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検査はできる?MRIとインプラントの関係とは

22.01.16

MRIは脳や人間ドッグなどの検査の時に行うことがありますが、撮影の時には金属が着いているものは外す必要があります。
インプラント治療を考えている方でインプラントの金属はどうなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
インプラント治療後に安心して検査を受けることが出来るように今回はインプラントとMRIについて詳しく解説させていただきますので参考にしてみてくださいね。

MRIとは?

MRIとはトンネルのような形の機械の中に入って強力な電磁波を発生させて、体内の水分と反応させて撮影を行います。
可動式で機械の中に入っていく姿をテレビドラマなどで見たことがある方もいるでしょう。
この検査のおかげで体の断面をさまざまな角度から撮影できて、脳や臓器などの全身の検査をすることが可能です。

MRIの時に金属を外す理由とは?

MRIの検査の時には金属やアクセサリーを外してくださいと言われます。
これは
1 金属の影響でMRIの画像が乱れることがある
2 強力な磁力で金属が引き寄せられてMRIの機械が壊れる可能性がある
3 金属が発熱する可能性がある
ためです。
MRIは強力な磁力があるので、金属に反応して吸い寄せられることがあります。
実際に心臓に埋め込むペースメーカーや人工内耳でトラブルが報告されています。

インプラントのチタンは反応しにくい

「インプラントしていてもMRIを受けられるの?」と気になる方もいると思いますが、結論から言うとインプラントをしていてもほとんどの場合MRIの検査を受けることが可能です。これはインプラントの素材が大きく関係しています。
インプラントの素材は「チタン」か「チタン合金」です。
チタンは金属の中でも磁力がほとんどないのでMRI検査への影響があまりないと言われています。
また、被せ物に関しても銀歯や内側に金属を使用しているメタルボンドでも影響がでることはほとんどないでしょう。
ただし、インプラント部分が影になる可能性や撮影する部分によってはMRI画像が乱れる可能性があります。

MRIで注意が必要なインプラント

ほとんどの場合インプラントをしていてもMRIの検査が可能ですが、磁石のパーツを使用しているタイプのインプラントは注意が必要です。
〈インプラントオーバーデンチャー〉
インプラントで磁石の素材を使っているのは、「オーバーデンチャー」というタイプのインプラントです。
これは、すべて歯を失った時に数本のインプラントを埋め込んで入れ歯を支える治療法です。
通常インプラントは固定式ですが、オーバーデンチャーは取り外しができるタイプです。
磁石を使用しているのは、インプラントと入れ歯の接着する部分です。
また、オーバーデンチャーには磁石のタイプもありますが、ねじ式のものもありますので、どのタイプなの確認しておきましょう。
また、磁石式の場合でもMRIの検査が必要になった時には、事前に磁石を取り外すことも可能ですのでご相談ください。
MRIの検査が終わった後に再接着することができます。

歯科以外のインプラントとは?

「気をつけた方が良いインプラントってどんなインプラント?」と気になる方もいらっしゃると思います。
歯科以外のインプラントでMRI治療の時に注意が必要なインプラントは
・心臓ペースメーカー
・人工内耳
・人工関節などがあります。
これらはMRI撮影の時に気をつける必要があるインプラントです。

インプラントはCT検査も大丈夫?

MRIもCTも検査をする機械で、体の断面の部分の撮影を行います。
歯科でもインプラントの時に撮影するCTですが、CTも質問を受けることがありますのでお話させていただきます。
CT撮影は磁石ではなく、X線を使用して撮影を行います。撮影の方法が違うので、得意な場所が変わってきます。
CT撮影は水分の少ない骨などの撮影を得意としていて、MRIは脊髄や関節などを撮影する時に使用します。
CTとMRIは体の断面を撮影しますが、撮影の方法が全く違うので検査する場所によって使い分けられています。
そして、インプラント治療の前に撮影するCTですが、磁石を使用して撮影しないのでインプラント治療後も撮影ができます。
インプラント治療後にも骨に正しく埋入されているかCT撮影をして確認することもあります。

  

CTは体に影響はありません

また、CT撮影はX線を使用しますが被ばく量はかなり少ない量なので、体に影響を与えることはありません。
そして、念のため防護エプロンをして放射線を通さない配慮もしますのでご安心ください。

インプラントのCT撮影の重要性

インプラントを埋入する時には、事前に治療計画を立てます。
その時にCT撮影をして「骨の厚み」や「骨の量」を確認してインプラントの埋入位置や角度を決めます。
また、CT撮影で血管や神経の位置も確認して、その部分を避けてインプラントを埋入するので事前の精密検査はとても大切です。
事前にしっかり治療計画を立てることが、インプラントの成功につながります。

MRI検査を断られたら?

インプラントが入っていることを伝えて、MRI撮影を断られた場合でも対応することは出来ます。
「インプラントを外してほしい」と指示があった場合でも、骨に埋まっているインプラントを外す必要はなく、被せ物の部分を外すことでMRI撮影ができます。
少ないケースですが、歯科のインプラントと体に埋め込まれているインプラントを混同している可能性があります。
歯科のインプラントがチタンで磁力には影響がないことを伝えると撮影できるでしょう。

まとめ

ほとんどの場合インプラントはMRI撮影をすることが可能です。
ただ、インプラントオーバーデンチャーの場合には、金属を使用していて外してからMRI撮影する必要があるので、注意しましょう。ご自身が入れているインプラントの種類や素材を確認しておくと安心ですね。
MRI撮影をする際にはご相談していただくと、入っているインプラントの種類や注意点などをお話ができます。
また、CT撮影も問題なく受けることが出来るので安心して検査を受けられます。
インプラントがどちらの検査の妨げになることはないので、インプラント治療を迷っている方はご安心してください。
そのほかにもインプラントに関して気になることがありましたら、お気軽にご相談くださいね。