基礎知識

前歯が折れた!インプラント治療はできるの?

22.12.28

「スポーツ中にぶつかって前歯が折れてしまった」

「転んで前歯が折れてしまった」

前歯が折れてしまった時は予期せぬ出来事の場合が多く、どうしたらよいか分からない方も多いのではないでしょうか。

前歯が折れた時は、早めの対処によって治療の選択肢が増えるケースもあります。

できるだけよりよい治療をするために今回は、前歯が折れた時の応急処置の方法と治療法について詳しくご紹介します。

 

【前歯が折れた時の3つの応急処置】

  • 折れた前歯を保管して持参する

 

前歯が折れた場合でも、状態によっては修復ができる可能性があります。

折れた部分が残っているようであれば、歯科医院に持参しましょう。

この時、保管方法が大切で、乾燥を避けたいので「ジッパーバック」や「透明のケース」などに入れて生理食塩水牛乳に浸して保管して来院しましょう。

ただ、長い期間保存できるわけではないので、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

 

  • 抜けた部分を触らないこと

 

抜けた部分が気になると思いますが、患部を触ると炎症を引き起こす可能性があるので、絶対に触らないようにしましょう。

少しグラグラしている場合でも、歯を抜いたりせず、触らないで保存しておいてください。

状況によって治療ができる可能性がありますが、むやみに触ったことで治療ができなくなってしまうケースもあります。

汚れがひどい・出血が多い場合には、傷口に負担がかからないように優しくうがいをするのであれば問題ありません。

 

  • できるだけ早く受診すること

 

歯が折れた場合でも、修復できる可能性は早いほど高まる傾向にあります。

一番よくないのが、そのまま放置して時間が経ってから受診すると、治療の選択肢を減らしてしまう場合があります。

できる限り早めに受診して、どのような処置とどのような治療ができるか診断してもらうことが大切です。

 

【前歯が折れて根が残っている時の治療】

・コンポジットレジン修復

歯の一部分が欠けた時に行う治療で、歯科用プラスチックの素材で折れた部分を修復します。

多くの歯がない場合には、修復しても折れてしまうので、セラミッククラウンの治療になります。

 

・セラミッククラウン

根の部分が残っていると、その上に土台を立ててセラミックの被せ物の治療が可能です。

天然歯と同様に透明感があり、自然な見た目で時間が経過してもほとんど変色しません。

また、表面がツルツルしているので、汚れがつきにくい特徴もあります。

審美性と機能性に優れている素材ですが、保険外の治療です。

 

【前歯が折れて根ごと抜けてしまった時の治療】

・部分入れ歯

折れた歯の部分を人工歯で補うために、ほかの歯に金属のばねをかけて部分的な入れ歯で修復します。

保険の中で治療ができますが、ばねをかけているので、見た目が気になってしまうことがあります。

また、固定式ではないので、安定感が弱く噛む力が弱くなってしまいます。

そして、ばねをかけている歯に負担がかかるので、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。

 

・ブリッジ

折れた歯の左右の歯を削って橋渡しのようにしてブリッジにします。

保険の中で治療できますが、左右の歯が健康な歯でも削る必要がありますし、失った部分を補うので2本で3本分の負担がかかるので、左右の歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。

ただし、固定式なので、部分入れ歯に比べると安定して噛むことができます。

 

 

・インプラント

インプラントは、歯を失った部分に人工歯根のインプラント体を埋め込んでその上に土台を立てて人工歯の被せ物をする治療です。

ただ、インプラントはあごの骨にインプラント体を埋め込む外科手術が必要なので、身体に負担がかかることと、あごの骨に定着するまでに3~6カ月程度かかるので、ほかの治療に比べて治療期間が長くなることがあります。

また、保険外の治療なので、費用が高くなりますが、ほかの歯に負担をかけずに単独で治療できますし、セラミックの被せ物を選択できるので、見た目も自然で透明感のある素材を使用できます。

 

【折れた部分を放置すると】

歯周病の説明

折れた部分を放置すると、さまざまなデメリットや痛みの原因になります。

・痛みが出る

歯が折れると、歯の表面のエナメル質の下の象牙質が出てしまいます。

象牙質や冷たいもの・熱いものがしみるので、食事をする際に痛みを感じます。

 

・むし歯のなりやすくなる

象牙質は、エナメル質に比べてやわらかく、すぐにむし歯になりやすい特徴があります。

また、むし歯になるとすぐに進行するので、悪化しやすくなります。

そのため、早めに治療をすることが望ましいです。

 

・粘膜を傷つける

折れた部分がとがっていると、周りの粘膜を傷つけてしまう可能性があります。

そうすると、口内炎が長引くなどの原因になり、放置すると口腔がんのリスクも考えられます。

 

・食べ物が噛みきれない

前歯は食べ物を噛みきる大切な役割をしています。

前歯が折れていると、前歯で食べ物を噛みきれず、前歯の役目を果たせません。

 

・滑舌が悪くなる

前歯が折れたままになっていると、空気が漏れてしまい、滑舌が悪くなります。

サ行などが聞き取りづらくなるなどのデメリットがあり、見た目もよくないので、人前で口元を隠してしまうことも。

見た目も機能面もデメリットが多いので、早めに歯科医院を受診しましょう。

 

【まとめ】

予期しない転倒や事故で前歯が折れてしまった時には、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。

その際には、口の中が触らずに折れた歯をジッパー付きの袋などで保管して歯科医院を受診しましょう。

この時、乾燥させると保存状態が悪くなるので「生理食塩水」か「牛乳」に浸して保管しましょう。

また、患部が汚れている場合は軽くうがいをする程度にして、できるだけ負担をかけないようにしてください。

折れた後の行動によって、その部分の治療の選択肢が変わってきます。

できるだけ治療の選択肢を増やすために、折れた歯をよい状態で保っておきましょう。

当院では、歯が折れた時もインプラント治療に対応しておりますので、インプラントをご希望の方はぜひ1度ご相談ください。