インプラントコラム
COLUMN
インプラント手術は痛い?痛みを軽減する方法とは
21.08.22
歯を失った時にほかの歯に負担をかけることなく、見た目も自然な仕上がりのインプラントが治療の選択肢として選ばれることが多くなってきました。
ただ、インプラントは外科手術を行うので『痛みがあるのでは?』『手術が怖い』など不安要素も多いようです。
多少の痛みが出ることはありますが、実際にはインプラント1本だと抜歯程度の負担といわれているので、手術中は麻酔で痛みはほとんどありませんし、術後も痛み止めを服用することで落ち着くことが多いです。
そこで今回はインプラントに対する痛みについてと軽減する方法について詳しくご紹介します。
インプラント手術中に痛みはあるの?
麻酔が効いているのでほとんど痛みは感じない
インプラントはあごの骨にインプラントを埋め込む手術を行うので、『痛みがでるのでは?』と感じるかもしれませんが、麻酔が効いているのでほとんど痛みを感じることはありません。
麻酔の時に少し痛みを感じることはある
痛みを少し感じるタイミングがあるとすれば麻酔の注射の時にチクっとした感じがあることがあります。
この麻酔も表面麻酔をすることで針を感じにくくすることができますし、細い針を使用することでより痛みが出にくくなります
痛みに対する不安が強い時にできる対応
麻酔が効くと痛みがほとんどありませんが、歯科治療が苦手で不安が強い方におすすめの方法があります。
それはうとうとした様な状態で手術が可能な『静脈内鎮静法』です。
完全に意識が無くなるわけではありませんが、寝たような状態になりリラックスしてインプラント手術を受けることができるので、不安が強い方や歯科治療が苦手な方におすすめの方法です。
静脈内鎮静法は腕の静脈に点滴をして麻酔する方法でモニターなどをつけて全身管理も行いながら麻酔を行います。
全身疾患を持っている方も急な体調の変化がないように確認しながら手術できるので安心の方法です
手術直後に痛みはあるの?
インプラント手術直後は多少痛みが出ることはある。
インプラント手術直後の数日間は、腫れや痛みが出ることがあるでしょう。
痛みの程度は個人差がありますが、骨を増やす『骨造成法』やインプラントの本数が多い場合には痛みが出る傾向にあるようです。
インプラントが1本の場合には抜歯程度の負担になることが多く、ほとんどの方が処方された薬を服用すると落ち着きます。
インプラント手術直後の生活も痛みの有無に関係してきますので、痛みを抑えるポイントをご紹介します。
痛みを抑えるためにできるポイント
手術部分を頬から冷やす
痛みが出た時には患部を冷やすことは有効です。
ただ、あまり長時間冷やし続けると血流が悪くなってしまい回復の妨げになることがあるので24時間以内に留めておきましょう。
また、冷やす場合には直接患部を冷やすのは刺激になって逆効果なことがあるので、頬から冷やしましょう。
処方された薬を服用する
手術後は麻酔が切れる前に痛み止めを服用しておくと安心です。
痛み止めは効果が出るまでに少し時間がかかるので手術直後は早めに服用しましょう。
痛み止めのほかに抗生物質を処方されることが多いので、抗生物質は細菌の感染を防ぐために指示された通りきちんと飲み切りましょう。
手術後落ち着くまで飲酒や運動を控える
飲酒や激しい運動は血流が多くなり、腫れや痛みの原因になることがあります。 手術後数日は飲酒や運動は避けましょう。 また、熱いお風呂も血流が良くなるので、インプラント手術当日はシャワー程度にしておくと安心ですね。
手術部分は触らず、反対側でかむようにする
手術後は傷口になっているので、できるだけ触れないように反対側で食事をしましょう。
また、傷口が気になっても舌などで触らずに過ごしてくださいね。
食事もインプラント直後はやわらかめのものからスタートして徐々に慣らしていきましょう。
歯磨きは、ほかの歯の部分は通常通り磨いても問題ありませんが、インプラント部分は傷口の状態を確認しながら進めるので歯科医師と相談しながら行いましょう。
痛みが出やすいケースはあるの?
インプラントの方法によっても痛みが出やすい場合とそうでない場合があります。
骨が少ない場合に人工骨を増やす方法は歯ぐきを剥離して骨充填剤を入れるので、切開部分の範囲も広くなりやすく、インプラントだけを埋入するより痛みが出やすい傾向になります。
インプラント治療後に痛みが出る原因
インプラントのパーツが緩んでいる
プラントは基本的に歯の根の部分のインプラント体と被せ物の部分、その間をつな
ぐ土台のアバットメントの3つに分けられます。
土台の部分はねじ式になっており、少ないケースですが緩んでしまうことがあります。
ねじが緩んでしまうとその部分が隙間になり汚れがたまりやすくなります。
その結果歯ぐきが炎症をおこしてしまうことがあります。
また、ねじが緩んだままになっていると、土台の部分に強い力がかかって破損してしまうこともあります。
パーツが緩んでしまうと不具合の原因になるので早めに受診してねじを締めなおす必要があります。
インプラントがきちんと定着せず抜けそうになっている
インプラントの手術の時に骨の炎症が起きた場合やインプラントに強い力が加わった場合などトラブルがおきている状態です。インプラントが抜けてしまうと再手術が難しい場合もありますので、できるだけ早めに
受診しましょう。
インプラント周囲炎が進行している
インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント部分に汚れがついたままになっていると炎症をおこして歯周病に似た『インプラント周囲炎』になります。そしてインプラントは天然歯に比べて歯根膜というクッションの役割をする膜がないの
でダメージを受けやすく進行しやすいことが特徴です。
そのため、汚れをそのままにしておくと自覚症状は少なくてもどんどん進行してインプラントを支えている骨の部分が減ってしまいます。そうするとインプラントがグラグラしたり、ひどくなると抜け落ちてしまうこともあるので、自宅でのセルフケアと定期的な健診を受けてインプラント周囲炎を防ぎましょう。