インプラントコラム
COLUMN
もしもインプラント治療で転院したいときは? 転院先の探し方や注意点
20.09.22
インプラントは虫歯や歯周病などよくある歯科の治療とは違い、他院への転院は慎重におこなわなければなりません。
そこで今回、万が一お引越しや何らかの事情により、インプラント治療やメンテナンスを別の医院に転院して受診する場合の注意点や、転院先選びなどについてご紹介します。
基本的に「転院」はおすすめできません
インプラントはインプラントの土台となる人工歯を埋入する外科手術をおこない、一定期
間を置いて人工歯を被せる処置をおこないます。この一連の治療期間中はもとより、治療
後も定期的にメンテナンスを受けることで、装置を健康的に維持・継続して使うことがで
きます。ですから、できればインプラント埋入手術から人工歯が入るまではもちろんのこ
と、定期的なメンテナンスも同じ歯科医院を受診することが望ましいと考えます。
◯引っ越しにより転院したい場合
インプラントはよほどのことがなければ毎週通院が必要というようなことはありません。
引っ越し先にもよりますが、埋入手術後の定期検診は数カ月置きですので、車や交通機関
で通える範囲であれば同じ歯科医院を受診しましょう。
人工歯装着後は、どうしてもメンテナンスによる通院が難しい場合は、近隣で他院でのイ
ンプラントも見てくれる歯科医院を探すことも選択肢のひとつです。
◯インプラントの不具合により転院したい場合
もしもインプラント治療後に不具合が生じ、施術を受けた歯科医院で継続して治療をうけ
ることの不安などから転院したいとお考えの場合も、まずは一度治療を受けた歯科医院に
ご相談ください。
その上でどうしてもそこで治療を継続したくない場合には、インプラントのリカバリー(再治療)
を受け入れている歯科医院を探して相談しましょう。
転院したい場合の注意点
やむを得ない状況により転院する場合には、転院先へはできるだけ現在入れているインプ
ラントの情報(メーカーなど)を連携できるとスムーズです。
引っ越しで転院する場合など、もしもグループ医院などがある場合には、そちらに転院す
れば情報共有できますし、同じインプラントのメーカや器具を使用していることで、転院
によるデメリットを少なくすることができます。
◯インプラントの情報を転院先と連携する
インプラントは世界中で数百種類あるとされており、有名なメーカーからあまり取り扱い
が無いものまでさまざまです。それぞれに使用する器具違うため、どのメーカーのインプ
ラントが使われているのか解らないと治療できなかったり、そもそも転院先では取り扱え
ないインプラントである場合は、再度受け入れ先を探すことになることもあります。
◯保証や料金が異なる可能性が高くなります
インプラントは自費診療のため、個々の歯科医院で設定の治療費や保証内容が異なります。
埋入手術だけでなく、人工歯やメンテナンスにかかる費用も込みで保証期間を設定してい
る場合もありますので、転院先でそのまま継続することはできません。転院先で新たに金
額設定されている治療費を支払うことになり、総額としては増えることもありますのでご
注意ください。
◯ガイデント保証があるか事前に確認しておく
保証機関である「ガイデント」に認定されている歯科医院同士であれば、転院後も以前の
保証が継続されるシステムです。もしも転勤する可能性がある方などは、事前にこのシス
テムがあるかどうか確認しておかれるのも方法のひとつです。ただしどこに引っ越しても
認定医院があるとは限りませんのでご了承ください。
転院先を選ぶ方法や注意点
インプラントは特殊な治療方法が必要ですので、どこの歯科医院でもおこなえる治療では
ありません。そもそもインプラント治療をおこなっているかということや、先にご紹介し
たように、インプラントの取り扱いメーカーによって受け入れ先を選びましょう。
◯同じインプラントメーカーを取り扱っているか
まずは現在入っているインプラントと同じメーカーを取り扱っているかどうかは最も重要
です。インプラントの土台と人工歯をつないでいる部分を外すために使用するドライバー
がメーカー毎に異なりますので、取り扱っていないメーカーのものが入っている場合には
治療を受けられないこともあります。
◯インプラントのリカバリーを受けている歯科医院を探す
インプラントの再治療はできれば避けたいことですが、もしも転院の理由がインプラント
治療後の不具合による不信感からであれば、他院を探すことになります。
これまでお話ししたように、転院に関してはできるだけ治療したインプラントの情報を転
院先に伝えた方が安心ですが、もしも再治療希望の転院の場合は、治療を受けた歯科医院
に聞きにくいという状況もあると思います。
その場合には、インプラントのリカバリーを得意とする歯科医院を探しましょう。
受診前にこれまでの事情や現在の不具合の状況などを事前に問い合わせされることをおす
すめします。
◯インプラント治療についての実績や資格を確認
インプラントは顎骨内に埋入するため、的確な治療計画や埋入手術の高度な技術が求めら
れる治療です。また、メンテナンスであっても、何らかのトラブルに適切に対応してもら
える歯科医院が望ましいでしょう。
そこで、これまでの実績や歯科医師が専門医であるということも医院選びの目安のひとつ
となります。HPなどで確認できることも多いので参考にされてください。
◯納得いくまで治療について確認しましょう
インプラントの転院は、通常の歯科医院を転院するよりも労力を必要とします。転院先で
再度治療がうまくいかなかったり、インプラントが失敗するような事態は避けたいもので
す。転院先にはまずインプラントの相談に出向き、十分な説明を受け、納得の上で転院す
るようにしましょう。
まとめ
インプラント治療は治療開始から終了、メンテナンスに至るまでお付き合いできる歯科医
院を選んでいただきたいと思います。とはいえ、もしもインプラント治療中に疑問や不安
などが生じた場合、まずはかかりつけに詳しい説明を求めてください。
その後どうしても転院が必要になった場合には、転院先で治療がスムーズに運ぶための歯
科医院選びをしていただき、せっかく治療したインプラントが無駄になるような事態だけ
は避けていただければと思います。