インプラントコラム
COLUMN
インプラント治療に年齢制限はある?適齢期について
21.05.24
インプラントは歯を失った時に見た目も自然でほかの歯に負担もかけることがないのでメリットの多い治療法です。
インプラントが普及して歯を失った選択肢として選ぶ方も増えてきました。
ただ、インプラントは外科手術も必要なのですべての方に適応できるわけではありません。
まだ若い成長期の子供や高齢の方で条件が合わないとインプラント手術が難しい場合もあります。
そこで今回はインプラントと年齢の関係についてお話させていただきます。
インプラントと年齢について
適齢期はあるの?
インプラントはブリッチや入れ歯と違い、ほかの歯に負担をかけることなくその部分だけで治療ができる方法です。
また、見た目も自然な仕上がりになるなどメリットの多い治療法で幅広い年代の方がインプラント治療を選択するようになってきました。
『しっかりかむこと』と『自然な仕上がり』を手に入れることができるインプラントですが、骨がしっかりあること、持病がある場合には症状が安定していることなどの条件をクリアしている場合には適齢期はなく、いつでも治療を受けることができます。
年齢制限はあるの?
インプラントは、適齢期はありませんが年齢制限はあります。
なぜかというと、インプラントはあごの骨に埋め込むのですが、成長期はあごの骨は生え変わりや成長で変化します。
子どもは6才くらいから歯が生え変わり始めて、18才頃までには親知らず以外のすべての永久歯が生えてきます。
この成長中にインプラントをすると、骨が成長してインプラントも動いてしまいかみ合わせも変わってインプラントトラブルになります。
そのため、インプラントを行うには骨の成長が止まっている20才以上になります。
20才を過ぎると骨の成長が落ち着いて、インプラントを埋入してもトラブルになる可能性は少なくなります。
年齢の上限はありません
インプラントは骨の成長が終わっている段階であれば基本的に年齢の上限はありません。
ただ、インプラント手術を行うのでその負担に対応することができ、汚れが着いたままになるとインプラントトラブルにつながるので、しっかりとケアをできることが大切です。
汚れが着いたままになると歯周病に似た『インプラント周囲炎』の可能性が高くなります。
インプラント周囲炎になると歯ぐきが腫れたり、出血したりひどくなると骨が少なくなってインプラントがグラグラしてしまうこともあります。
そのような状態にならないように、毎日のケアで汚れをしっかり落とすことが重要です。
また、自宅だけでは細かな汚れを落としきれない部分もあることが多いので定期メインテナンスのクリーニングでしっかり汚れをケアしていきます。
クリーニングをする時には、汚れがついている部分がどこなのかチェックをしてその部分の汚れの落とし方もお伝えします。
また、定期メインテナンスでは汚れだけでなく、インプラントに緩みがないか、骨の状態が変化していないかなど不具合がおきる前にチェックすることが大切です。
そのため、インプラント手術後に定期的にメインテナンスで通院が必要なので、通院ができることも条件になります。
また、持病があると免疫力が低下しているので、症状が安定していないとインプラント治療が難しい場合があり、主治医の先生と連携して行う必要があることもあります。
年齢が高齢になると考えられるリスクとは?
持病があることが多い
糖尿病
糖尿病になると血糖のコントロールが難しくなってしまい、免疫力が低下する病気です。
インプラントは外科手術も伴うので、免疫力が低下していると傷の治りが悪いケースがあります。
また、血糖値が高いままだと細菌に対して感染力が低くなってしまうので、血糖をコントロールすることが大切です。
糖尿病の方がインプラント手術をするには、『血糖をコントロールできていること』『抗生物質を術前から飲むこと』などが可能であれば治療ができます。
糖尿病の場合には主治医と連携して無理のない治療計画を立てることが大切です。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は骨の密度が少なくなるケースが多く、インプラント治療が難しい場合があります。
また、骨粗しょう症の方の治療薬で『ビスホスホネート製剤』を使用している場合には、骨の代謝を抑制してカルシウムが出てしまうことを防ぎます。
そのため、代謝を抑制しているので、新しい骨を作る働きや歯ぐきの再生も抑えてしまい、感染症のリスクが高まり、ひどくなると骨が壊死してしまうこともあります。
そのため、この『ビスホスホネート製剤』を使用している場合にはインプラント治療をしないことが多いです。
ただ、薬の種類や投薬期間によってはインプラントが可能なこともあるので主治医の先生と相談しましょう。
心疾患
重い心臓病でペースメーカーを使用している場合にはインプラントが難しい場合があります。
また、血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合には血が止まりにくくなることもあるので、止血しにくいことがあります。
ただ、心疾患の症状や止血の方法によっては手術が可能なこともありますので、主治医の先生と連携して相談しましょう。
細菌感染しやすい
細菌を抑制するためには免疫力が関係してきます。
高齢になってくると少しずつ免疫力が低下するので、インプラント手術した場所から細菌感染をするリスクが高くなります。
インプラント手術直後は専用のうがい薬で軽くうがいをする程度ですが、少しずつやわらかめの歯ブラシで汚れを落として細菌感染対策をすることが大切です。
インプラントは骨の成長が続いている成長期の20才以下は治療を待つ必要があります。また、年齢の上限はありませんが、高齢になってくるとインプラントのリスクも増えてくるので、身体の負担が出てくることもあり、インプラントの適応条件を満たしていることが必要です。
持病などがあっても症状が落ち着いていて、主治医と連携して負担がない方法を取ることができるとインプラント治療が可能な場合もあります。
インプラント治療が気になっている場合にはその方に適した方法をお話させていただきますのでお気軽にご相談ください。