インプラントコラム
COLUMN
インプラントとブリッジはどのように違うの?両者の違いを徹底比較!
19.03.13
失った歯の機能回復治療として、入れ歯、ブリッジそしてインプラントがあります。今回はブリッジとインプラントを比較し、同じ歯の回復治療でも、両者にはどのような違いがあるのかについてご紹介致します。
ブリッジについて
ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を土台として、3本以上の繋がった人工歯を土台に固定し、噛む機能を回復させる治療法です。見た目が橋のように見えることから「ブリッジ」と呼ばれています。
ブリッジは保険適用であり、安価で治療することができます。ただしブリッジの保険適用には制約があり、犬歯を含む場合は保険が適用されない場合があります。全てのブリッジに保険が適用されるわけではないため、歯科医師の確認が必要です。
前歯のブリッジの場合、表面は白いレジン、裏側は金属素材となります。小臼歯より奥の歯の場合、金属の被せ物が条件となります。
なお自費のブリッジについてはこのような制限はなく、部位や本数、素材を自由に設定することができます。
ブリッジのメリット
一般歯科で多く取り扱っているブリッジのメリットをご紹介します。
・噛む力が強い
・入れ歯と比べると違和感が少ない
・見た目が悪くない
・治療期間が短い
・保険適用のため、安価で治療できる
・全国ほとんどの一般歯科で取り扱っている
ブリッジは、失った歯の隣の歯を支台歯として人工歯を固定します。そのため取り外し式の入れ歯と比べると違和感は少なく、しっかり噛むことができることができます。
また入れ歯のように金具がないため、審美性を大きく損ねることはありません。
治療期間も短く、型取り後、1週間から10日程度で装着することが可能です。
なおブリッジは保険適用で治療費を抑えることができますが、部位や本数によっては保険適用外となることがあります。
ブリッジのデメリット
ではブリッジにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。次にブリッジのデメリットをご紹介します。
・健康な歯をたくさん削らなければならない
・残存歯の健康を損ねる可能性が高い
・清掃が難しく口臭の原因になる
・歯がない部分の骨吸収が進みやすい
違和感が少なくかむ力も強いブリッジですが、最大のデメリットは支台歯となる健康な歯をたくさん削らなければならないことです。
健康な歯をたくさん削ると歯の寿命に大きく影響し、最悪の場合、健康であったはずの支台歯を失ってしまうことがあります。健康な歯の寿命が短くなる可能性が高いことが、ブリッジの最大の問題点です。
また対合の歯にも影響が出ることがあります。奥歯の場合、歯ぎしりなどのクセがある方は対合の歯を痛めてしまう可能性があります。保険適用の場合、奥歯は金銀パラジウム合金を使った銀歯のブリッジになりますが、金属は強度が強すぎるため、歯ぎしりや食いしばりをすることで反対の歯が磨り減ってしまう恐れがあります。
ブリッジは清掃が難しいこともデメリットのひとつです。ポンティック部分と呼ばれるダミーの歯と歯ぐきの隙間に食べかすが入り込むと汚れが取りにくいため、衛生状態が悪くなってしまいます。そのため口臭がきつく、相手に不快感を与えてしまいかねません。
そして歯がない部分の顎の骨の吸収が進み、歯ぐきが下がってますますブリッジと歯ぐきの間に隙間ができやすくなります。そのため歯周病が進行しやすくなってしまいます。歯周病が悪化すると、お口の中全体に大きな影響が出てしまいます。
このようにブリッジは他の歯の健康維持に大きな問題点を抱えるため、デメリットの多い治療法と言えるでしょう。
インプラントについて
インプラントは、外科手術によって失った歯の部分に人工の歯根を埋め込み、セラミッククラウンなどの被せ物を装着して噛む機能を取り戻す治療法です。天然歯に近い自然な噛み心地と審美性が特徴ですが、他にどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
