発生させることで、液体の中の細かな振動で汚れを落とす方法で
す。
浸漬洗浄を行って更に超音波で洗浄を行うとより汚れを効果的に除去できます。
消毒
薬液による消毒は専用の薬液に規定の時間浸漬します。
洗浄を行った後に消毒の工程を行います。
滅菌
滅菌は空気中の菌をできるだけ除去する方法で機械にも種類があります。
高温のオートクレーブ121°~130°の高温で滅菌するので安全で確実な方法として広く使用
されています。
その中でも最も厳しい規格のclassB規格の滅菌機器は空気のたまりも作らずスチームが行
き渡るので、インプラントの滅菌に大切な機械です。
ディスポーザブル
ディスポーザブルとは使い捨てのことをいいます。
オペ着や滅菌手袋、チューブ、メス、など使い捨てで対応できるものは患者さんごとに対
応すると安心です。
その際には清潔な部分を清潔域として管理する必要があります。
空気洗浄装置
空気洗浄装置は空気中のウイルスや微生物なども除去できるので院内感染防止の対策に効
果的です。
また、完全個室のオペ室は空気中の飛沫感染の対策にもなるので安心です。
衛生管理
インプラント治療では滅菌した機材やディスポーザブルのものを使用するので、その部分
は清潔なまま保つことが大切です。
滅菌した部分以外を触る時にはほかのスタッフが渡すなど、徹底して清潔な部分を保って
います。
必要最小限の手術
インプラントはできるだけすばやく行うことが大切です。
そのためには、手術前の精密検査・診断・治療計画が大切です。
事前に骨の状態をCT撮影して立体的に骨の状態を確認してどの位置にインプラントを埋入
したら良いか決めておきます。
コンピューターでシュミュレーションできてガイドを用意しておくと更に精度が高くなり
ます。
手術時間が増えてしまうと感染のリスクを増やしてしまうので、事前に精密に確認してお
くことで手術時間を減らして手術の負担を減らします。
術後のクリーニングと管理
インプラントを成功させるためには手術中だけでなく、手術後も細菌の管理をすることが
大切です。
そのためには、歯科医院でのクリーニングで汚れをしっかりと落とし、自宅でのケア方法
もお伝えします。
歯科医院でお口の環境をしっかりと整えて、汚れがない状態にクリーニングして毎日のケ
アで汚れが着かないようにしていきます。
特に歯周病で歯を失った場合には、清掃が不十分で歯周病が悪化しているケースが多いの
で、毎日のケアを丁寧に行うことが大切です。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、細かな部分も磨くことができるタフ
トブラシなどを使用して丁寧に汚れを落としましょう。
インプラントを良い状態で長く保つためにはお口の環境を保つことが大切です。
インプラント後のクリーニングと定期検診でインプラントとご自分の歯を守りましょう。
丁寧なカウンセリング
インプラントだけではないのですが、歯科の治療では疑問に思っていることや不安に思っ
ていることを解消するためにコミュニケーションをしっかりと取って信頼関係を築くこと
が大切です。
特に外科治療も必要なインプラントは分からなくて不安になっていることもあると思いま
す。
カウンセリングではその様な不安や疑問を解消して患者さんに寄り添うことができるよう
にするための時間です。
インプラントは手術が終わってもその後も定期的にメインテナンスをして長くお付き合い
をする治療です。
そのため、カウンセリングで信頼関係が築いて、納得ができるようにすべてのスタッフが
対応致します。
きちんと納得されるまでの説明と安心感が得られるカウンセリングがインプラントの成功
には大切です。
感染すると起こる可能性があること
インプラント手術後の腫れや痛み
インプラント手術後にも腫れや痛みが出ることはありますが、2~3日程度で落ち着くこと
が多く、痛み止めや抗生物質を服用することで対応できることが多いです。
ただ、感染をしていると痛みや腫れが落ち着かず膿が出る場合もあります。
インプラントのぐらつきや脱落
インプラントが細菌感染を起こしてしまうとインプラントのぐらつきや脱落の原因になり
ます。
インプラント手術の滅菌レベルが低いと起こってしまうこともありますが、毎日のケアの
プラークコントロールが不十分で引き起こすこともあります。
そのため、インプラント手術後の毎日のケアを十分に行うことも大切です。
インプラントを成功させるためには、インプラント手術の感染対策を十分に行っている歯
科医院で治療することが大切です。
また、その後の細菌感染対策も大切なので、自宅でのケア、定期メインテナンスもしっか
りと行ってお口の環境を整えることがインプラントを長く良い状態で保つことにつながり
ます。
細菌感染を防いでインプラントでしっかりとかむ喜びを手に入れましょう。