インプラントコラム
COLUMN
「糖尿病とインプラント周囲炎のリスクとその予防法とは」
25.03.30
糖尿病は、血糖のコントロールがしにくくなる疾患ですが、血流が悪くなったり、免疫力が低下したりするため、様々な合併症を引き起こす疾患です。
糖尿病の方も血糖がコントロールできていると、インプラント治療を受けることができますが、インプラント周囲炎のリスクがあります。
そのため、インプラント周囲炎を予防して、口内環境を整える必要上がります。
そこで今回は、インプラント周囲炎のリスクとその予防法について詳しくご紹介します。
インプラント周囲炎と歯周病の違い
インプラント周囲炎は、歯周病と似ている疾患です。
汚れの中にひそんでいる細菌が歯ぐきやインプラントを支えている歯周組織に炎症を引き起こします。
歯周病との違いは、インプラントには「歯根膜」というクッションの役割をする膜がないため、炎症が進行しやすい特徴があります。
特に、歯周病やインプラント周囲炎は自覚症状が少なく、いつの間にか進行してしまうことが多い疾患のため、予防が大切です。
糖尿病がインプラント周囲炎のリスクを高める理由
糖尿病は、血糖をコントロールする「インスリン」が十分に働かないため、血糖値が高くなる疾患です。
血糖が高いままで何年も放置されてしまうと、血管が傷つき様々な合併症を引き起こします。
免疫力が低下して細菌が増殖しやすくなる
インプラント手術をするとインプラントを埋入するため、細菌に感染するリスクがあります。
ただし、お口の中を清潔にして、免疫力がある状態だとほとんど感染することはありませんが、糖尿病で免疫力が低下していると、細菌が増殖しやすくなり、細菌感染のリスクが高くなります。
唾液が減少して口内環境が悪化する
糖尿病で高血糖の状態が続くと、尿の回数や量が増えるため、唾液の分泌量が減少します。
唾液には、汚れを洗い流す働きや細菌を抑える働きがありますが、その働きが弱くなってしまい、口内環境が悪化してしまいます。
傷の治りが遅く炎症が悪化しやすい
糖尿病で血糖が上がると血流が悪くなったり、血管を傷つけたりします。
そうすると、インプラントとの結合が悪くなる場合があり、炎症が悪化しやすくなります。
歯周病のリスクが高いため、インプラント周囲炎になりやすい
糖尿病の方は、免疫力が低下したり、唾液が減少したりするため、歯周病菌が増殖しやすい環境になります。
そのため、インプラント周囲炎のリスクが高くなります。
糖尿病の方がインプラント周囲炎を予防するためには
糖尿病の方はインプラント周囲炎のリスクが高いため、予防して防ぐことが大切です。
特にインプラント周囲炎は、自覚症状が少ないため、毎日の集患と定期的なメンテナンスが重要です。
・血糖値のコントロールを徹底する
糖尿病の方はインプラント治療をするためには、血糖値をコントロールできていることが大切です。
血糖値をコントロールは、バランスの良い食習慣と適度な運動、薬物療法に取り組むことで、コントロールができます。
これらのバランスが崩れると、血糖値が上がりやすくなり、血管に負担がかかります。
様々な合併症の原因にもなるため、血糖をコントロールすることは健康維持にもつながります。
・毎日正しいセルフケアを行う
毎日歯磨きをしていても、汚れが残りやすい部分はありませんか?
特に、歯を失っている所は汚れが残りやすいリスクが高い可能性があります。
その部分の正しい歯ブラシの当て方を知って、細かく汚れを落としましょう。
歯ブラシだけでは汚れを落としきれない部分は「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」を使いましょう。
歯と歯の間の汚れは専用の清掃用具を使った方が効率的に汚れを落とせます。
また、歯ブラシが当たりにくい歯が重なっている部分や奥の部分などは、毛束が1つになっている「タフトブラシ」を使用しましょう。
毎日の正しいセルフケアが、インプラント周囲炎の予防やほかの歯の寿命を延ばすことにもつながります。
歯磨きの仕方で分かりにくい所がある場合には、定期的なメンテナンスの時に確認しましょう。
・定期的な検診とプロフェッショナルケアを受ける
定期的な検診では、インプラント部分の状態をレントゲン撮影して確認します。
インプラント、骨の状態、被せ物の状態を確認して、不具合がないかチェックします。
定期的にメンテナンスしていると、不具合が起きる前に対応することができるため、インプラントトラブルを未然に防ぐことにつながります。
また、インプラント周囲炎の大きな原因は、汚れの中にひそんでいる歯周病菌のため、汚れが残っていない確認します。
毎日セルフケアをしていても汚れが残りやすい部分があります。
その部分は定期的なメンテナンスの際にクリーニングをして汚れを落とします。
汚れがついている部分は一緒に確認していただき、その部分の落とし方もお伝えします。
そうすることで、インプラント周囲炎の予防とインプラントトラブルを未然に防ぐことができます。
・生活習慣の改善(食生活の見直し・禁煙)
糖尿病の方は、食生活の見直しをして適正なエネルギー量の中で食事をすることが大切です。
炭水化物・タンパク質・歯質のバランスを良く摂取することも重要で、食事のコントロールは血糖のコントロールに深くかかわってきます。
また、喫煙は歯周病のリスクファクターです。
唾液を減少させ、ニコチンの影響で血管を収縮させます。
糖尿病で血流が悪くなっている上に、血流がさらに悪くなると、心臓病や脳血管疾患などの合併症にも影響があります。
喫煙はインプラントにもリスクになり、傷の治りが悪くなる、インプラント周囲炎のリスクが高くなるなど悪影響がありますので、禁煙をおすすめします。
【まとめ】
糖尿病は、インスリンの働きが弱くなり、高血糖になる疾患です。
そのため、様々な合併症を引き起こしやすいですが、インプラント周囲炎のリスクも高めます。
インプラント周囲炎は、いつの間にか進行しやすいため、毎日の正しいセルフケアと定期的なメンテナンスが重要です。
インプラントでしっかり噛めるようになった後は、その状態を維持するために口内環境を整えましょう。
当院では数多くのインプラント治療を行っていますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。