基礎知識

インプラントの手術後に気をつける4つのポイントや注意すべき症状とは

23.11.30

インプラント手術後は、まずは顎の骨に定着をする初期固定の大切な時期です。

そのため、日常の生活で気をつけるポイントを守っていただいて、腫れや痛みを軽減できる工夫をしましょう。

また、手術後はまだ安定していない時期なので、このような症状が出たら注意が必要なことも合わせてご紹介します。

 

インプラント手術後に気をつける4つのポイント

  • 手術後は激しい運動を控える

インプラント手術後は、まだ傷口になっている段階で顎の骨に定着させる大切な時期です。

激しい運動をしてしまうと、血流が良くなり、腫れや出血の原因になってしまいます。

そのため、インプラント手術後2~3日は激しい運動を避けて、安静にして過ごしましょう。

 

  • 手術当日はアルコールを控える

アルコールも血流が良くなって腫れや出血の原因になりやすくなってしまいます。

手術当日はアルコールを控えましょう。

 

  • たばこは禁煙しましょう

たばこはニコチンの影響で、血行が悪くなり、免疫力が低下してしまいます。

そうすると、インプラントと顎の骨の定着が悪くなってしまうこともあります。

さらに、感染症のリスクも当たってしまうため、注意が必要です。

インプラントの傷の治りが悪くなってしまうこともあるため、節煙や禁煙をしましょう。

 

・手術部位は指示があるまで磨かない

インプラント手術後は、傷口に刺激を与えないことが大切です。

歯ブラシが当たってしまうと、粘膜に負担がかかってしまうことがあるため、指示があるまで手術部位は磨かないようにしましょう。

 

ただし、ほかの部分は丁寧に歯磨きをして汚れを落としましょう。

細菌が増殖してしまうと、感染症のリスクが高くなってしまいます。

お口の中を清潔に保つように、細かく汚れを落としましょう。

 

また、傷口が治っている段階で強いうがいをすると、治りかけている部分に負担をかけてしまうこともあるため、やさしくうがいをするようにしましょう。

インプラント手術後に気をつけるべき症状

出血がある

通常は、インプラント手術後1~2日程度で出血は落ち着きます。

インプラント手術後は縫合しているケースが多いですが、出血が止まらない場合には、歯科医院に相談しましょう。

 

手術部位からの出血だけでなく、鼻血が止まらない場合にも、インプラント治療が関係している場合があります。

また、ほかの部位から出血が出ている場合もありますので早めに受診をお願いします。

 

痛みがある

インプラント手術後の痛みは、顎の骨が少ない場合に骨造成術や多くの本数を入れる場合に切開の範囲が広いなど、症例によって異なります。

痛み止めを服用すると落ち着くことが多いですが、通常は2~3日をピークにして1週間程度で落ち着きます。

ただし、1週間を経過して、痛み止めを服用しても強い痛みがある場合はクリニックにご相談ください。

 

腫れがある

腫れも1~2週間程度で落ち着くことが多いですが、骨を増やす手術をした場合には腫れが出やすい傾向になります。

また、インプラント本数が多い場合にも腫れが出やすくなってしまいます。

2週間程度経過しても腫れが落ち着かない場合には、クリニックに相談しましょう。

 

インプラント手術部位から膿が出ている

インプラント部位が感染している可能性があります。

膿が出るような症状がありましたら、すぐに受診をしましょう。

 

薬が合わない

薬は、鎮痛剤と抗生物質が出ていることが多く、指示された通り薬を服用する必要があります。

特に抗生物質は、途中で止めてしまうと、抗生物質の耐性菌ができてしまい、抗生物質が効きにくい体質になってしまうことがあります。

そのため、薬を飲みきる必要がありますが、薬の副作用が出ている場合はすぐにクリニックにご相談ください。

ほかの薬で対応できるかどうかも含めてご相談させていただきます。

 

よだれが止まらない

麻酔が効いている時は、水などを飲むと口からこぼれてしまうことがあります。

ただし、麻酔が切れてからもよだれが出る症状がある場合には、神経が麻痺している可能性が考えられます。

すぐにクリニックに相談しましょう。

 

口の周りや唇がしびれる

口周りや唇がしびれる症状がある場合も神経が傷ついてしまっている可能性があります。

徐々に落ち着いてくることが多いですが、一度クリニックに相談しましょう。

 

インプラント手術後に起こる可能性があるトラブル

  • インプラント周囲炎

インプラントの周りに汚れが着いたままになっていると、歯周病に似たインプラント周囲炎になってしまうことがあります。

インプラント周囲炎は歯ぐきに炎症を引き起こして、悪化すると顎の骨を溶かしてしまうため、インプラントがグラグラしてしまうことも。

さらに、天然歯に比べて歯根膜というクッションの役割をする部分が無いため、進行が早い特徴があります。

 

せっかく入れたインプラントがグラグラしたり抜け落ちてしまったりする可能性がありますので、お口の中をキレイに維持することが大切です。

 

  • 上顎洞粘膜の炎症

上顎にインプラント手術をした場合、顎の骨が十分にある時には問題ないですが、顎の骨が薄い場合には、上顎洞粘膜の炎症の可能性があります。

上顎洞粘膜は非常に薄く、炎症が起きやすい部分です。

上顎洞粘膜の炎症が起きた場合には、耳鼻科と連携して治療が必要なこともあります。

 

  • 神経の麻痺

インプラント手術をする際には、神経や血管を避けてインプラントを埋入する必要があります。

事前の精密検査などで、神経や血管の位置を把握するので、傷をつけることはほとんどありませんが、何らかのトラブルが起きて神経の麻痺がある可能性も考えられます。

そのため、事前の精密検査をしっかり行っているクリニックでインプラント手術をすると安心でしょう。

 

【まとめ】

インプラント手術後は、傷口が治癒する大切な時期なので、安静にして過ごしましょう。

手術後2~3日は、血行が良くなる激しい運動やアルコールは控えて過ごしてください。

また、たばこもインプラントの定着が悪くなる可能性がありますので、控えましょう。

インプラントトラブルを起こさずに、しっかりインプラントと顎の骨が定着させるためには、患者さまの協力も必要です。

インプラントの被せ物が入ると、しっかり噛めて審美性の高い被せ物が入りますので、この大切な期間を頑張りましょう。