インプラントコラム
COLUMN
格安インプラントの懸念点は?
20.08.30
日本にインプラントが普及して30年以上が経過し、全国の歯科医院でもインプラントが取り扱われるようになりました。
インプラントは保険診療外となるため、巷には「格安インプラント」なる破格の費用のインプラントを取扱う歯科医院も見受けられるようになりました。
しかし、相場より低い費用であるインプラント治療には懸念点もあり、不安を抱く人も少なくありません。
そこで今回は、格安インプラントの懸念点などについて、詳しくご紹介してまいりたいと思います。
格安インプラントの懸念点
虫歯や歯周病によって歯を失いインプラント治療を受ける場合には、保険診療は適応されません。
治療費が全額自己負担となるため、高額な治療費をできるだけ安くすませたいと考える人も少なくありません。
現在日本では30社以上のインプラントメーカーが活用され、歯科医院ごとに取り扱うメーカーや、必要となる治療費の額を選択できるため「格安インプラント」を取り扱う歯科医院も存在するようになりました。
しかし、一般的な相場よりも格安をうたうインプラントには懸念点もあり、トラブルの声も聞こえてくるため、注意が必要です。以下は格安インプラントの代表的な懸念点となります。
▼インプラントメーカー
インプラントは日々メインテナンスが必要です。格安インプラントメーカーの場合、メー
カーが廃業してしまうリスクも高く、いざ修理が必要になっても対処する術がない恐れも
あります。
また、歯科医院によって取り扱うメーカーが異なるため、転居などによって歯科医院を転
院する場合、お住まいの近くに激安インプラントを取り扱う歯科医院が見つからず、メイ
ンテナンスがおこなえない恐れもあります。
▼検査内容
適切な治療をおこなうためには、CT撮影による画像診断は必要不可欠です。しかし、レン
トゲン撮影のみで画像診断をおこない、治療費を抑えている恐れもあります。
▼麻酔の種類
インプラントは局所麻酔と静脈内鎮静法を併用して手術をおことなうことが主流になりつ
つあります。局所麻酔薬のみで手術をおこない、治療費を抑えている恐れもあり、静脈鎮
静法を希望する場合には、麻酔の種類を確認しましょう。
▼上部構造の素材の質
格安インプラントの場合、上部構造である人工歯の素材の質を落として、治療費を抑えてい
る恐れもあります。インプラントの上部構造の素材の多くは、審美性や機能性、耐久性に
も優れたジルコニアやセラミックでありますが、格安インプラントの場合には、経年劣化
とともに黄ばんだり、すぐに破損してしまったりする恐れもあります。
一見、見分けにくい人工歯でありますが、上部構造で使用される人工歯の種類をしっかり
と確認する必要があります。
▼保証内容
10年保証をうたう歯科医院が多い中、1年~3年程の保証に設定されている場合、メインテ
ナンスをおこなう中でトラブルが発生した場合、追加で修繕費などを支払わなければなら
なくなる恐れがあります。
▼歯科医師の知識やスキル
適切なインプラント治療をおこなうためには、歯科医院の知識やスキルが必要不可欠となり
ます。しかし、格安インプラントの場合は、経験の浅い歯科医師が治療をおこなっている
恐れもあります。
▼追加料金の請求
あまりにも格安な場合には、後から追加料金を請求される恐れもあります。治療を受ける前
には必ず、支払予定の金額の総額はもちろんのこと、その支払いに対する内訳を確認し、追
加料金が発生しないことを確認しましょう。
格安インプラントの相場は?
では、格安なインプラントの相場は一体どのくらいなのでしょうか。
インプラントの費用は、歯科医院ごとに設定できるため、両心的な歯科医院さんもなかにはいらっしゃるかもしれませんが、あまりにも費用が格安である場合には、前述でご紹介したように、安いだけの理由があると考えていいでしょう。
格安インプラントの相場は1本10万円前後と言われています。少しでも費用を抑えたいと考える人も少なくありませんが、インプラント治療が高価になるのには、しっかりと理由があるため、その価格だけに惑わされないようにしましょう。
インプラントの費用の相場は?
インプラントは保険診療外となるため、高額なイメージがありますが、インプラントの相場は
だいたい1本あたり、30万円~50万円と言われています。
インプラントは体内に埋め込む人工臓器であるため、精密な検査、適切な治療工程、確かな知
識と技術、品質の高いインプラントを用意する必要があり、それに見合った費用が発生します。
管理体制の整った歯科医院であれば、インプラントの製造ルートを明確にする「トレーサビリティ」と呼ばれる製造記録が付属されたインプラントを取り扱い、清潔な環境下での手術が必要となるため、専用の手術室や、CTなどの医療設備も十分に設けられていることがほとんどです。
以下が、一般的なインプラント治療費の内訳です。
【インプラント費用総額・・・30万円~50万円】
内訳
検査・診断料・・・1万円~5万円
インプラント手術費・・・10万円~30万円
上部構造作製・装着費・・・5万円~20万円
術後の消毒・メインテナンス費・・・1,500円~1万円
このように、インプラントはただ単に高額な設定がされているのではなく、安全で適切な治療
を患者さまにご提供するために必要な費用として設定されています。
以上今回は、格安インプラントの懸念点などについて、詳しくご紹介してまいりました。「費用を抑えられるなら抑えたい」と考える人が大半でありますが、相場より格安の場合には、安いだけの理由があり、インプラント治療は歯科治療の中でも高価な治療であることに違いはありません。
しかし、ブリッジのように健康な歯を削る必要や、入れ歯のように調整や、取り外して清掃・消毒などをおこなう必要はなく、歯を失う以前のように、しっかりと噛んで食事を楽しむことができるように治療するには必要な費用となります。
インプラント治療をお考えの際には、治療にかかる費用の総額はもちろんのこと、取り扱うインプラントメーカーや、治療内容にも留意しましょう。