基礎知識

セラミック治療を受ける時に知っておきたいポイントとは?No.1

21.02.26

虫歯を治療して被せ物をする時にいくつか種類があります。
保険の中では使用できる素材は限られていて、奥歯は銀歯で、前歯は白くても少しずつ黄ばんだように色が変色してきてしまいます。

そのような時にメリットの多いセラミック治療は変色もせず透明感のある素材です。
そこで今回はセラミック治療のメリットとデメリットや治療前に知っておきたいセラミック治療のリスクや特徴について詳しくご紹介していきます。

セラミック治療とは

セラミック治療とは、虫歯の治療で虫歯の部分を削ってその上に詰め物や被せ物をしますが、その時に陶器のセラミックを使用する治療方法です。
詰め物や被せ物にはいくつか種類があり、金属や歯科用プラスチックのレジンなどがありますが、セラミックはメリットが多く理想的な素材です。
セラミック治療は虫歯の治療で削った時にも選択できますし、今入っているほかの素材の被せ物もセラミックに変更することもできます。

セラミック治療のメリット

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自然で透明感のある仕上がり

セラミックは色調を自由に決めることができるので、隣の歯と同じ様になじむようにできます。
また、歯の色は1色だけでなく、先端と根本では少し色が違うことが多いので、グラデーションのようにすることも可能です。
また、金属を使用していると光を通さないので、明るい所では、少しくすんで見えることがありますが、セラミックだけ使用していると光を透過するので天然歯と同じような透過性を再現できます。

虫歯の再発がしにくい

保険の銀歯とセラミックを比べると銀歯は傷がつきやすく、汚れが着きやすい特徴があります。
その点セラミックは表面がつるつるしていて汚れが着きにくく、虫歯が再発しにくいです。
また、銀歯の接着は少しずつですがはがれやすく、セラミックは接着性が良く細かな隙間ができにくいので、こちらも虫歯の予防に効果的です。

経年変化での色の変色がほとんどない

保険の中で作製できる前歯の被せ物は白い素材ですが、歯科用プラスチックの素材です。
このプラスチックのレジンと呼ばれる素材は時間の経過で少しずつ水分を吸収して色が黄ばんできてしまいます。
その点セラミックは陶器と同じ素材なので、色の変色がほとんどなく、被せものを作製した時の色調を保つことができます。

金属アレルギーの心配がない

金属アレルギーは今まで大丈夫だった方でも、ある日突然アレルギー症状を発症することがあります。
これは、お口の中にある金属から少しずつ金属イオンが溶け出して、その許容量を超えた時にアレルギーを起こすためといわれています。
アレルギーになる許容量は個人差があり、どの程度でアレルギーになるか決まっていないため、花粉症のように今まで大丈夫だった人も金属アレルギーになることがあります。

金属アレルギーになると、その原因である金属を除去する対処法しかないので、できるだけアレルギーにならないように予防することも大切です。

そのために金属アレルギーの原因となる金属を使用しないセラミックは安心して使用できる素材です。

歯ぐきの黒ずみがほとんどない

歯ぐきの黒ずみの原因は金属イオンが少しずつ溶け出して歯ぐきに着色することで黒ずんで見えます。
その点金属を使用しないセラミックは歯ぐきが黒ずむ心配がほとんどありません。

セラミック治療のデメリット

強い衝撃で割れることがある

セラミックは硬い素材で出来ていて、傷もつきにくいですが強い衝撃が加わると欠けたり割れたりすることがあります。
  セラミックにも種類がいくつかあり、人工ダイヤモンドを使用しているジルコニアは強度が高く、奥歯に使用ができるほどです。
  最近のセラミックは強度の面でもかなり改善がされてきていますが、金属と比較すると強度に関しては金属の方が高いです。

費用が高額になる

セラミックの治療は基本的に保険外なので保険の被せ物に比べて費用が高額になります。
  費用は歯科医院によって差があり、目安として8~15万円程度とその差が大きく異なります。
  また費用の表示方法も異なるので、1本のトータルの金額ですべて含まれている場合と検査や型取り、仮歯など細かく金額が分かれている場合があるので、治療前にトータルの金額を確認しておくと安心ですね。

歯を削る量が増えてしまう

金属に比べてセラミックは強度を出すために厚みを出す必要があります。
  そうすると、割れにくくするために土台となる歯の部分を多く削る必要が出てきて健康な歯を多く削る点がデメリットです。

  ただ、食事をする時に正しい力を受け止めるかみ合わせにすることは、被せ物の歯にもかみ合う歯にも大切です。

セラミック治療のリスクとは?

