インプラントコラム
COLUMN
歯ぎしりをしているとインプラントに影響はあるの?
24.10.31
歯ぎしりをしていると無意識のうちに強い力がかかってしまい、様々なデメリットがあります。
そのため、インプラント治療をする場合も歯ぎしりをすると、不具合が起きる可能性があります。
そのまま放置すると、インプラントに負担がかかることもあるため、歯ぎしりの対策が必要です。
そこで今回は、歯ぎしりとインプラントの影響やその対策についてご紹介します。
歯ぎしりの原因とは?
歯ぎしりの原因は詳しいことは分かっていませんが、歯並びやかみ合わせ、無意識にストレスを発散していると考えられています。
ただし、寝ている時の歯ぎしりは無意識に行っているため、非常に強い力がかかっていることも少なくありません。
体重以上の強い力が歯や顎にかかってしまう場合もあり、お口のトラブルの原因になります。
そのため、インプラント治療をした後も歯ぎしりがある場合には、悪影響があるため、対策をする必要があります。
歯ぎしりのデメリット
顎関節症のリスクが増える
顎関節症は、口が開きにくい、音がする、食事の時に顎が痛いなどの症状がある疾患です。
日本人の骨格が顎関節症になりやすい傾向がありますが、強い力がかかる歯ぎしりも原因の1つとして考えられます。
寝ている間に無意識に強い力がかかり続けると、下顎の関節に負担がかかりやすくなります。
朝起きた時に顎がだるい、口が開きにくいなどの症状がある場合には、寝ている時に歯ぎしりをしている場合があります。
1度歯科医院に相談してみましょう。
歯や被せ物が破損する可能性がある
歯や被せ物にギリギリと力がかかるため、被せ物が外れてしまう可能性があります。
被せ物には、ある程度寿命がありますが、劣化が早かったり、変形してしまったりする可能性もあります。
インプラントの被せ物は、ねじで固定されているため、強い力が被せ物にかかるとインプラント体にも負担がかかる可能性があります。
歯ぎしりが原因の場合には、その対処をしないとまた歯や被せ物が破損することが考えられます。
歯周病が悪化する
歯周病は、歯周病菌が感染して歯茎に炎症を引き起こす細菌感染症です。
さらに悪化すると、炎症が歯茎だけにとどまらず、歯を支えている歯周組織や顎の骨にも及びます。
そうすると、顎の骨を溶かしてしまい、歯やインプラントを支える部分が減少して、グラグラすることもあります。
歯ぎしりをする習慣があると、炎症がある部分にさらに負担がかかって歯周病が悪化します。
かみ合わせのバランスが崩れる
長期間、歯ぎしりをしている場合には、すり減りや歯が欠けたりすることもあり、かみ合わせのバランスが崩れることもあります。
かみ合わせのバランスが崩れると、しっかりと噛みにくいだけでなく、口元の筋肉が緊張します。
そうすると、口周りだけでなく、首や肩も緊張するため、首こりや肩こりの原因につながります。
このようにかみ合わせのバランスが崩れることで、ほかの部分にトラブル起きることを咬合関連痛といいます。
症状が強くなると、頭痛や腰痛などを引き起こすこともあります。
特定の歯に負担がかかる
歯並びの状態にもよりますが、歯ぎしりが習慣になっていると、特定の歯に強く当たることがあります。
そうすると、その歯に負担がかかる可能性があります。
このように歯ぎしりにはデメリットが多くなります。
インプラント治療をした際には、かみ合わせのバランスを確認しますが、歯ぎしりをすることで強く当たってしまうことがあります。
そのため、歯ぎしりの対策をする必要があります。
歯ぎしりの治療方法
歯ぎしりは寝ている時に起きることがほとんどのため、自分でコントロールすることが難しくなります。
そのため、口にぴったり合ったマウスピースを作製して、歯ぎしりの負担を軽減します。
寝る時にマウスピースをすると、歯と歯が直接こすり合うことが無いため、その負担が少なくなります。
また、マウスピースでかみ合わせのバランスを調整できるため、圧力も分散することが可能です。
マウスピースの種類
・ソフトタイプ
マウスピースがやわらかいため、つけた時の違和感が少ない特徴があります。
ただし、歯ぎしりの力がかかると、損傷しやすい傾向があります。
・ハードタイプ
マウスピースが固い樹脂で作られているため、歯ぎしりの強い力でも損傷しにくい特徴があります。
ただし、硬いため、慣れるまで違和感が強い傾向があります。
寝る時に使用するナイトガードは固いハードタイプで製作することが多いですが、慣れないなどの理由で、一時的にソフトタイプで製作することがあります。
ただし、歯ぎしりの強い力で破損してしまうことがあるため、ハードタイプに移行するケースが多いでしょう。
歯ぎしり防止のマウスピースを使うメリット
・歯やインプラント、顎の負担を軽減する
歯ぎしりをしていると、強い力が歯やインプラント、顎にかかります。
歯ぎしり防止のマウスピースを使用すると歯ぎしりの力が分散されて、負担を軽減できます。
・歯ぎしりして力がかかっている部分が分かる
寝ている時の歯ぎしりは、どの部分に力がかかっているか分かりにくくなります。
強い力がかかり続けている時は歯がすり減っているため、その部分に確認できますが、そのような状態になる前に対処することが大切です。
歯ぎしり防止のマウスピースをしていると、強く当たっている部分に傷がついたりすり減りが確認できたりするため、調整をしてかみ合わせのバランスを調整できます。
かみ合った部分で強い力がかかりますが、その部分のマウスピースの高さを調整することで、当たりを弱くして歯ぎしりの負担を軽減します。
【まとめ】
歯ぎしりをそのまま放置していると、顎関節症のリスクや歯や顎に負担をかける場合があります。
また、被せ物をしている場合も早く劣化したり、外れやすくなったりするなどのトラブルの可能性も高くなります。
インプラントは、かみ合わせのバランスを整えて強く当たらないようにすることが大切です。
インプラント部分に強い力がかかってしまうと、歯根膜がないためトラブルにつながりやすいためです。
そのため、歯ぎしりしている方は、無意識にインプラント部分に負担がかからないように、マウスピースで対策することが大切です。