基礎知識

歯を失うと起きる影響と早期治療の大切さとは?

24.07.31

歯が無くなってしまうとさまざまな悪影響がありますが、そのまま放置するとほかの歯にまで不具合が起きてしまうケースがあります。

そのため、失った部分の機能を回復するために何らかの治療をする必要があります。

そこで今回は、歯を失うと起きる影響と早期治療の大切さについて詳しくご紹介します。

 

歯を失うと起きる身体的な影響

・発音機能の低下

歯を失うと、その部分から空気がもれやすくなり、発音しにくくなります。

特に「サ行」や「タ行」などの発音が不明瞭になりやすいです。

話しにくいことや話すたびに聞き返されるなどの負担から会話することをおっくうに思ってしまうことも。

 

会話をすることも脳への刺激になりますので、会話に消極的にならないように失った歯の機能を改善しましょう。

 

・咀嚼機能の低下

歯には1本1本役割があるため、歯を失うと噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。

そうすると、一部に負担がかかったり、噛みにくかったりするなど咀嚼機能が低下します。

噛みにくい部分が出てくると、片方ばかりで噛むなど負担がかかりやすくなります。

 

・歯並びの影響

歯を失うと、その部分を埋めようと隣あっている歯が動いてしまいます。

そうすると、失った部分の治療をしようとした時にスペースが足りない場合もあります。また、噛み合わせのバランスも崩れてしまうため、しっかり噛みにくくなります。

 

歯を失うと起きる心理的な影響

インプラント治療の歯科医院の選び方

・自己肯定感の低下

歯が失ったままになると、審美的な印象に影響を与えます。

特に前歯は見える部分なので見た目が気になって話す時に口を覆ってしまうこともあります。

 

・社会的な影響

発音への影響や見た目が気になってしまい、話すことに抵抗感があると消極的な行動になりやすいと考えられています。

周囲の人とのコミュニュケーションが減ってしまうことで、刺激が少なくなり、認知機能にも影響を及ぼしてしまうこともあります。

 

歯を失った時に放置すると起きる健康への影響

・お口の中の影響

歯を失ったままにしていると、その部分に汚れが残りやすくなります。

そのため、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。

また、1度むし歯や歯周病になった部分は、汚れが残りやすかったり苦手な部分の所が多かったりするため、むし歯や歯周病のリスクが高い部分です。

さらに汚れが残りやすいため、何らかの治療をすることをおすすめします。

 

・全身の影響

認知症のリスクの増加

食事をすると噛むたびに刺激が伝わりますが、歯を失ったままにしていると、しっかり噛むことができません。

歯を失っていると、食事をする時の脳に対する刺激が弱くなってしまいます。

 

また、周囲の人とコミュニュケーションを避けてしまうなど、認知症のリスクが高くなります。

 

早期治療の大切さ

歯を失った後、そのまま放置してしまうと、その部分の顎の骨が徐々に痩せてきます。

顎の骨が減ってしまうと、周囲の歯にも負担がかかってしまいますし、入れ歯をする時にも安定感が少なくなります。

 

また、インプラント治療をする時も顎の骨にインプラントを埋入して、インプラントを支えます。

そのため、顎の骨が少ないとインプラントが安定しにくくなります。

顎の骨の再生を促す骨造成の治療をしてから治療をすることもできますが、インプラント手術のほかに治療が必要になります。

 

ブリッジの場合も顎の骨が減少することで、左右の歯の支えも少なくなる可能性があり、歯の寿命を縮めてしまうことがあります。

 

・早期治療が予後に与える影響

歯を失ってすぐに治療を開始すると、噛み合わせのバランスも維持することができます。

また、選択する治療によっても異なりますが、早期に失った部分を治療することでほかの歯に悪影響が出ることを防げます。

 

治療の選択肢

 

・インプラント

歯を失った部分の顎の骨にインプラント体を埋入して、人工歯の被せ物をする治療です。

 

メリット

インプラントは、第3の永久歯といわれることもあり、しっかり噛むことができます。

また、ほとんどが自由診療のため、セラミックの被せ物を選択することができ、経年変化でも色が変色したりすることが少ないです。

歯を失った部分だけで治療ができるため、ほかの歯に負担をかけることがありません。

 

デメリット

インプラント治療はほとんどが保険適用にならないため、費用が高いです。

また、顎の骨にインプラント体を埋め込むため、外科手術が必要です。

全身疾患がある場合には、持病が安定していることが条件になり、状況によってはすぐにインプラント手術が難しい場合もあります。

顎の骨に定着するまでの時間がかかるため、ほかの治療と比較すると治療期間が長くなります。

 

・ブリッジ

歯を失った部分の左右の歯を削って橋渡しのようにして被せ物をする治療です。

 

メリット

ブリッジは固定式の治療のため、食事の時もある程度しっかり噛むことができます。

保険適用になるため、費用を抑えて治療が可能です。

 

デメリット

左右の歯を削る必要があるため、その歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。

また、保険適用することはできますが、奥歯の場合銀歯が適用になり、見た目が目立ってしまいます。

前歯の場合も、歯科用プラスチックを配合しているため、経年変化で少しずつ黄ばんだようになります。

 

・入れ歯

歯を失った部分を人工歯で補う治療です。

 

メリット

保険適用ができるため、費用を抑えて治療ができます。

インプラントと比較すると治療期間が短く治療することができます。

 

デメリット

入れ歯は取り外し式のため、安定感が少なく、ずれたり、違和感を覚えたりする場合があります。

部分入れ歯の場合には、ほかの歯にばねをかけて支えにするため、ばねが見えて審美的に気になってしまうことがあります。

入れ歯を清掃するために、取り外しをする必要があり、旅行の時などに気になる場合があります。

 

【まとめ】

歯を失うと、噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。

そのまま放置してしまうと、左右の歯が動いてしまったり、噛み合わせの歯が伸びてしまったりすることもあり、早期に何らかの治療をする必要があります。

歯を失った時の治療法にはそれぞれ特徴がありますので、治療法の選択に迷った場合には、お気軽にお問合せください。