インプラントが外れることがあるの?もしも外れてしまった時の対応とは

22.08.29

「せっかく入れたインプラントが外れた…?」
インプラントが外れてトラブルになると慌ててしまいますよね。
ただ、インプラントは3つのパーツからできており、外れた部分によってはすぐに対処できる場合もあります。
インプラントが外れる場合にはどのようなケースがあるのでしょうか。
また、外れた時にどのように対処したらよいか分からないことも多いと思うのですが、歯科医院に受診するまでの対処方法も合わせて解説いたします。

【どの部分が取れた?】


インプラントの構造
インプラントの構造の多くは3つのパーツでできています。
歯の根の役割をする「インプラント体」と歯の役割をする「被せ物」、インプラント体を被せ物の土台の役割をする「アバットメント」の3つでインプラントになります。

どの部分が取れたかによって、対処法も変わってきます。
外れた時にすぐに歯科医院を受診することが望ましいですが、難しい場合には外れた部分を保管してその部分は触らないようにしましょう。

【治療後にインプラントが外れてしまう3つの原因】


1 被せ物が外れた場合

被せ物が外れてしまう原因として考えられるのは「歯ぎしり・食いしばり」「ねじの緩み」「セメントの劣化」「被せ物の破損」です。

外れた場合には、口の中からすぐに出して飲み込まないようにしましょう。
すぐに清潔なケースやジッパーバックの中に入れて保管してください。
この時、被せ物が元に戻りそうでも、土台に入れるにはやめましょう。
汚れがついていて細菌感染する場合や正しい位置に被せないと被せ物の高さが変わりインプラントの負担になる可能性があります。

また、土台の上に乗せただけではすぐに外れてしまい、誤って飲み込んでしまう恐れもあります。
無理に戻そうとせず、保管してすぐに歯科医院を受診しましょう。

2 土台の部分が外れた場合

土台の部分が外れている場合には、土台をつけている「ねじの緩み」や「土台の部分の破損」が考えられます。
土台の部分が外れている時には、被せ物も一緒に外れています。
2つのパーツのどちらも失くさないように、すぐに保管しましょう。
一緒にくっついて外れている場合でも、取り外そうとせず、すぐに保管して触らずに歯科医院を受診しましょう。

ねじの部分の緩みであれば、被せ物や土台に問題が無ければ、元に戻すことができる可能性があります。できるだけ、外れた時のまま維持しておきましょう。

3 インプラント体が抜けた場合

インプラント体が抜けた場合は深刻な状態です。
原因としては、汚れが残っていることで細菌感染を起こした「インプラント周囲炎」や「顎の骨が吸収していること」、「インプラント自体が破損していること」が考えられます。

インプラント体が外れた場合は、顎の骨とうまく結合できなかった、顎の骨が減ってしまってインプラント体を支える骨が無くなってしまった時に起きるケースがあります。
この場合には、お口の中の汚れを充分に取り除くことができず、汚れが残って細菌が増殖して細菌感染を引き起こしていることが原因としてあげられます。

インプラントは天然歯に比べて細菌感染をすると、進行が早い特徴があります。
細菌感染をしないために自宅でのセルフケアを十分に行い、対策をすることが大切です。

・メンテナンスの大切さ
汚れを取り除くセルフケアの方法として、インプラントの周りを歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、毛先が三角になって細かい部分を除去するタフトブラシも併用して汚れを落としましょう。

また、日々のセルフケアだけでは足りない部分は定期的に歯科医院を受診して汚れがついていないかクリーニングして確認しましょう。
お口の中を清潔に保つことができますし、インプラントのかみ合わせや不具合が起きていないかチェックすることができます。

また、インプラントだけでなく、全体的な部分で不具合がないか確認できるので定期的なメンテナンスを続けましょう。

【インプラントが抜けた時に行ってはいけないこと】


お口の中は髪の毛が1本入っただけでも分かる敏感な部分です。
さらに、インプラントは細かくかみ合わせをチェックして全体のかみ合わせを見ながら調整しています。
そのため、自分で元に戻そうとしないでください。
正しい位置にきちんと入れることができないと、インプラント体に負担がかかる場合や破損の原因になることがあります。

被せ物が取れただけだと、再利用ができる可能性がありますが、無理に入れて破損や変形をすると、被せ物の作り直しだけでなく、インプラントに負担がかかってやり直しが必要なケースも考えられます。

また、ほかの素材で穴を埋めようとすると細菌が感染するリスクや口臭の原因になることがあります。
取れた部分が気になると思いますが、直接手や舌で触ることも細菌感染のリスクを高めますので絶対にやめましょう。

そのまま長い期間放置することもその部分から汚れが入り込んで細菌感染を起こすリスクが高まります。
かみ合わせが変わることや、周囲の歯が少しずつ動いて被せ物の範囲が充分に取れない可能性も出てきますので、インプラントのどの部分が外れても、できるだけ早く歯科医院を受診して対処しましょう。

早ければ早いほど、再利用をしたり、ほかの歯に影響を与えるリスクを減らしたりすることが期待できます。

【インプラントが抜けた時の保管方法】

インプラント治療の歯科医院の選び方
インプラントのどの部分が外れても、清潔なケースやジッパーバックなどに入れて保管して歯科医院に持っていきましょう。

この時、洗い流してしまう可能性もあるので、流水で洗わずにそのまま保管してください。
また、保管する時にティッシュなどでくるんでしまうと、くっついてしまう可能性や誤って捨ててしまうことがあります。

透明やケースや袋に入れて保管することをおすすめします。

インプラントが外れてしまうことは少ないケースですが、慌てずに清潔なケースや袋に保管して早めに歯科医院を受診しましょう。
インプラントは精密に調整されていますので、ご自身で元通りにしようとせず、触らずに清潔に保っていただくことが大切です。

インプラントの外れた部分によっては再利用してすぐに治療できることもありますので、不具合がありましたらすぐに受診していただくことが大切です。