インプラントコラム
COLUMN
インプラントの治療設備や手術の手順をご紹介!
19.07.04
近年インプラントは幅広く普及し、インプラント治療を取り扱う歯科医院も増えていきました。しかし、インプラントは高度な技術や専用の治療設備が必要なために、インプラント治療を受ける歯科医院選びにも慎重になるのではないでしょうか。そこで今回は、インプラント治療をおこなうための治療設備や、治療の手順について詳しくご紹介します。
従来の治療や設備
インプラントが普及される以前は、虫歯や歯周病、不慮の事故などにより歯を失った場合の治療法は、入れ歯やブリッジといった既存の歯を活用した治療法が主流となっていました。
▼ブリッジ
欠損歯1本から適応される治療法の1つです。欠損部位の両隣の歯を削り、橋渡しのように両隣の歯に、ダミーの歯と連結した補綴物(ブリッジ)を被せ、欠損した部位にダミーの歯を装着することで失った歯の機能を補います。
▼入れ歯
欠損歯1本から適応され、部分的に複数の歯が欠損している場合に多く適応される治療法の1つが部分入れ歯です。既存の歯にクラスプと呼ばれる金属のバネを引っ掛けることで、入れ歯を口腔内で維持することが可能となります。ブリッジと比べると既存の歯の負担は軽くなりますが、バネを引っ掛けるために歯を削るケースもあります。また、全顎歯がない場合には、総入れ歯が適応されます。
一般的治療である虫歯や歯周病を治療する治療設備とはことなり、インプラント治療をおこなう歯科医院では、以下のような治療設備が整っています。
インプラントの治療設備
インプラントの治療をおこなう歯科医院では、以下の治療設備を揃え、患者さまに安心してインプラント治療を受けて頂けるように努めています。
歯科用CT
通常のレントゲンとは異なり、歯科用CTがインプラント治療では必須となります。正式名称は歯科用コーンビームCTであり、CBCTとも表記されます。
一般的に知られるレントゲンは、X線写真と呼ばれ2次元的に撮影された、平面からの情報のみで診断することが必要でありますが、治療をおこなう場合には3次元の立体からの情報を得ることが必要となります。
【歯科用CTの特徴】
▼着席した状態で撮影が可能
▼被ばく量が少ない
▼高画質
▼金属アーチファクトによるノイズ軽減(画像の乱れ)
▼3次元画像の構築
【CT画像で診断できるメリット】
▼従来のレントゲンでは見えなかったものが見える
▼わからないものが、わかるようになる
▼安全性の確保ができる
上記でご紹介したように、歯科用CTでは3次元撮影が可能となり、従来見えることのなかった、鼻の奥に位置する上顎洞の形態や状況、血管の位置や神経の位置、歯槽骨の厚みや高さを容易に把握できるために、より一層安全性に優れた治療を提供することが可能となります。インプラント治療の他にも、矯正治療や親知らずの抜歯などの際に活用されます。
生体モニター
手術中は、患者さまの容態を目視するだけでは十分ではないために、心拍数、血圧、心電図、酸素飽和度を生体もにたーで測定し、歯科医師のもとコントロールすることで、患者さまの万が一の異変にも対応できるように活用されています。
滅菌処理・管理
インプラント治療をおこなうためには、徹底した滅菌管理が必要となります。滅菌管理が行き届いていない場合には、院内感染の原因となってしまう場合もあるために、インプラント治療で使用する専用器具の徹底した滅菌処理や管理をおこなうことが必要不可欠です。以下が滅菌する為に用いられる、主な滅菌器となります。
【滅菌器の種類】
▼高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)・・・ガラス製器具、耐熱性プラスチック
液体試薬も滅菌することが出来る。
常圧では100℃近い蒸気で水分を含む物体を滅菌すると、たいていの細菌や微生物は死滅しますが、物体の水分も蒸発してしまいますが、滅菌器の内部を高圧にすることで100℃を超える温度でも水分を保ったまま、滅菌することが可能となり、100℃近い温度でも滅菌できなかった一部の細菌が形成する芽胞を滅菌することができるために、器具から試験薬といった幅広い滅菌に活用されています。
▼酸化エチレンガス滅菌器 ・・・ゴム製品、プラスチック製品
酸化エチレンガスには毒性があるために、滅菌処理後に残留ガスを処理する機能がついています。
熱に弱い、ゴム製品やプラスチック製品の滅菌に優れています。
衛生的な手術室
一般的な治療をおこなうスペースとは別に、インプラント手術をおこなう衛生的な手術室が必須となります。また、滅菌された白衣や器具、ディスポーザブル製品(マスク・手袋など)使用法を徹底し、更に院内感染を防止します。
インプラントの治療手順
インプラント治療は、上記でご紹介したインプラント治療設備を活用し、以下の通りの手順でインプラント治療をおこないます。
【インプラント治療の手順】(二回法の場合)
①カウンセリング
インプラントを十分理解し、知識を得ていただいてからインプラント手術を受けていただくために、患者さまが抱く不安点や疑問点を伺いながら、インプラント治療のメリット・デメリットや注意事項をご案内致します。
②術前検査
歯科用CTで撮影した情報などをもとに、術前検査を綿密におこないます。歯槽骨の厚さや高さ、血管や神経の位置を詳細に読み取り安全性の高い治療へと繋げます。
③治療計画
検査結果をもとに、インプラント治療が適応するか診断をおこないます。晴れてインプラント手術に適合と診断された場合には、患者さまのご希望を踏まえながら詳細な治療計画を練り、ご案内いたします。
④インプラント手術・・・一次手術
歯肉を切開し、インプラント体(根っことなる部分)を埋め込み、インプラント体と歯槽骨が結合するまでの3ヶ月から6ヶ月の間、治癒期間を設けます。
⑥インプラント手術・・・二次手術
インプラント体と歯槽骨の結合を待ち、二次手術へと移行します。二次手術ではインプラント体と人工歯を繋ぐアバットメント(結合器具)を連結させるために歯肉を切開します。その後、歯肉の治癒を1~6週間待ちます。
⑥人工歯を作成
歯肉の治癒をまって、アバットメントに被せる人工歯を作成します。
⑦メインテナンス
人工歯の装着が完了してもインプラント治療は完了しません。定期的にお口の中の状況、インプラントの状況、咬み合わせの状況をチェックし、必要にメインテナンスをおこなうことで、末永くインプラントを維持することができます。
まとめ
以上、今回はインプラント治療設備やインプラント治療の手順などについて、ご紹介しました。インプラント治療をお考えの場合にはお気軽にご相談ください。