インプラントのメリット
ではまずインプラントのメリットをご紹介致します。
・ご自身の歯に近い自然な噛み心地
・審美性を追及した美しい見た目
・他の歯に影響を与えず治療することができる
・残存歯の健康を守ることができる
・歯ごたえがあるものでもしっかり噛むことができる
・メンテナンスをきちんと行えば、長持ちする
インプラントは顎の骨にインプラント体という人工歯根を埋め込みます。そこへ被せ物を装着して噛む機能を取り戻します。そのためご自身の歯に近い感覚で噛むことができるため、違和感がほとんどありません。歯ごたえのあるものや噛み応えがあるものもしっかりと噛めるため、お食事を楽しんでいただけます。
審美性が高いこともインプラントの特徴です。被せ物の多くはセラミッククラウンやジルコニアクラウンなどが使われます。セラミック系は白く滑らかで耐久性にも優れています。周りの天然歯とのバランスを考えて作製するため、自然で美しい口元を取り戻すことができます。
そして他の歯に影響を与えずに治療ができることがインプラントの最大のメリットです。インプラントは失った部分のみ治療を行うため、ブリッジのように健康な歯をわざわざ削る必要がありません。また対合の歯を痛める心配もなく、残存歯の健康を維持することができることは、ブリッジにはない大きな特徴と言えるでしょう。
そしてメンテナンスをきちんと行っていれば、インプラントの寿命は長いこともメリットです。ブリッジの平均寿命は保険適用の場合、7年程度と言われています。セラミックなどを使った自費素材のブリッジの場合、もう少し長いと思われます。いっぽうインプラントの平均寿命は10年以上と言われており、日常のお手入れや歯科医院でのメンテナンスをきちんと受けていれば、非常に長持ちすると言われています。
このようにブリッジと比較すると、インプラントは機能や審美性だけでなく、他の歯の健康を維持できる非常に優れた治療法であると言えるでしょう。
インプラントのデメリット
メリットが非常に多いインプラントですが、当然デメリットも存在します。次にインプラントのデメリットをご紹介致します。
・外科手術が必要になる
・ごく一部の症例を除き、自費治療となるため高額な費用が必要
・どこの歯科医院でも治療できるわけではない
・治療期間が長い
・きちんとメンテナンスを受けないと、インプラント周囲炎になってしまう
インプラントの代表的なデメリットは、外科手術が必要であること、そしてごく一部の症例を除いて保険適用外となるため、治療費が高額になることです。
全身疾患や服用している薬などの理由により、外科手術ができない場合や、投薬を中止しなければならない場合があります。
また自費治療のため、保険適用のブリッジと比較すると高額な治療費になってしまいます。歯科医院によって費用は異なりますが、インプラントの一般的な相場は1本あたり35~50万ほどと言われているため、保険適用のブリッジと比較するとかなり費用が高くなってしまいます。
またインプラントは全国どこの歯科医院でも取り扱っているわけではありません。そのためインプラント治療を希望する場合、インプラントを取り扱っている歯科医院を探す必要があります。
治療期間が長くなることもデメリットのひとつです。顎の骨にインプラントを埋め込んだあと、顎の骨とインプラント体の結合期間に数ヶ月を要するため、ブリッジよりもかなり治療期間が長くなってしまいます。
そしてメンテナンスを怠るとインプラント周囲炎を引き起こしてしまうことがあります。インプラント周囲炎とは歯周病に似たような症状で、歯ぐきの腫れや出血などの炎症が起こり、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまい、再治療が大変になってしまいます。
ブリッジとインプラント、それぞれの特徴を理解して治療を受けましょう
ブリッジとインプラントそれぞれを比較しながら特長をお伝えしました。他の歯の健康を守るということから考えると、インプラントの方が優れていると言えますが、それぞれにメリットとデメリットがあり、ご自身のお口の中の状態などを考慮しながら治療法を選択することをお勧めします。