基礎知識

かむ時に重要な役割を持つ奥歯のインプラントの注意点とは?

21.04.30

奥歯は食事をする時にかむ力が加わるので、力を受け止めるために大切な部分です。
歯を失った時にブリッチや部分入れ歯、インプラントの治療がありますが、奥歯でインプラントを治療した時にどのような注意点があるのでしょうか。
そこで今回は奥歯のインプラントの注意点についてくわしくご紹介しますので参考にしてみてくださいね。

奥歯のインプラントの注意点


  

前歯に比べて高い機能性が重視される

奥歯は食べ物をかむために重要な役割を担っています。そのためインプラント治療は、かむ役割をしっかりと行うために機能的なことが重要です。
また、インプラントがしっかりと安定するためには骨が十分にあることが大切です。
事前に骨の状態をしっかり確認するために精密検査での『CT画像の診断』がポイントになります。
歯科用のレントゲンは平面で骨の状態を確認しますが、CT画像では3次元的に立体的に骨を確認できるので厚みや高さをしっかり把握できるので、インプラントの埋入する位置や高さ不足がないかなどを確認できます。
また、CT画像では神経が通っている部分も確認して、インプラントを埋入する時のドリルで神経を傷つけることがないように配慮していきます。
しっかりとかむためにはインプラントが安定することが大切なので、骨の状態や埋入位置を精密に検討していきます。
また、インプラントを安定させるためには骨の量が十分にあることが大切なため、歯周病や加齢などで骨が少なくなっている場合には『骨の再生療法』を行って骨を増やす治療を行うこともあります。
1度減ってしまった骨は自分の力では再生することがないため、骨の再生を促してインプラントがしっかりと安定するようにしていきます。

インプラントの本数

奥歯は食事をする時にすりつぶす役割をするので、前歯に比べて大きな力がかかります。
また、重いものを持つ時など食いしばりで力がかかることもあります。
力がかかった時に負担を減らすには失った歯の本数に近いインプラントを埋入することで負担がかかる部分を減らすことができます。
インプラントの本数は骨の状態によっても変わってくるので治療計画の時にしっかり確認しましょう。

定期メインテナンスをしっかり受けましょう

インプラントを良い状態で保つためにはインプラントの定期メインテナンスが大切です。
インプラントトラブルで多い『インプラント周囲炎』は汚れが原因でおこります。
インプラントは天然の歯に比べて『歯根膜』というクッションの役割をする膜がないのでダメージをダイレクトに受けてしまいます。
そのため、インプラント周囲炎になると自覚症状も少なく進行も早いのが特徴です。
インプラント周囲炎で炎症をおこさないためにも、お口の中を清潔に保つことが求められます。
 そのためには毎日に自宅でのケアでしっかりと汚れを落として細菌が着かないようにしていきます。
また、苦手な部分は少し汚れが残ってしまうことも多く、定期的にチェックすることで定期メインテナンスで汚れを落とし、その部分の汚れの落とし方も確認できます。
また、インプラント部分が少し緩んだ場合など、トラブルになる前にチェックして対処することで良い状態で長くインプラントを使い続けることができるのです。
インプラント周囲炎になった場合にも早期発見・早期治療ができるので決められた期間で定期メインテナンスをしっかり受けましょう。

奥歯のインプラントのメリット


 

しっかりかめるようになる

インプラントの大きなメリットはしっかりとかむことができるので食事が快適になるとこ
ろです。
部分的な入れ歯は安定感が少なく、カタついてかみにくいことがあります。
また、奥歯はかむ時に力がかかるので、ぴったり合っていないと歯ぐきに力がかかり痛みが出ることもあります。
部分的な入れ歯は取り外し式のため、お口の状況にもよりますが天然歯があったころと比べて30~40%の機能の回復といわれています。
また、ブリッチの場合には固定式なので部分入れ歯に比べて安定感はありますが、3本分の歯を2本で支えているので60%程度の回復といわれています。
インプラントの場合は、あごの骨に定着して固定式ですし、その部分だけで治療することができるので、ブリッチや入れ歯に比べて一番天然歯に近いかむ力を手に入れることができます。

ほかの歯に負担をかけない

部分入れ歯の場合には、ほかの歯にばねをかけて失った所を補うのでばねをかける歯に負担がかかってしまいます。
ブリッチの場合にも、3本分の歯を2本の歯で支えるので、支えている歯に負担がかかってきます。
インプラントはあごの骨に定着してその部分だけで治療ができるので、ほかの歯の力を使わずに治療ができるので、ほかに歯に負担をかけることがありません。

あごの骨が吸収しない

歯を失ってブリッチや入れ歯の治療をすると、歯を失った部分はあごの骨に刺激が伝わりません。
あごの骨に刺激が伝わらないと少しずつ骨が吸収してしまいます。
その点、インプラントはあごの骨にインプラントを埋め込むので、刺激が伝わりあごの骨が吸収するのを抑える働きがあります。

インプラントのデメリット


 

ほかの治療に比べて費用が高い

部分入れ歯やブリッチは保険が適応になりますが、インプラントは一部の病気の場合を除いてほとんどが保険外の治療です。
そのためほかの治療に比べて費用が高くなることはありますが、しっかりとかめるようになり見た目も自然な治療法です。
そして、費用は医療費控除で少し抑えることができたり、分割で対応できることもあります。

 

治療期間が長い

インプラントの埋入の方法や骨の状態にもよりますが、インプラントはあごの骨に定着するまで期間を置くのでその分治療期間が長くなります。
骨が定着するまでの間毎週通うわけではありませんが、治療が終わるまでに一定期間治療期間が必要です。

奥歯にインプラントは、しっかりとかむための力がかかる部分なので、事前にCTでしっかり診断して、治療後も定期メインテナンスで良い状態を保つことが大切です。
しっかりとかむことができるようになると、食事の時間が快適になり食べる楽しみを満喫できます。
奥歯のインプラントが気になった際にはぜひ1度ご相談くださいね。