基礎知識

インプラントのための顎の骨が足りない!インプラントを可能にする骨造成法とは

23.08.31

歯を失った時の治療法で、インプラントはメリットの多い治療ですが、顎の骨にインプラント体を埋め込んで定着させるため、顎の骨の厚みが必要です。

しかし、加齢や歯周病などで顎の骨が少なくなっている方も少なくありません。

インプラントにしたいと思っても、そのままでは顎の骨が足りずに治療が難しいことも。

そんな時にインプラント治療を可能にする骨造成法がありますので、ご紹介します。

 

歯を失う原因の多くは歯周病

歯周病は歯を失う原因の第1位で、成人の方の7割以上の方が患っている身近な疾患です。

歯周病が悪化すると歯ぐきの炎症だけでなく、顎の骨にまで炎症が広がってしまい、徐々に顎の骨が溶かされてしまいます

 

そうすると、歯の支えを失ってしまい、歯がグラグラしたり、悪化すると抜け落ちてしまったりすることも。

加齢でも少しずつ顎の骨が減ってしまうことはありますが、歯周病で歯を失った方は、顎の骨も少なくなっていることが多く、そのままではインプラント治療が難しい場合があります。

そんな時に行うのが、顎の骨の厚みや量を再生するように促す骨造成法です。

 

骨造成とは?

歯が無い状態が長く続いていたり、歯周病が悪化したまま放置したりしていると顎の骨が減少します。

顎の骨は、歯やインプラントを支える時の土台の役割をするため、十分にあることが大切です。

そのため、インプラント治療をするために、顎の骨が少ないとそのままでは治療ができません。

そのため、顎の骨が再生するように促す「骨造成法」を行って顎の骨が十分にある状態になってからインプラント治療を開始します。

 

骨造成の種類

  • GBR法

 

GBR法は骨再生誘導法ともいわれ、歯周病などで顎の骨が減ってしまっている時に顎の骨の高さや密度が足りない場合に行う治療法です。

歯ぐきを切開して、骨が足りない部分に骨充填剤や自家骨を入れて骨の再生を促します。

GBR法には、インプラント治療前にGBR法を行い、骨が十分にできてからインプラントを埋入する方法と、GBR法とインプラント手術を同時に行う方法があります。

骨の状態を確認して歯科医師がどちらがよいか判断します。

 

  • サイナスリフトとは

 

サイナスリフトは、骨の高さが少なく、広範囲の場合に適用されます。

歯科医院によって適応の範囲が少し異なる場合がありますが、8ミリ以下程度の場合に適用になります。

上顎の骨の厚みや量が足りない場合に、頬側から上顎洞を持ち上げてすき間を作り、上顎洞の底部に骨充填剤を入れて、骨の厚みを増やす方法です。

 

 

  • ソケットリフトとは

 

ソケットリフトは、サイナスリフトよりは顎の骨がある時で顎の骨が8ミリ以上ある時に適用になります。

骨を増やす量がサイナスリフトと比べて比較的少ないため、インプラント手術と同時に行うこともあります。

その場合には、インプラントを埋入するために開けた穴から上顎洞の底部を持ち上げてすき間を作り、その部分に骨充填剤などを入れて骨が再生するように促します。

 

骨造成の費用

インプラント手術はほとんど自由診療ですが、同様に骨造成も自由診療です。

患者さまのお口の状態によってどの骨造成の方法がよいかご提案しますが、その方法によっても費用が異なります。

 

また、歯科医院によっての骨造成、インプラントの費用が異なりますので、インプラント治療がスタートする前にどの程度費用がかかるか確認しましょう。

治療計画を説明する時に費用のお話もあると思いますが、費用の内訳も確認しておくと、後からこんな費用がかかると思っていなかったということが無くなります。

 

骨造成の手術後の注意

痛みや腫れ

骨が十分にある方がインプラント手術をするより、骨造成の治療をした方が痛みや腫れは出やすい傾向になります。

そのため、麻酔が切れる前に痛み止めを服用し、歯科医師の指示通り薬を服用しましょう。

また、手術後の生活や食事で痛みや腫れが出やすくなってしまうことがあります。

 

手術直後の生活の注意

飲酒、喫煙を控える

アルコールは血流が良くなるため、腫れや痛みの原因になりやすいため、手術後1週間程度は控えていただくことをおすすめします。

また、喫煙はたばこの中に含まれるニコチンやタールが血流を悪くしてしまい、手術した部分の傷の治りが悪くなってしまいます

タールやニコチンはべたべたするため、汚れも残りやすく細菌も繁殖してしまいやすくなるため、注意が必要です。

 

入浴、運動も手術当日は控える

激しい運動をすると、振動や血流が良くなるため、腫れや出血しやすい状態になってしまいます。

手術当日は安静にして激しい運動は控えましょう

また、入浴した場合も血流が良くなってしまい、同様に腫れや出血の原因に。

入浴は控えて、シャワーで汗を流す程度にしておきましょう。

 

手術後の歯磨き

手術した患部はまだ傷口になっているため、歯科医師の指示があるまで歯ブラシが当たることは避けましょう

ただし、それ以外の部分は汚れが残ってしまうと感染症を引き起こしてしまう可能性もあるため、患部を避けて歯磨きをしましょう

歯磨きをした後のうがいですが、強いうがいをすると傷口が治る働きを妨げてしまうことがあるため、うがいは軽めにしましょう。

 

歯磨きをした後に刺激が少ない殺菌効果のなるうがい薬を使用すると、患部の殺菌効果も見込めるため、おすすめです。

ただし、清涼感の強いうがい薬は刺激になる可能性があるため手術直後は控えましょう。

 

手術後の食事

刺激が強い食べ物は傷の治りを妨げてしまうため、香辛料の強い辛いものや熱いものは控えましょう。

 

骨造成の手術の後はその後の生活や食事で傷口の治りに影響を及ぼします。

手術直後は安静にして傷口の治りが良くなるようにしましょう。

 

顎の骨が足りずにインプラントを諦めた方はご相談ください

インプラントも骨造成法もどの歯科医院でも行っているわけではありません。

そのため、顎の骨が足りずにインプラント手術を諦めた方でも、骨造成の手術を併用することでインプラント手術が可能になる場合があります。

 

顎の骨が足りずにインプラント手術を諦めた方は、国際デンタルクリニック札幌にぜひお気軽にご相談ください。