インプラントコラム
COLUMN
インプラントオーバーデンチャーって何?オールオン4との比較について
22.12.28
「入れ歯では噛みにくい……。」
「しっかり噛めるように治療したい……。」
入れ歯は、天然歯に比べて咀嚼力が大きく低下するので、改善したいと思っている方も多いのではないでしょうか。
多くの歯を失った時の選択肢に「インプラントオーバーデンチャー」と「オールオンフォー」があります。
どちらもインプラントを使った治療ですが、聞きなれない方も多いと思うので、2つの比較について詳しくご紹介します。
【インプラントオーバーデンチャーとは】
インプラントオーバーデンチャーは、あごの骨に埋め込んだ2~4本のインプラント体を固定源にして入れ歯を固定する方法です。
アタッチメントの働きをするパーツを使用しているので、「アタッチメント義歯」と呼ばれることもあります。
総入れ歯は粘膜を固定にするので、安定しにくいデメリットがありますが、インプラントオーバーデンチャーはインプラントにマグネットなどのパーツがついていてしっかりはまるので、安定します。
【インプラントオーバーデンチャーの仕組み】
まずはインプラントの仕組みについてご紹介します。
・インプラント
インプラントの多くは3つのパーツからできています。
あごの骨の中に埋め込む「インプラント体」被せ物の役割をする「人工歯」そしてこの2つをつなぐねじで土台の役割の「アバットメント」です。
人工歯はねじで固定されているので、歯科医院でしか取り外すことができません。
・インプラントオーバーデンチャー
一方インプラントオーバーデンチャーは、インプラントに付けたアバットメントの先端に直接入れ歯を差し込む仕組みになっています。
そのため、患者さまご自身で取り外しができるので、自宅でもすぐにお手入れが可能です。
【インプラントオーバーデンチャーのメリット】
・埋入するインプラントの本数が少ないので、費用を抑えられる
・総入れ歯に比べて安定して噛める
・取り外しができる
【インプラントオーバーデンチャーのデメリット】
・入れ歯をつなぐパーツの交換が必要
・食後に外して清掃する必要がある
・インプラントを埋め込む際に外科手術が必要
・インプラントであご全体を治療する場合に比べると安定性に劣る
【インプラントと入れ歯をつなぐパーツの種類】
- ボールアバットメント
パーツの先端が丸くボール状の形をしていてホックを留めるように使用します。
- ロケーターアバットメント
パーツの先端がボタンのようになっていて、入れ歯とパーツの間にはナイロンのキャップがついているので、外れる心配がありません。
- バーアバットメント
インプラントとインプラントの間にバーを固定して、クリップを挟むように留めます。
このタイプのインプラントオーバーデンチャーは固定が強いので、取り外し方をしっかり確認しておく必要があります。
- 磁石のアバットメント
インプラントの頭に磁石をつけ、パーツも磁石タイプのものを使用して、磁石の力で入れ歯を固定します。
【オールオンフォーとは】
オールオンフォーとは、上下どちらかすべて歯がない方が対象になります。
4~6本のインプラントで片顎の12本分の連結した人工歯を装着します。
インプラントに角度をつけて埋入することで、少ない本数で片顎の人工歯を支えることができます。
そのため、しっかり噛むことができるようにするため、インプラントの角度や埋入位置・インプラントの種類などを選定する必要があります。
一般的なインプラント治療に比べて、歯科医師の技術や経験が必要になる治療です。
【オールオンフォーのメリット】
・手術当日に仮歯が入ります。(人工歯がない期間はありませんのでご安心ください。)
・一般的なインプラント治療に比べて、使用するインプラントの本数が少ないので費用の負
担・身体的負担・治療期間の負担を軽減できます。
・固定式の歯が入るので、天然歯と同じような噛み心地を実感できます。
・ガイドを使用することで、歯ぐきの切開を最小限にできます。
【オールオンフォーのデメリット】
・片顎のすべての歯がない場合に適応になるので、歯がある場合には治療できない。
・経験豊富な歯科医師の治療が必要なので、治療できる歯科医院が限られている。
【インプラントオーバーデンチャーとオールオンフォーの比較】
どちらもインプラントを埋入して人工歯を使用しますが、インプラントオーバーデンチャーは「入れ歯」で取り外し式の治療です。
一方オールオンフォーは固定式の人工歯を使用するので、イメージとしては、ブリッチと同じような使用感でお使いいただけます。
インプラントオーバーデンチャーも保険で製作できる「総入れ歯」に比べると安定しています。
また、オールオンフォーに比べるとインプラントの埋入本数が少なくて済むので、費用の負担や身体的負担を軽減できます。
ただし、入れ歯をつなぐパーツの部分は交換が必要な場合がありますので、その分の費用の負担があります。
一方オールオンフォーはインプラントブリッジになるので、一番安定しており、天然歯に近い噛み心地を実感していただけます。
毎日の食事や会話などで大切な役割をする人工歯なので、それぞれの特徴を比較していただいて、患者さまの希望に合ったものを選択していただけるように我々もサポートさせていただきます。
カウンセリングの時間は、分からないことや不安なことを解決してから治療をスタートするための大切な時間ですので、気になることはどのようなことでもご相談ください。
【まとめ】
歯を失って入れ歯を使用しているけれど、合わずにストレスになっている方・もっとしっかり噛みたいなどのご希望がある方はぜひ1度お気軽にご相談ください。
ひとくちにインプラントと言っても、いくつかの治療法があります。
その中で患者さまのお口の状況とご希望を考慮してよりよい治療計画をご提案させていただきます。
まずは、気になっていることをカウンセリングでご相談ください。
スタッフ一同笑顔でお待ちしております。