基礎知識

インプラントが変色するの?変色を防ぐためには

21.02.24

インプラント治療をすると被せ物に透明感のあるセラミックを使用することが多いので
見た目が自然で周りの歯をなじみやすい被せ物にできます。
審美的に満足度の高いインプラントですが、被せ物や歯ぐきが黒く変色して見た目が気になってしまうことがあります。
そこで今回はインプラントで歯ぐきが変色してしまう原因や予防法について詳しくご紹介します。

被せ物が黒く見えることがある?

インプラントの被せ物はセラミックやジルコニアを使用することが多いので、着色汚れが着きにくい特徴があります。
ただ、選択する方は少ないですが、ハイブリットセラミックの場合には、セラミックとプラスチックを配合しているので、着色汚れが着いてしまうこともあるでしょう。
着色はコーヒーや赤ワインなどの色素が沈着してしまうことで被せ物が変色して見えることがあります。
着色汚れは自分では落とすことが難しいので歯科医院でクリーニングして落としましょう。

歯ぐきが黒くなることがある?

即時荷重インプラント
 

 歯ぐきの色が変わる原因の1つとして喫煙があります。
タバコはメラニン色素が沈着することやヤニなどの着色する物質で歯ぐきの色が変色してしまうことがあるのです。
また、歯ぐきだけでなく歯にもベタベタしたヤニの着色汚れが着くことが多いでしょう。
また、被せ物の境目の歯ぐきの部分が黒く変色しているのを見たことがありますか?
歯ぐきが黒ずむ原因は、金属が長い期間お口の中に入っていると、銀イオンが溶け出して歯ぐきに沈着することが考えられます。
お口の中の金属は保険で作製した銀歯の被せ物や金属の土台があります。

インプラントも歯ぐきが黒く変色する?

インプラントは銀歯のように歯ぐきに沈着しているわけではありません。インプラントは銀歯の素材を使用していませんし、チタンという金属を使用しますが、腐食しにくく、歯ぐきに溶け出すことは少ないといわれています。
インプラントで歯ぐきが黒く見える理由で考えられるのが、土台の色が透過して透けて見えて黒く見えることがあるでしょう。
インプラントの基本的な構造はあごの骨に埋め込む『インプラント体』土台の『アバットメント』とその上に被せる『上部構造』の3つに分かれます。
一般的にインプラントの被せ物はセラミックで作製されていて金属を使用していません。
内側の土台には金属を使用することもありますが、被せ物で見えることは少ないでしょう。
ただ、汚れが着いていて歯ぐきが下がってくると内側の土台の部分が見えて歯ぐきが黒く見えることがあります。
それでは、歯ぐきが下がって黒く見えてしまうのはどのようにしておきるのでしょうか。

 どうしてインプラントで歯ぐきが下がるの?

骨を増やす

インプラントは汚れがついていると炎症をおこしやすく進行しやすいことがあります。
これは、インプラントには歯周組織と根の部分をつなぐ歯根膜という膜がありません。
この膜があることで血液の循環があり栄養や免疫力を与えますし、かむ力を吸収するクッションの役割も果たします。
そのため、天然歯に比べてインプラントは歯周病に似たインプラント周囲炎になると、気がつかないうちに悪化しやすく、定期的にメインテナンスをしていないと歯ぐきが下ってしまうこともあります。
インプラント周囲炎は初期の段階では歯ぐきから出血がみられます。そのまま進行すると腫れたり、膿が出てくることもあります。この段階までくるとインプラントを支えていた骨が減ってきていることが多いでしょう。
進行してインプラント周囲炎がひどくなるとインプラントを支えている骨が少なくなってしまいインプラントを支えることが難しくなってしまいます。インプラントの初期の症状では自覚症状が少なく、痛みはほとんどありません。

インプラント周囲炎の原因とは?


 

インプラント周囲炎の原因で考えられるのが、歯周病が治っていない状態でインプラ
ント治療を受けてしまったことがあります。
歯周病の状態でインプラントをすると、4倍インプラント周囲炎になりやすいというデータもあります。
また、インプラント治療後に毎日のセルフケアで適切なブラッシングが行われていないことがあげられます。
毎日のケアが不十分で汚れが残ってしまうと細菌が増殖して炎症を起こしてインプラント周囲炎の原因になります。
そのほかには歯ぎしりや食いしばりなどで強い力がかかるとインプラントに負担がかかりインプラント周囲炎の引き金になると考えられています。

インプラント周囲炎を予防するには?

毎日のセルフケア

 

インプラント周囲炎を予防するには、毎日のセルフケアを徹底してお口の中の汚れを除去してキレイにすることです。
ブラッシングは歯ぐきの境目を重点的に細かく磨いていきます。
歯と歯の間は歯ブラシが届きにくいところなので、デンタルフロスを使って汚れを落としましょう。
歯と歯の間が大きい所は歯間ブラシを併用すると良いですね。
歯間ブラシは歯ぐきに合ったサイズのものを選ばないと、歯ぐきを傷めてしまうこともあるので、メインテナンスの時にサイズを確認すると安心です。
また、細かな部分を磨く時には小さな三角のブラシのタフトブラシを使用して磨き残しを防ぎましょう。

メインテナンスでのプロフェッショナルケア

毎日のセルフケアでは苦手な部分などはどうしても磨き残してしまうことがあります。
その部分は定期的なメインテナンスの時に汚れが着いている部分を確認して、歯ブラシや補助清掃用具でどのように落としたら良いか確認してご自宅でのケアに役立てていただきます。
また、クリーニングでお口の中をキレイな状態にして汚れが着きにくくします。
クリーニングで汚れを取って歯がつるつるになると、汚れが着きにくいのでその状態をできるだけキープしていただくようにします。インプラントは見た目が自然で満足度の高い治療なのですが、歯ぐきが黒くなってしまうと見た目の満足度が下がってしまいます。できるだけ良い状態で長く維持するために汚れをしっかりと落とすことが大切です。
インプラント周囲炎で歯ぐきが下がってしまわないように、毎日のケアと定期的なプロフェッショナルケアでお口の環境を整えましょう。