基礎知識

インプラントとスポーツは両立できる?運動制限があるかについて解説

25.07.29

「インプラントを入れたら、しばらく運動しちゃダメ?」

「マラソンなどスポーツはいつからできるの?」

ライフスタイルの中でスポーツを習慣にしていると、インプラント治療後の運動制限があるかについては気になる方もいると思います。

インプラント治療後もスポーツは可能です。

しかし、インプラント手術後の安静期間や競技の種類によって注意点があります。

そこで今回は、インプラントとスポーツは両立できるのか?というテーマと、運動制限の目安やスポーツごとの注意点、インプラントを長持ちさせるためのポイントをご紹介します。

 

インプラント治療後に運動しても良いの?

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋め込む外科処置が必要な治療です。

インプラント手術後には、顎の骨とインプラント体が定着するための結合期間が必要になります。

 

【手術直後】

インプラント手術直後に激しい運動をすると出血や腫れのリスクやインプラントの初期固定がスムーズにいかないなど、治癒に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、治療後すぐの時期はインプラント治療の初期固定の大切な時期のため、運動は基本的に控えて安静にすることが大切です。

ただし、一定の期間が経過して傷口が落ち着き、骨との結合が進めば、日常的な運動やスポーツは問題なく行えるようになります。

 

インプラントの運動制限の期間の目安はあるの?

インプラント治療後の運動に関しては、治療するインプラントの本数・持病があるなどの全身状態・治癒の進行具合によって異なります。

一般的な目安は次の通りになります。

 

・術後すぐ

激しい運動をすると、出血や腫れの原因になるため、運動を控えて安静にしていただく期間です。

 

・3日~1週間

軽い散歩程度からスタートして、日常生活レベルの活動であれば問題ありません。

 

・1~2週間

ジョギングやストレッチ程度から再開して、軽度の有酸素運動から始めましょう。

 

・2~4週間

非接触スポーツ程度の強度であれば再開できます。

様子を見ながら徐々に強度を上げていきましょう。

 

インプラントは状態によって治療の経過が異なる場合があります。

特に、骨が少なく骨造成を伴うケースや複数本埋入した場合は安静期間が長めになることがあります。

インプラント手術後は無理に運動を再開せず、必ず歯科医師の指示に従いましょう。

 

スポーツ別のインプラント治療後の注意点

・ストレッチ・ピラテティス・ヨガなど

 

これらは比較的ゆったりした運動で、インプラントに与える影響は少ないとされています。

しかし、インプラント手術後の間もない時期に「頭を下げるポーズ」や「強く負荷がかかる姿勢」を取ると、血流が活発になり傷口が腫れたり、出血しやすくなったりする場合があります。

また、逆立ちやブリッジのような動きでは顎や首だけでなく口周りに力が入ることがあり、患部に違和感を覚えるケースも考えられます。

 

【対策】

インプラント手術後1週間程度はゆるやかなポーズを中心に行い、逆さ姿勢や強い筋力を使うポーズは控えるようにしましょう。

運動中に「少しでも痛みや違和感がある」「出血があった」などの場合には、すぐに運動を控え、歯科医院へ相談しましょう。

 

・マラソン・ランニング・有酸素運動

 

走ったり、跳ねたりといった動作は、お口にたいして直接的な衝撃は少ないですが、身体全体に小さな振動を継続的に与える可能性があります

また、インプラント手術後すぐに長時間走ることで、インプラント体が骨としっかり結合する前に不安定になるリスクが考えられます。

また、マラソンやランニング中は口呼吸が増えるため、お口の中が乾燥しやすくなるため、幹部の治癒や細菌の増殖に悪影響を与えることもあります。

 

【対策】

術後1〜2週間は長距離のマラソンやなどの激しい運動は控えて、軽度のランニングなどから徐々にスタートして痛みや違和感がないか確認しましょう。

体調面も考慮して水分補給をこまめに行い、口の中が乾かないよう意識しましょう。

ポイントは、のどの渇きを感じる前に飲むことをおすすめしています。

 

バスケットボールやサッカーなどのチームスポーツ

 

バスケットボールやサッカーなどのスポーツは、接触や転倒による衝撃の可能性が避けられない競技です。

頭部や口周りへの強い衝突があれば、インプラントの安定性に影響を及ぼすだけでなく、かぶせ物の脱落やネジのゆるみなどのトラブルも起こりやすくなります。

また、プレー中に歯を強く食いしばる場面が多いため、インプラントへの負担がかかる可能性があります。

 

【対策】

スポーツ中に接触して顔や口周りに衝撃があると、インプラントの治癒に悪影響が及ぶ可能性があります。

そのため、最低でも術後1か月は接触プレーのある競技は控えるようにしましょう。

保護具やマウスピースを着用すると、負担を軽減できる場合がありますので、スポーツの種類によっては使用を検討しましょう。

 

インプラント治療した方がスポーツをする時の負担を軽減する方法とは

 

スポーツを続けながら、インプラントを快適に使い続けるためには、以下のポイントを意識することが大切です。

 

・スポーツマウスピースの使用

コンタクトスポーツをする際に、歯を守る役割があるため、接触が多い競技の場合には検討した方が良い場合があります。

歯科医院で製作するスポーツマウスピースをお口にぴったり合う物を作成しているため、効果的です。

 

・定期的なメンテナンス

インプラント治療が終わって被せ物が入った後も定期的に噛み合わせのバランスや汚れがついていないかなど確認することが大切です。

さらに、スポーツをする方の場合には、そのスポーツに応じた注意するポイントなどを確認しておくと安心でしょう。

治癒の段階別に注意することが変わる場合がありますので、相談してみましょう。

 

【まとめ】

インプラント治療後でも、適切なケアと経過観察を行えば、スポーツとの両立は十分に可能です。

ただし、インプラント手術直後の安静期間をしっかり守り、競技によるリスクを理解したうえで段階的に運動を再開することが大切です。

 

日常的な運動からハードなスポーツまで、様々な競技があるため、スポーツをしている旨や術後の管理を確認しておくとスムーズに過ごしやすくなります。もし不安や疑問がある場合は、歯科医院にご相談ください。

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