基礎知識

インプラント費用を軽減できる?医療費控除の流れとは

24.11.30

インプラントは歯を失った時の治療法の1つで、ほとんどの場合自由診療です。

また、ほかの歯にも負担をかけず、天然歯のように噛むことができ、審美性も優れています。

ただし、費用が高額になるため、費用の負担を減らしたいと思う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、インプラント費用を軽減できる医療費控除の流れについてご紹介します。

 

費用の負担を軽減する医療費控除とは

医療費控除は、1年間(1月1日~12月31日まで)に支払った医療費の合計が10万円以上(年収200万円以下の方は所得の5%)かかった場合、確定申告をすれば支払った税金から控除される仕組みです。

 

インプラントは医療費控除の対象になるの?

インプラントは歯を失った時に行う治療のため、医療費控除の対象になります。

ただし、会社員の方は会社で年末調整をしてもらうと思いますが、医療費控除は確定申告をしないと控除を受けることができません。

そのため、患者様ご自身で確定申告を行う必要があります。

 

また、医療費控除は審美目的の治療は対象にならないため、歯科治療ではホワイトニングや見た目を改善する目的の矯正も対象になりません。

矯正治療は、かみ合わせの不具合がある場合などの機能的な問題がある時は医療費控除の対象になります。

 

もし矯正治療をスタートしている方で、不明点がある場合は通院している矯正歯科で確認しましょう。

また、これから治療をスタートする方で医療費控除を希望している方は、カウンセリングの際に相談してみてくださいね。

 

医療費控除の対象になる費用

・治療にかかった医療費

・治療に必要な医薬品の費用

(ドラッグストアで購入した物も含む)

・通院のための交通費

(マイカーで通院した時のガソリン代は含まない)

・デンタルローンの費用

(金利分は含まない)

 

通院のための交通費は、領収書が無い場合があるため、ICカードを利用した時は交通費を記載しておきましょう。

ドラッグストアで購入した痛み止めは医療費控除の対象になりますが、医療費控除に含めた場合、セルフメディケーション税制には含めることができません。

申請はどちらかになりますので、注意が必要です。

 

医療費控除をするために必要な物

・マイナンバーなどの本人確認書類

・医療費の通知

・源泉徴収票

・還付先の口座情報

 

源泉徴収票は会社員の方は、勤務先の会社から受け取ることができます。

源泉徴収票は不要になりましたが、確定申告に情報を記載するため、必要になります。

 

医療費控除の3つの申請方法

医療費控除の申請方法は3つあります。

・お住まいの地域の管轄の税務署を直接申請に行く。

・郵送で必要書類を送付する

・e-tax(国税に関する手続きができるオンラインのシステム)を利用する

 

税務署に直接行く方法と郵送をする場合は、国税局のホームページから必要書類をダウンロードして内容を記載します。

国税局の電子申告のシステムは、インターネット上で内容を記載すると医療費控除や確定申告を行うことが可能です。

 

医療費控除の申請に期限はあるの?

 

医療費控除の申請は、毎年2月16日~3月15日までに申請をする必要があります。

ただし、医療費控除は申請ができなかった場合でも5年前までさかのぼって申請することができるため、間に合わなかった方も来年のために申請しておくと良いでしょう。

 

医療費控除のポイント

・ご家族の分も対象になる

生計を一緒にしているご家族の分も医療費控除に対象になります。

そのため、単身赴任や進学でほかの場所に住んでいる家族の方も医療費控除に対象になります。

 

ただし、独立してご自分で医療費を支払っている方の分は含めることはできませんので、ご注意ください。

 

・デンタルローンやクレジットの支払いも対象

分割払いをしたデンタルローンやクレジットカードの分割払いに関しても医療費控除の対象になります。

ただし、これらの方法の場合、歯科医院で決済した日の支払いが対象になり、引き落としの日ではありませんので、ご注意ください。

 

・治療をした日ではなく、費用を支払った日が対象になる

インプラントや矯正治療など、自由診療の場合、治療の同意をしていただいた日にまとまった金額をご入金いただくことが多いでしょう。

その日から治療がスタートして一定期間治療に期間がかかりますが、費用を支払った日が対象になります。

その後、通院する時にかかった費用に関しては、その分も加算されます。

 

医療費控除の流れ

 

STEP1 医療明細書を作成する

会社員の方は、年末調整は会社で行ってもらうことが多いですが、医療費控除を行うためには確定申告が必要です。

医療費のお知らせが健康保険組合から送付されてくるため、1年間にかかった金額を確認しましょう。

明細書は国税局のホームページからダウンロードできますので、必要事項を記載します。

 

STEP2 確定申告書を記載する

源泉徴収票を元に申告書を記載します。

医療費控除の欄に医療明細で計算した金額を記載しましょう。

確定申告書は、管轄の税務署か郵送、e-taxで送付することができます。

 

STEP3 還付金の確認

指定の口座に還付金が入金されるまでに1ヶ月程度の期間がかかります。

 

確定申告をしたことが無い方は戸惑うこともあるかと思いますが、手順に従って医療費控除の手続きをしていただくと、支払った税金の一部が還付されます。

インプラント費用の負担を軽減することができますので、ぜひ利用してくださいね。

 

費用の負担がある方は分割払いも

インプラント治療に対応している歯科医院の多くがデンタルローンやクレジットカード払いに対応しています。

分割払いにすることで、治療を希望している時に費用の支払いが難しくても治療ができます。

支払い方法に関して不安がある場合には、お気軽にご相談ください。

 

【まとめ】

インプラント治療は、歯を失った時の選択肢としてメリットの多い治療です。

ブリッジ・入れ歯の治療以外に選ぶ方も増えてきています。

インプラントも確定申告をすると医療費控除に対象になりますので、費用の負担を軽減するために活用しましょう。

また、分割払いをご希望の場合には、デンタルローンやクレジットカード払いも対応しています。

費用のことで不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。