基礎知識

インプラントはシュミュレーションが大切!手術前に行うこととは

24.04.30

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋め込んで、この上に土台を立てて被せ物をする治療です。

そのため、顎の骨の高さや厚みが被せ物を支えるために重要な役割するため、手術前のシュミュレーションが大切です。

 

そこで今回は、インプラントを成功させるためのシュミュレーションで行うことについてご紹介します。

 

事前の準備が大切なインプラント治療とは?

インプラント治療は、顎の骨にインプラント体が定着するのを待ってから、その上に土台を立てて被せ物をします。

インプラントは歯の根の役割をするため、被せ物を支える大切な部分です。

そのため、インプラントの角度や位置、周りとの噛み合わせなどを慎重に決定する必要があります。

インプラント手術を行う前には、精密検査をして、その結果を元にシュミュレーションを行い、インプラント手術の際の設計が大切です。

 

インプラントのメリット

 

天然歯と同様に噛むことができる

歯の根の部分の役割をインプラント体が行うため、天然歯と構造が似ています。

そのため、天然歯と同様の噛み心地を実感することができます。

 

ほかの歯に負担をかけない

ブリッジは左右の歯を削る必要がありますし、保険の部分入れ歯もほかの歯にばねをかける必要があります。

その分ほかの歯に負担がかかりますが、インプラントは単独で治療ができるため、ほかの歯に負担をかけることがありません。

 

骨がやせるのを防ぐ

インプラントは顎の骨にインプラント体を埋入するため、噛むたびに刺激が伝わります

ブリッジや入れ歯の場合には、歯を失った部分を人工歯で補うことができますが、顎の骨に刺激が伝わりません。

そうすると、すこしずつ顎の骨が減少しやすくなります。

インプラント治療にすると、顎の骨がやせるのを予防する効果が見込めます。

 

審美的な印象

インプラント治療の多くは自由診療のため、被せ物を自由に選択ができます。

セラミックは、金属を使用せず透明感があり、変色をしない素材です。

周りの歯とよくなじみ、金属アレルギーの心配もないため、身体に優しい素材でもあります。

 

インプラントのデメリット

治療費が高い

インプラントはほとんどが自由診療のため、保険適用外になります。

歯を失った時のほかの治療のブリッジや入れ歯は保険が適用することができるため、費用を抑えることができます。

 

手術が必要になる

インプラントは、本数が少なく、顎の骨が十分にあると親知らずの抜歯程度の負担といわれていますが、手術が必要です。

 

 

インプラントの精密検査とは?

レントゲン検査

レントゲン検査では、直接見ることができない骨の状況やむし歯や歯周病の有無を確認します。

インプラントを埋入して、安定させるためには、十分な骨の厚みや高さが重要です。

ただし、加齢や歯周病で歯を失っている方は顎の骨が減っていることも少なくありません。

顎の骨の高さや厚みが十分でないと診断した場合には、骨造成の手術も検討して、顎の骨の再生を促し、十分な顎の骨の厚みや高さを確保します。

 

また、歯周病やむし歯がある場合には、細菌感染のリスクが高くなるため、歯周病やむし歯の治療を優先して行います。

 

CT撮影

CT撮影をすると、3次元的に立体的な画像を確認することができ、レントゲン撮影より詳細な情報を把握ができます。

血管や神経の位置、顎の骨の高さや厚み、密度なども診断が可能です。

これらの情報を元にインプラントの埋入位置や角度などを手術前に事前に検討して、決定ができます。

 

コンピューター診断(3Dシュミュレーション)

CT撮影した情報を元に、詳しくインプラント手術のシュミュレーションを行います。

インプラントを埋入する位置や角度はもちろん、埋入した後のイメージを事前に確認ができます。

このコンピューターシュミュレーションでは、事前にインプラント手術のイメージを確認できるだけでなく、「サージカルガイド」を作成もできます。

 

サージカルガイド

シュミュレーションをした情報を元にインプラントの位置や角度を決めたマウスピースを作製します。

インプラント手術の際に、サージカルガイドを使用することでシュミュレーション通りの角度や位置を再現できます。

そのため、インプラント手術の短縮や制度の高い手術を行うことが可能です。

顎の骨が十分にある場合には、歯ぐきの切開を最小限にする「フラップレスインプラント」にも対応ができます。

 

フラップレスインプラント

一般的なインプラント手術を歯ぐきを切開して、インプラント体を埋入します。

一方、フラップレスインプラントは、歯ぐきにピンホールほどの小さな穴を開けてその部分からインプラントを埋入します。

 

サージカルガイドであらかじめインプラントの埋入する部分を決めていて、ガイドしてくれるため、フラップレスインプラントが可能です。

 

※お口の状態によっては(顎の骨が足りないなど)、フラップレスインプラントが適用にならない場合があります。その場合には、従来のインプラント手術になります。

 

口腔内検査

お口の中を全体的に確認します。

むし歯や歯周病の有無だけでなく、汚れが残っている部分や噛み合わせの不具合が無いかなどもチェックします。

インプラントは、汚れが残っていると「インプラント周囲炎」のリスクが上がります。

そのため、インプラント手術前からプラークコントロールができるように、歯磨きの仕方やデンタルグッズの使い方などもお伝えします

また、被せ物を作る際の色や歯列の状態などを参考に人工歯のデザインなどを決定します。

 

血液検査

持病などがある方は血液検査が必要なケースもあります。

高血圧や糖尿病、心臓病などの疾患はインプラントのリスクになりますので、症状が安定していることが大切です。

また、インプラント手術の際に出血しやすくないかなども重要なため、血液凝固能力も確認します。

 

全身の状態によっては、治療を優先しや、治療方法の変更が必要なケースもあります。

患者さまにとってよりよい治療がご提案できるように努めておりますので、ご安心ください。

 

【まとめ】

インプラントはメリットの多い治療ですが、事前に精密検査をしてシュミュレーションを行うことが大切です。

その上で、インプラントの埋入角度や位置を決定して、よりよい治療を実現できます。

当院では、インプラント手術に必要なCT検査やシュミュレーションを行った上でインプラント治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。