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どの治療にもメリットとデメリットがあり、どちらも把握してから治療を選択すると納得して満足度の高い治療になります。
メリットが多いセラミック治療ですが、どのようなリスクがあるか治療前に確認していきましょう。

かみ合わせが強すぎる

セラミック治療をして、適切なかみ合わせになっていないと被せ物をした歯やかみ合う歯に負担がかかってしまうことがあります。
強すぎるかみ合わせの場合には、被せ物が欠けたり外れてしまう原因になります。
また、歯ぐきがダメージを受けて歯ぐきが下がったり、かむと痛みが出ることもあります。

歯ぐきが下がるとその部分がしみやすく、知覚過敏の症状が出て冷たいもので痛みが出てきますし、見た目も被せ物との段差ができてしまい良くありません。
そして、その部分は汚れが着きやすく虫歯や歯周病になりやすいなど良くない連鎖を引き起こすので、適切なかみ合わせにすることはとても大切です。

被せ物を入れる時に精密に調整も行いますが、お口の中のバランスは少しずつ変わることもあるので、定期的にメインテナンスをしてかみ合わせのチェックをすることで適切なかみ合わせを維持できます。

2次虫歯になる可能性がある

被せ物は接着材と接着するので、時間の経過で少しずつ劣化して歯と被せ物の間にすき間ができることがあります。
  その部分に汚れや細菌が入り込むと虫歯が広がっていくのです。
  セラミックは金属に比べて接着性が良いので、2次虫歯になりにくいですが、歯ぐきが下がった時にその部分から虫歯が広がって虫歯になることがあります。

  これは定期的に汚れをクリーニングして虫歯にならないように予防することが大切です。

セラミックが割れてしまう

セラミックは強度が高くなってきていますが、金属の被せ物と比べると強い衝撃で割れることがあります。
また、夜意識しない時に強い食いしばりや歯ぎしりをしていると、かみ合わせが強くなってしまい、欠ける原因になることもあります。

また、毎日強い力がかかると虫歯でなくても歯がしみやすくなってしまうことがあったり、奥歯が歯周病でもないのにグラグラしてしまうことがあります。

これは、普通の方よりかみ合わせが強いために歯やあごに負担がかかってしまうためです。

寝ている間は意識して強さを調整することができないので、マウスピースを作製して歯を保護することでセラミックもほかの歯も守ることができます。

また、歯ぎしりや食いしばりが強い方には、セラミックの中でも強度の高いジルコニアセラミックがおすすめです。

根の先に炎症を起こしてしまうリスクがある

虫歯が神経の近くまで進行していると、神経の治療が必要になります。
 神経の治療は細かな根の構造で複雑に入り組んでいる部分も消毒していきますが、簡単に感染を取り切りにくいのです。

また、根の中は直接目で見てキレイにすることができず、レントゲンや歯科医の経験によって治療を進めていくので、感染源が残ってしまい、炎症を起こしてしまうリスクがあります。

炎症が進んで膿が溜まるとあごの骨を溶かしてしまうこともあります。根に炎症が起きると根の治療をして膿を出す再治療が必要になります。

被せ物と歯ぐきの境目が合っていない

セラミック治療をして歯ぐきの境目がぴったりと合っていることが審美的にもキレイで汚れが着きにくい状態です。
ただ、歯肉炎や歯周病などで歯ぐきが落ち着いていない段階で被せ物をすると、その後に被せ物と歯ぐきの境目に段差ができてしまうことがあります。
歯ぐきの境目が出ると汚れが着きやすく歯周病のリスクが高くなったり、虫歯になりやすい環境になるので、歯ぐきが正しい位置になってから型取りをすることが大切です。

被せ物を入れる時には、歯周病が安定して歯ぐきが引き締まった時に行うことが重要です。