基礎知識

むし歯じゃないのに痛みはあるの?歯や歯ぐきの違和感の原因と対処法

25.02.28

むし歯は冷たい物や甘い物を食べるとしみる症状が特徴的な疾患です。

ただし、むし歯以外にも歯や歯ぐきの違和感や痛みの原因はいくつかあり、その原因によっても対処法が異なります。

自覚症状が出ている状態の場合には、早めに対処が必要です。

そこで今回は、むし歯以外の歯や歯ぐきの違和感の原因と対処法についてご紹介します。

 

 

むし歯じゃないのに痛みはあるの?

 

むし歯以外に痛みがある原因についてご紹介します。

 

1 歯周病

歯周病は、歯の周りの組織が炎症を引き起こしている状態です。

自覚症状が少ない疾患のため、症状が進行しやすい特徴があります。

初期の段階では、歯ぐきの腫れや出血程度の症状ですが、進行すると顎の骨を溶かしてしまい、歯がグラグラしてしまいます。

噛むことで痛みを生じるほどグラグラしている場合には、抜歯をしなければいけない場合もあります。

歯周病は、歯を失う原因1位になるほど身近な疾患です。

 

【対処法】

 

歯周病の治療は、炎症の原因である歯周病菌を減らす必要があります。

歯周病菌は、汚れの中にひそんでいるため、お口の中の歯垢や歯垢がつきやすい歯石を除去する治療を行います。

歯ぐきの深い部分まで入り込んでいる歯垢や歯石は、歯周外科治療をして除去する場合もあります。

 

重度の歯周病で歯を残すことが難しい場合には、インプラント・ブリッジ・入れ歯の中から治療法を選択します。

 

2 歯髄炎

歯髄炎は、歯の歯髄(神経)に炎症が起きている状態です。

むし歯が進行して、神経にまで達した時も起きる可能性がありますが、歯周病や外傷などが原因で引き起こされることがあります。

歯の神経に炎症が起きているため、何もしていなくてもズキズキした痛みを生じます。

 

【対処法】

 

軽度の歯髄炎であれば、冷たい物などの一時的な刺激で痛みを生じる場合があります。

その場合、原因を取り除くことで改善する場合もありますが、何もしていなくても痛みを生じている場合には、神経を抜く処置が必要になります。

神経を除去してしまうと、歯に栄養や水分を供給することができないため、枯れ木のように弱くなってしまいます。

歯の寿命を縮めてしまうことが多く、強い負荷がかかると歯が割れてしまうこともあります。

 

3 知覚過敏

歯は硬いエナメル質に覆われていて、外部の刺激から守られています。

しかし、歯周病で歯ぐきが退縮したり、強すぎる圧でブラッシングをしたりすると歯の根元が下がってしまうことがあります。

本来、その部分は歯ぐきで覆われているはずの敏感な部分のため、冷たい物や歯ブラシの刺激などでしみる知覚過敏の症状が出ることがあります。

 

【対処法】

 

知覚過敏の治療は、症状に応じて治療法が異なります。

症状が冷たい物を飲むとしみるなど、一時的な場合には、知覚過敏のお薬を塗布して経過をみます。

何度かお薬を塗布することもありますが、症状が改善しない場合には、歯の根元の部分を樹脂の材料で詰めるケースもあります。

患者様の症状に応じて治療を行います。

 

4 歯のひび割れ

 

歯のひび割れで多いのが、一度神経の治療をした歯がひび割れてしまうことです。

神経を除去してしまうと、栄養や水分を補給することができなくなり、歯がもろくなってしまいます。

そうすると、強い力がかかることでひび割れにつながってしまうのです。

また、強い歯ぎしりや食いしばりが習慣化していると、少しずつひび割れができてしまい、さらに強い力がかかり続けることでひび割れが生じるケースもあります。

 

【対処法】

 

一度神経の治療をした歯は、大幅に歯質を削っているため、弱くなっています。

土台を入れて被せ物をする治療をしますが、歯の寿命は短くなる傾向になります。

神経を除去した歯は、痛みを感じることがないため、二次むし歯になっていても気づかないことが多いでしょう。

そのため、定期的に検診をして、不具合がないか確認することが大切です。

定期検診をしてレントゲン撮影をすることで、不具合が起きる前に早期発見・早期治療ができます。

大きなひび割れで痛みや細菌感染を生じている場合には、歯を残すことが難しく、抜歯になる可能性もあります。

早めに対処して、大切な歯を残すようにしましょう。

 

歯を残すことが難しい場合には、インプラント・ブリッジ・入れ歯の治療から選択して治療を行います。

 

5 親知らずが原因

 

親知らずは、20歳前後に生えてくることが多い歯ですが、親知らず自体がない方もいますし、顎の骨に埋まっていて生えてこない方もいます。

永久歯の中で最後の生えてくる歯のため、生えてくるスペースが足りないケースも多く、斜めに生えてきたり、真横に生えてほかの歯を押してしまったりすることもあります。

 

斜めに生えている場合は、手前の歯との隙間で汚れが残ってしまうことも多く、歯ぐきが腫れることも少なくありません。

親知らずが原因で痛みが出ることを智歯周囲炎といい、腫れや痛み、口の開きにくさなどの症状が出ることがあります。

 

【対処法】

 

上下まっすぐ生えていて、しっかり噛みあっている親知らずは歯としての役割を果たしているため、問題なく使用できます。

しかし、トラブルを繰り返している場合には抜歯が検討されます。

親知らずは必ずしも抜歯をする必要はありませんが、斜めに生えていて腫れや痛みを繰り返している場合や、手前の歯を押していて歯並びに悪影響を及ぼしている場合などトラブルの原因になる場合は抜歯が必要でしょう。

親知らずの生え方にもよりますが、顎の骨に埋まっている場合には歯ぐきを切開して抜歯をする必要があります。

 

【まとめ】

 

むし歯以外にも様々な原因で痛みを生じる場合があります。

また、悪化すると歯を失ってしまうこともあるため、早めに対処する必要があります。

お口の中は自覚症状が少ないことも多く、気づいた時にも悪化していることも少なくありません。

定期的に検診をして、不具合があった場合も早期発見・早期治療をしましょう。

また、当院では、インプラント治療を数多く行っています。

歯を失った時にインプラントをご希望の方はお気軽にご相談ください。

経験豊富な歯科医師が対応しますので、気になることや不安なことはお問合せください。