基礎知識

歯を失う前に知っておきたい予防方法と早期発見のポイントとは

24.07.31

 

大切な永久歯は1度失うと戻らないため、できるだけ長く使うことができるように予防することが大切です。

不具合が起きる前に「予防」することで未然にトラブルを防げます。

そこで今回は、歯を失う前に知っておきたい予防方法と早期発見のポイントについてご紹介します。

 

歯の健康の重要性

歯には、1本1本役目があるため、歯を失ってしまうとそのバランスが崩れてしまいます。

乳歯から永久歯への生え変わりが終わると、失った歯は元には戻りません。

人生100年時代、大切な歯をできるだけ残すことができるように予防していきましょう。

 

歯を失う原因

歯を失う原因をご紹介します。

 

  • 歯周病

歯周病は自覚症状が少なく、いつの間にか進行することが多い疾患です。

初期の段階は歯ぐきが腫れる、歯磨きをすると出血があるなどの症状ですが、悪化すると歯を支えている顎の骨を溶かしてしまい、グラグラする場合もあります。

重度の歯周病は、グラグラして噛むことができず抜歯が必要になったり、抜け落ちてしまったりすることもあります。

 

そんな歯周病の原因の多くは、磨き残しの中にひそんでいる歯周病菌が炎症を引き起こすことです。

そのため、歯周病を予防するためにはお口の中に汚れを残さないことが大切です。

 

  • むし歯

むし歯は、糖分を栄養にしてむし歯菌が酸を発生し、歯を溶かしてしまいます。

初期の段階では、唾液の再石灰化の働きで修復することもできますが、再石灰化が追い付かないとむし歯で穴が開いてしまいます。

 

むし歯は、むし歯菌と糖分の頻度が関係してきます。

お口の中をきれいにしてむし歯菌がいない環境を作ることが大切ですし、糖分は時間を決めて摂取しましょう。

 

  • 事故や外傷

強い力がかかって、歯が折れてしまうと歯を残すことが難しくなってしまいます。

スポーツや事故だけでなく、歯ぎしりが習慣化して歯に負担がかかる場合もあります。

寝ている時は無意識のため、体重の何倍も力がかかる場合があり、噛み合わせのバランスが崩れて一部に歯が当たっているとひびが入ったり、割れてしまったりする場合もあります。

 

予防方法

  • 毎日のセルフケア

歯周病やむし歯の予防をするためには、磨き残しの中にひそんでいる細菌を減らすことが大切なので、毎日の丁寧なセルフケアが大切です。

 

・正しいブラッシング方法

毎日歯磨きをしていても、苦手な部分や磨きにくい所には汚れが残ってしまいがちです。

ご自分の磨きにくい所を把握して、その部分の正しい磨き方を行うと効率的に歯磨きをすることができます。

 

定期検診の際に汚れが着いている部分を確認し、汚れの落とし方もチェックすることができますので、お気軽にご相談ください。

 

・デンタルフロスや歯間ブラシの併用

歯ブラシで磨いていても、歯と歯の間に汚れが残ってしまいがちです。

その部分はデンタルフロスや歯間ブラシを併用して汚れを落としましょう。

デンタルフロスは、ホルダータイプと糸巻タイプがあります。

ホルダータイプは初心者の方でも使いやすく、糸巻タイプはコツが必要ですがコストを抑えられるメリットがあります。

 

また、歯間ブラシは歯ぐきのサイズに合った物を選びましょう。

大きすぎる歯間ブラシを使用すると、歯ぐきを傷つけてしまうことがありますので、歯間ブラシ選びに迷ったら歯医者で確認することをおすすめします。

 

・洗口液の活用

洗口液は、お口の中がすっきりする目的もありますが、むし歯菌や歯周病菌に対して効果的にアプローチができます。

就寝中は唾液の量が減って細菌が増えやすくなるため、就寝前に洗口液をすることをおすすめします。

 

  • 定期的な検診

定期的な検診では、お口の中を確認しクリーニングをして汚れを落とします。

 

・口内環境を確認

むし歯や歯周病は自覚症状が少なく、初期の段階では気づくことが難しいため定期的に歯医者で口内環境を確認することが重要です。

 

・クリーニングの重要性

毎日磨いていても、磨きにくい部分や歯並びの悪い所は汚れが残ってしまいがちです。

落とし切れない汚れをそのままにしているとむし歯や歯周病になってしまうため、定期的にクリーニングをして確認することが大切です。

 

  • 生活習慣の改善

・禁煙

たばこは、唾液が減少して歯周病のリスクが高くなります。

また、歯の表面がベトベトして汚れが着きやすくなってしまいます。

お口の環境を整えるためには、禁煙をおすすめします。

 

・歯ぎしりの予防

歯ぎしりは寝ている時に起きるため、意識してコントロールすることが難しくなります。

お口にぴったり合ったマウスピースを作製して歯ぎしりを防止しましょう。

 

早期発見の方法

セルフチェック方法

・歯ぐきの腫れや出血

歯周病の初期の段階は、歯ぐきの腫れや歯磨きの時の出血です。

痛みがあることは少ないですが、この状態になったら一度歯医者で検診をしましょう。

初期の段階であれば、通院回数も少なく、費用も抑えることができます。

 

・口臭

むし歯や歯周病菌が増えると、口臭が強くなります。

朝起きた時は唾液が少なくなっているため、生理的な口臭がする場合がありますが、1日中口臭がするようであれば、一度受診しましょう。

 

・歯の揺れ

永久歯がグラグラしている場合には、歯周病で顎の骨が減っている可能性があります。

外傷などの強い衝撃を受けた時にも歯が揺れることがありますが、どちらも歯医者でレントゲンを撮影して確認した方が良い状態です。

 

歯医者でのチェック

・レントゲン撮影

レントゲン撮影をすると、顎の骨の状態やむし歯の有無も確認ができます。

肉眼では見ただけでは分からない部分も診ることが可能です。

 

・歯ぐきの検査

歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなります。

そのため、歯周ポケットの深さを確認し、出血の有無なども検査します。

 

歯周病の予防

 

・プラークコントロール

歯周病の基本的な予防は、歯周病菌を減らすためにお口の中の汚れを落とすことです。

そのためには、毎日の歯磨きを丁寧に行って、口内環境を整えましょう。

 

むし歯の予防

・フッ素塗布

フッ素には、「虫歯菌の活動を抑制する働き」「再石灰化を促進する働き」「歯の質を強くする働き」効果が見込めるため、むし歯予防効果が期待できます。

 

【まとめ】

歯を失ってしまうと元には戻ることがありません。

そのため、未然に予防しておくことが重要です。

むし歯や歯周病予防のためには、お口の中の汚れをきれいにする「プラークコントロール」が大切です。

毎日のセルフケアと定期的な検診で行うクリーニングで口内環境を整えましょう。