お悩み

不安を解消してインプラント治療を行うことができる静脈内鎮静法とは?

21.07.24

失われた歯を補う治療としてインプラントを選ぶ方も増えてきました。
 ただ、歯科治療が苦手でインプラントに対して不安や恐怖心がある方もいらっしゃいます。
患者様の不安感や痛みをできるだけ解消できる方法をご提案させていただきたいと考えています。
その中で手術に対して恐怖心が強い方におすすめの方法が『静脈内鎮静法』です。
うとうとした状態で治療を受けることができるので、リラックスしてインプラント手術を行えます。
そこで今回は静脈内鎮静法や一般的な局所麻酔について詳しくご紹介していきます。

 一般的な局所麻酔


 

インプラント治療をする時には歯科治療で行う『局所麻酔』で治療することが一般的です。
インプラントの方法によって手術の難易度が変わってきますが、インプラント1本だけ 入れる手術の場合には抜歯と同程度の難易度や時間といわれています。
インプラントをするためには、歯ぐきを切開してあごの骨にインプラントを埋め込むので、麻酔によって痛みをコントロールする必要があり、局所麻酔をすることが多いのです。
ただ、局所麻酔は口元の感覚をコントロールできますが、意識がはっきりしています。
そのため、インプラントに対して恐怖心がある場合や骨移植なども一緒に行う難易度が
高い手術の時には意識もコントロールする麻酔を用いることもできます。
意識をぼんやりとした状態だと、骨移植などで時間が長い場合でも負担が少ないですし、音や嘔吐反射がある方でも安心して治療を受けることができます。それでは意識もコントロールできる静脈内鎮静法についてご紹介します。

 静脈内鎮静法とは?


 

静脈内鎮静法とは、お口の中ではなく、腕の静脈に点滴をしながら麻酔を行う方法です。
点滴を開始すると、眠ったようなうとうとしたリラックスした状態になります。
全身麻酔とは違って意識が全くなくなることはありませんが、まどろんでいるような感覚になるので恐怖心や不安な気持ちを抑えて安心してインプラント治療を受けることができます。
鎮静法を行った患者様は『いつの間にか終わっていた』と感想を持つ方も多いようです局所麻酔で痛みをなくすことができても、音や振動を感じなくすることはできないので、インプラント治療に恐怖心がある方にとってはストレスになってしまうこともあります。
そのような時には静脈内鎮静法で不安感を取り除いてスムーズに治療を進めることができます。
また、全身疾患のある方で恐怖心やストレスを感じると血圧や心拍に影響が出て体調が悪くなってインプラント治療が難しいケースもありますが、この方法だと血圧や心拍を安定してコントロールができるので安心です。

静脈内鎮静法の流れとは

 STEP 1

まず、最初に体調に変化がないか確認していきます。
 静脈内鎮静法を行っている間は血圧やモニターをチェックしながら全身の変化がないか確認していきます。
不安や疑問点がある場合もこの時にお話しさせていただいて解消します。

STEP2 

静脈に点滴を開始していきます。通常、腕に点滴をすることが多いのですが、患者様によっては手の甲にすることもあり
ます。点滴に使用する針は細い物を使用しているので、注射が苦手な方も無理なく行うことができます。

STEP3

点滴がスムーズにできたら、薬の量を調整していきます。患者様の歯科治療への恐怖心の度合いや希望によって、しっかり眠った状態にするかうとうとした状態にするかを判断します。

STEP4

局所麻酔も行っていきます。
静脈内鎮静法は全身のリラックス効果には優れていますが、お口の中の痛みの鎮静効果は不十分なので局所麻酔でカバーしていきます。局所麻酔がしっかりと効いたことを確認してインプラント治療を開始していきます。
治療中は生体モニターや血圧を確認しながら、体調が変化した時にも対応ができるように万全の体制を取っています。
静脈内鎮静法を行った後も歯科医院で休んでから当日には帰宅ができますが、麻酔が覚めた後はふらふらすることもあるので、自家用車や自転車通院することは避けてください。公共交通機関や徒歩での来院をお願いしています。

静脈内鎮静法がおすすめの方

嘔吐反射の強い方

 お口の中に物が入ると吐き気がする嘔吐反射があるとインプラント治療が難しいですが、静脈内鎮静法でリラックスすることで安心して治療を受けることができます。

歯科治療への恐怖心が強い方

静脈内鎮静法を行ってうとうとした感覚になると、ほとんど恐怖心を感じることなく治療を受けることができます。

インプラントの埋入本数が多い方や骨移植をする方

インプラントの本数が増えると手術時間も長くなりますし、難易度も上がります。
また、骨移植をする場合にも同様に時間がかかることが多いです。その時間ストレスなくリラックスした状態で受けることができるように、インプラント本数が多い方や骨移植をする方は静脈内鎮静法をおすすめしています。

心臓病や高血圧などの全身疾患がある方

心臓病や高血圧の方はインプラント治療の不安などで体調が変化することがあります。
静脈内鎮静法はモニターや血圧計で全身管理を行いながら治療ができるので安心です。
また、不安を解消できるので手術のストレスで体調を崩しにくくなるメリットもあります。

静脈内鎮静法で気をつけること

顔色や体調の変化をしっかり確認するために口紅やマニュキュアを落としてからインプラント治療を始めます。
麻酔が覚めた後、休んで体調が戻ったことを確認してから帰宅していただきますが、念のため自転車や車の運転を控えることもお願いしています。
また、インプラント手術も行っているので、当日は安静に過ごしてゆっくり休養を取ってくださいね。

このように静脈内鎮静法はインプラント治療を不安に思っている方のストレスを減らして痛みや不安を感じることなく治療ができます。
インプラント手術をする時には患者様が負担に思っていることを解決して治療できる方法を提案させていただきます。
そのため、インプラント手術が怖くてあきらめていた方には静脈内鎮静法がおすすめです。
そのほかにもインプラント手術で疑問がありましたらご説明させていただきますので、
お気軽にご相談くださいね。