インプラントコラム
COLUMN
インプラントに副作用はあるの?その副作用の対策とは
21.04.11
インプラント治療は見た目も自然で、しっかりとかむことができるメリットの多い治療です。
ただ、どんな治療にも少なからずデメリットがあり、まれにおきることではありますが、治療前に説明して納得していただいてから治療を行っています。
そこで今回はインプラント治療の副作用と対策について詳しくご紹介します。
インプラントと骨が結合しない
少ないケースですが、インプラントを埋入して骨に結合するまでに数カ月期間を待ちますが、インプラントの骨が足りない場合や厚みがないことでインプラントが安定せずうまく結合しないことがあります。
インプラント治療前にレントゲンやCT撮影をして骨の量や厚みを検討して、インプラントができるか判断するのですが、治療計画より骨の質が悪い場合にはインプラントが結合しないケースがあります。
治療計画の段階で骨が足りないと判断した場合には骨再生療法なども行うことができるので、骨の量が少ないだけでインプラント治療ができないわけではありません。
結合しない原因
骨が硬すぎる場合
骨が硬いとしっかりしているイメージがあるかもしれませんが、あまりにも硬い骨だと
血流が良くないのでインプラントの定着の妨げになってしまうことがあります。
骨がやわらかすぎる場合
骨が少ない時ややわらかすぎると治療計画の段階で判断した場合には骨再生療法などで骨を増やす処置を行いますが、治療計画の時の判断が甘く骨を増やす処置をしないままインプラントを埋め込むとインプラントが定着しない原因になってしまいます。
骨火傷をしてしまった場合
通常、インプラントを埋入する時に、ドリルして穴をあける時には水で冷やしながら行うのですが、水の量が十分でないときちんと冷やすことができずに骨が火傷した状態になってインプラントが定着しない原因になります。
また、硬すぎる骨を無理に削った場合にも同様の症状になることがあります。
神経を傷つけてしまう
下あごには、下顎管というトンネルのような部分があり、その部分を避けてインプラントの埋入位置を決めていきますが、まれにその管だけではなく骨の中も神経が通っていることがあります。
神経を傷つけてしまうと、神経がダメージを受けて麻痺が残ることがあるので、治療計画の時にCT画像で神経の位置を確認してその位置を避けてインプラントを埋入していきます。
ただ、あまりないケースではありますが、CT画像で確認できない神経もあるので、インプラント治療の前に、おこる可能性のあるリスクとして説明しています。
神経を傷つけないことやインプラントが骨と結合しないための対策とは?
神経を傷つけないことやインプラントと骨が結合しないためにできる対策としては、事前の精密検査をしっかりと行って治療計画を立てることが重要です。
インプラントの際には歯科用のレントゲンを撮影しますが、立体的に画像を確認できるCT画像を撮影するとより骨の量や厚みを確認できます。
そのほかにはCT画像をパソコンに取り込んで3次元的にシュミュレーションを行うソフトでインプラントの埋め込む位置や角度などを検討すると安心ですね。
CT画像で神経の位置も確認できるので、その位置を避けてシュミュレーションでインプラントの埋入位置を決めることができます。
また、より精密に行うためにシュミュレーションした位置を元にマウスピースの形をしたガイドを作製してインプラント位置のずれをなくす方法も行うことができます。
このガイドを使用するとドリルの位置があらかじめ決まっているので、手術時間の短縮にもなりますし、フリーハンドで行うより精密にインプラントを埋入できます。
手術後のケアが不十分で感染する
インプラント手術直後は、インプラント部分を磨くことができないので、刺激の少ない専用のうがい薬でうがいをします。
このうがいをしないでそのままになってしまうと感染のリスクが高くなります。
また、インプラント部分は歯ブラシを当てることはできないのですが、ほかの歯は磨かないと汚れが着いてお口の中の細菌が増殖してしまうので感染リスクが高くなります。
インプラント手術直後はインプラント部分だけを避けてほかの歯はきちんと磨くようにしましょう。
また、抜歯後もやわらかめの歯ブラシで優しく磨いていくのですが、歯ブラシで磨かないと感染するリスクを高めてしまいます。
手術中の不衛生が原因
インプラント手術中は、外科手術を行うので、通常の虫歯治療に比べて徹底して衛生管理を行っています。
手術着や帽子、滅菌しているグローブなどを使用して使い捨てができるものを取り入れて、清潔な空間を保っています。
器具も滅菌して清潔なものを使用しているので、可能性としては少ないですが手術中の不衛生が原因で感染するリスクはあります。
感染しないためにできる対策
自宅でのケアは手術直後、抜糸後の時で対応が違うのでその時のケア方法を確認して行いましょう。
手術直後は、インプラント部分は磨くことができないので触らず、専用のうがい薬でうがいを行います
そのほかの部分はきちんと歯ブラシを当てて磨きます。
抜糸後は、インプラント部分はやわらかめの歯ブラシを当ててほかの部分はいつも通り磨きます。
また、手術中の感染の対策は個室のオペ室があると衛生管理に力を入れていることが多いので安心ですね。
被せ物が外れる・破損する
かみ合わせが強すぎる
インプラントは天然の歯と比べて、クッションの役割をする『歯根膜』がないのでかみ
合わせが強いとダメージをダイレクトに受けてしまいトラブルになることがあります。
そのため、かみ合わせを精密に調整して適切なかみ合わせにすることが大切です。
インプラントと被せ物をつなぐアバットメントが緩んでいる
インプラントと被せ物をつなぐ土台の役割をしているアバットメントが緩んでいて被せ物が外れてしまうことがあります。 ねじ式の場合にはねじを適正な範囲でしめなおします。
また、セメントで固定している場合には、セメントが残っていないか、浮いていないか確認していきます。
被せ物が外れないための対策は?
定期的なメインテナンスを行ってかみ合わせをチェックすることが大切です。
定期的なチェックを行うことによって不具合が起きる前にねじが緩んでいたらしめなおして、被せ物が取れそうだったらつけなおすことができます。
インプラント治療前には事前にどのようなリスクがあるか説明した上で行います。
一般的にはおこらないことでも、納得していただいて治療をしてもらいたいからです。
インプラントのリスクに対処できるように対策を取って治療しているのでご安心ください。