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インプラントをしたら歯ぐきが黒ずんだ?歯ぐきが黒ずむ原因と対処法とは

21.05.30

インプラント治療をした後に歯ぐきが黒ずんで見えることがあります。
審美的にもこの黒ずみが気になってしまう方も少なくありません。
この原因として考えられるのがインプラント周囲炎です。
そのほかにも被せ物の素材やたばこが関係していることもあります。
そこで今回はインプラント治療後に歯ぐきが黒ずんでしまう原因と対処法についてお話させていただきますので参考にしてみてくださいね。

インプラント周囲炎が原因

インプラント歯周炎と歯周病の関係

 インプラント治療をした後に歯ぐきの部分が黒く見えるのは、歯ぐきの状態が変わってインプラントの一部分が見えてしまうためです。
歯ぐきの状態が変化するのは『インプラント周囲炎』が関係してきます。
インプラント周囲炎は歯周病と同様の症状で歯ぐきが腫れる、歯ぐきが出血する、歯ぐきがやせるなどの症状が出てきます。
インプラント周囲炎になると、初期症状は歯ぐきが腫れることや出血があることですが、進行してくるとインプラントを支えている骨が徐々に減ってきます。
骨が少なくなるとインプラントがグラグラして不安定になることやインプラントが抜け落ちてしまうなどのトラブルにつながる場合もあります。
また、歯周病と同様にインプラント周囲炎も自覚症状が少ないのですが、さらにインプラントは歯根膜というクッションの役割をする膜がないので、ダメージを直接受けてしまいます。
そのため、歯周病よりもインプラント周囲炎の方が進行も早いので、インプラント周囲炎にならないように原因となる『汚れ』の中にある細菌を除去することが大切です。

インプラント周囲炎を予防するには

 毎日のセルフケア

毎日のケアが十分でないと、プラークが残ってしまい、歯周病の原因になる原因菌が増殖して歯ぐきに炎症がおきます。
プラークの中には炎症をおこす原因菌が多く含まれているので、インプラント周囲炎を予防するには毎日のケアがかかせません。
セルフケアは特別なことを行うのではなく、毎日の歯磨きでのブラッシングを細かく行って汚れを落とすことです。
その中でポイントになってくるのが、『お口に合った歯ブラシ選び』です。
特にインプラント治療の時には、初めはやわらかめの歯ブラシを使用して、歯ぐきの境目を磨きやすいような毛先のものを選ぶと良いでしょう。
歯ブラシはおすすめのものも定期健診の時に提案できますので、参考にしてくださいね。また、『ご自身に合った歯磨き粉選び』も大切です。
インプラントの場合には粗い研磨剤が入った歯磨き粉は避けましょう。
ザラザラする粗い粒子の研磨剤は歯ぐきとインプラントの間に入りこんで炎症をおこす可能性があるからです。
また、ほかの歯でも汚れは落ちやすいが歯に細かい傷がついてその部分に汚れがつきやすくなってしまうことがあります。
そのほかには歯ぐきが退縮している部分にダメージを与えてしまうデメリットがあります。
歯磨き粉選びのときには『研磨剤無配合や低研磨』の歯磨き粉を選びましょう。
そして、歯磨きの後には歯間ブラシやデンタルフロスを使用して歯の間に残った汚れを落とすと細かい部分の汚れにも対応できます。

定期的なプロフェッショナルケア

毎日セルフケアを行っていても、苦手な部分や磨きにくい所には汚れが残ってしまうことが多いものです。
その部分のケアを行うためにも定期的なプロフェッショナルケアを受けましょう。
定期的なメインテナンスでは、お口の状態に合わせてどの部分に汚れがついていてその部分のケア方法はどのようにしたら良いかをお伝えして毎日のケアに役立てていただきます。
また、汚れが着いている部分はクリーニングで除去します。
汚れを除去することでつるつるになり、汚れがつきにくい環境になります。
そのほかにはレントゲンを撮影してインプラントと骨の状態を確認するので、少しの変化で不具合がおきる前に対応ができます。
インプラントがぐらついていないか、部品の破損がないかなどもチェックしていきます。
そして、インプラントはかみ合わせが強く当たると負担がかかることがあるので、かみ合わせが変わっていないかも確認していきます。
また、インプラント手術直後の食生活や普段の食生活でインプラントに負担がかからないような食事の工夫をお伝えすることもあります。
インプラントはしっかりかめるようになりますが、手術直後はやわらかいうどんのような食事からスタートして徐々に慣らしていきます。
また、骨の状態によっては硬いものは小さく切ってから食べるなどの工夫をしてもらうこともあります。

インプラントが直接の原因ではないことも

治療法について

 被せ物の素材による黒ずみ

被せ物の素材が金属のものを使用していると少しずつ金属イオンが溶け出して歯ぐきの境目も部分が黒くなることがあります。
あごの骨に埋め込むインプラント部分はチタンという素材を使用していることが多く、この素材は歯ぐきが黒ずむことはありません。
インプラントの上につける土台や被せ物に金属を使用している場合には黒ずみの原因となります。
ただ、金属の素材は保険の銀歯で使用されていることが多く、インプラント治療は保険外の治療なので、自由に素材を選ぶことができます。
セラミックやジルコニアを使用することが多いので、被せ物による黒ずみは少ないでしょう。

 たばこによる黒ずみ

長い期間たばこを吸っていると、たばこに含まれるタールやニコチンの成分が血流を悪くして歯ぐきの黒ずみに原因になります。
たばこが原因の黒ずみは禁煙をするとゆっくりともとの状態に落ち着いていきます。
また歯ぐきのピーリングを行うことで除去もできます。
ピーリングを行うと、数日で歯ぐきの表面がはがれて健康的なピンク色の歯ぐきが出てきます。
インプラントの黒ずみはインプラント周囲炎が原因のことが多いです。
インプラント周囲炎は毎日のケアとプロフェッショナルケアで予防ができます。
お口の環境を整えて、インプラントを良い状態に保つためにも治療後のケアを大切にしてくださいね。
また、たばこや被せ物の素材が原因で黒ずむこともあります。
インプラントをしたことが原因で黒ずむわけではないのでご安心ください。