基礎知識

いつから入れ歯の人は増える?入れ歯にならないためにできること

23.02.28

歯を失った時に補う治療の1つに入れ歯があります。

入れ歯は保険の中で治療ができますが、天然歯に比べて噛む力がかなり減ってしまいますし、入れ歯と歯ぐきの間に汚れが入り込んでしまうことも。

また、取り外し式なので安定感が少なく、違和感を覚える方も少なくありません。

そこで今回は総入れ歯にならないためにできることについて詳しくご紹介します。

 

【いつから入れ歯は増えるの?】

 

歯を失った時の選択肢は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」です。

日本人が歯を失い始めるのは50代で、少しずつ抜け始めます。

ただ、50代で入れ歯にする方は少数派で、ブリッジやインプラントを選択する方が多く、歯を失う本数が増えてくる60~70代にかけて徐々に入れ歯の方の割合が増えてきます。

 

【入れ歯の方が増えてくる3つの理由】

1 歯周病が悪化する

 

30代以降歯周病を患っている方が増えてきます。

歯周病は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行していることも多いのですが、30代以降では7割以上の方が患っていると言われています。

 

歯周病を放置すると歯ぐきの炎症が広がり、顎の骨を溶かして歯の支えが少なくなってしまいます。

さらに悪化すると、どんどん顎の骨が減って歯がグラグラして抜け落ちてしまうことも。

そうすると、歯を補う治療が必要になりますが、左右の歯を土台にできなければブリッジにはできません。

 

インプラントは見た目も自然でしっかり噛むことができる治療ですが、保険が適用にならないので費用が高くなります。

費用を抑えて保険で治療する場合には、入れ歯が適用になるのです。

 

2 治療した歯が寿命になってしまう

インプラント歯周炎の説明

むし歯の治療をして被せ物をした歯は神経を抜いたり、歯を削ったりしています。

被せ物をしていますが、神経を抜いた歯は天然歯に比べてもろくなっており、寿命が短くなっている場合は多いのです。

そうすると、以前治療した歯がダメになってしまい、歯を失ってしまう方が50代以降少しずつ増えていきます。

 

3 かみ合わせが強い

かみ合わせが強いと一部分に強く当たってしまい、その歯が欠けたり割れたりしてしまう場合があります。

また、歯周病を患っていると、かみ合わせが強いと悪化してしまうことも。

かみ合わせがきちんとしていないとしっかり噛むことができないだけでなく、顎関節症や肩こり、頭痛などを引き起こしてしまう場合もあります。

歯科医院で確認して、強く当たっている時には調整をしたりマウスピースで歯を保護したりしましょう。

 

【入れ歯にならないためにできる3つのこと】

  • 歯に負担をかけない方法で治療をする

 

歯を失った時の治療法は

・ブリッジ

・インプラント

・入れ歯

 

になります。

それぞれに特徴があり、ブリッジは保険の中で治療ができますが、両隣の歯を削って失った部分を補うので、失った部分も両隣の歯に負担がかかるので、歯の寿命を縮めてしまう場合があります。

取り外しがない固定式ですが、天然歯に比べて噛む力は劣ってしまいます。

 

入れ歯も保険の中で治療ができますが、取り外し式なので安定感が弱く天然歯に比べて噛む力がかなり減ってしまいます

また、部分入れ歯の場合にはほかの歯にばねをかけるので、負担がかかります。

 

インプラントは、ほとんどのケースで保険が適用になりませんが、顎の骨にインプラント体を埋め込んで、その上に被せ物をするので、ほかの歯に負担をかけることがありません

また、顎の骨にインプラント体を埋め込むことで、噛む度に刺激が伝わり顎の骨が減少するのを防ぎます。

そのほかには、セラミックの被せ物を選べるので、経年変化でも黄ばんだように変色することもなく、自然な見た目を再現できます。

 

  • 定期的に検診を受ける

通院回数について

歯を失わないようにするためには、お口の健康を維持することが大切です。

ただし、加齢などで歯ぐきが痩せてきたり、磨き残しからむし歯や歯周病になったりします。

毎日セルフケアをしていても、歯ブラシだけでケアをしている方は60%程度しか汚れが落とせていないというデータも。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると80%程度まで汚れが落とせると言われていますが、100%ではありません。

そこで、歯ブラシだけでは汚れが残ってしまいやすい部分や歯並びが悪い部分などを定期的に歯科医院のクリーニングで落としていきます。

また、汚れがついている部分をチェックして、その部分の磨き方やデンタルグッズの使い方なども確認します。

患者さまの歯並びやお口の状況に合わせて、お一人お一人ご提案しますので、毎日のセルフケアに役立てていただけます。

 

むし歯や歯周病は自覚症状が少ないので、痛みが出てから通院するとかなり進行していることも少なくありません。

定期的に検診を受けていると、痛みが出る前の初期の段階で治療が可能で、治療自体短期間で負担も少なくできます。

お口の中を清潔に保って、健康も維持するために定期的にメンテナンスを受けましょう。

 

  • かみ合わせが強い方は対策を

 

かみ合わせが強いとその部分に負担がかかってしまいます。

日中のかみ合わせは問題なくても、寝ている時に歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯や顎に強い負荷がかかってしまうこともあります。

寝ている間は無意識なので、ご自分では改善が難しいので、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを使用します。

これは、患者さまのお口に合わせて型取りをして製作するので、オーダーメイドのぴったりしたものができます。

 

【まとめ】

入れ歯にならないためには、できるだけ歯を健康な状態で維持し続けることが大切です。

ただし、毎日セルフケアをしていても汚れが残っている、かみ合わせが合わない場合もあります。

お口のトラブルになる前に定期的に通院をしてお口の中をよい状態で保ちましょう。

また、歯を失ってしまった時の治療法も歯に負担をかけない治療を選んで歯を長持ちさせましょう。

インプラントはほかの歯に負担をかけることなく、見た目も自然で天然歯のようなかみ心地を実感していただけます。

当院では、インプラントも数多く行っておりますので、歯を失った時に治療で迷っている方はぜひお気軽にご相談ください。