インプラントコラム
COLUMN
インプラントでは歯並びは治らない?インプラント矯正との違いとは
24.11.30
インプラントと聞くと、歯科のインプラントが広まっていますが、その中でインプラント矯正という治療もあります。
歯科用インプラントとインプラント矯正は、似ている感じがしますが、治療や目的が異なります。
そこで今回は、インプラント矯正との違いについて詳しくご紹介します。
失った歯を補うインプラント治療とは
歯を失った時の主な3つの選択肢は、インプラント・ブリッジ・入れ歯です。
このインプラントは、歯を失った部分に人工歯根の「インプラント」を埋め込み、その上に「アバットメント」という土台になる部分をつけ、「人工歯」の被せ物をする治療です。
インプラントは、身体の中に埋め込む医療器具という意味を持っており、心臓のペースメーカーなどもインプラントの1つです。
ただし、一般的にインプラントと言うと、歯科用インプラントの意味で使用されることが多いでしょう。
インプラント治療のメリット
・天然歯と同様にしっかり噛むことができる
インプラントは天然歯のように、顎の骨にインプラント体を埋め込んで人工歯を被せるため、ブリッジや入れ歯と比較すると、天然歯と構造が似ています。
そのため、安定しやすく天然歯と同様の噛み心地を実感することが可能です。
・ほかの歯への影響が少ない
歯を失った時の治療でブリッジは、左右の歯を大きく削って被せ物をします。
また、2本の歯で3本分の歯を支えるため、支えている歯に負担がかかり、寿命を縮めてしまうことがあります。
部分入れ歯も、失った部分を支えるために他の歯にばねをかけて維持するため、その歯に負担がかかります。
インプラントは、歯を失った部分単独で治療ができるため、ほかの歯に影響が少ない方法です。
・見た目が自然で審美性が優れている
インプラントの上に被せる被せ物は、自由診療のため、自由に選択することができます。
そのため、セラミックの歯を選ぶことができ、透明感があり、自然な白さの被せ物を入れることができます。
また、保険の部分入れ歯のようにばねが見えることが無く、審美性に優れています。
インプラントのデメリット
・自由診療のため、費用が高い
インプラントは、ほとんどが保険の適用にならない自由診療です。
歯科医院によって費用が異なりますが、40~50万円程度の費用がかかります。
確定申告をすると医療費控除の対象になったり、クレジットカード払いやデンタルローンを使って分割払いにしたりして費用の負担を軽減することができます。
費用に関してお悩みがある方はお気軽にご相談ください。
・治療期間が長い
ブリッジや入れ歯は1~2カ月の通院で治療を行うことが多いですが、インプラントは顎の骨とインプラント体が定着するまでに待つ期間が3~6ヶ月程度あります。
その後に土台部分を作製したり、被せ物の型取や装着をしたりする工程などがあるため、治療期間が長くなります。
ただし、顎の骨に定着を待つ期間に毎週通うわけではなく、経過を見ながら通院していただきます。
・外科処置が必要
インプラントは、顎の骨にインプラントを埋め込む外科手術を行う必要があります。
ただし、顎の骨が十分にある場合で1本の手術だと親知らずの抜歯程度の時間で終わる場合もあります。
口の中の状況によって変わる場合がありますが、歯茎を切開せずに行うフラップレス手術やインプラントの埋入位置を的確に分かるサージカルガイドを使うと手術時間を短縮できます。
患者様のご希望とお口の状況に応じてより良い方法をご提案しますので、ご安心ください。
インプラント矯正との違いは?
インプラント矯正は、矯正治療の1つで矯正用インプラントという小さなねじのようなパーツを顎に埋め込んで、その部分を支点にして歯を動かす方法です。
通常のワイヤー矯正は、一番奥の歯を支点にするため、その歯より奥へ歯を動かすことができません。
一方、インプラント矯正は、支点を自由に決めることができるため、効率良く歯を動かすことができます。
また、歯並びの不正が強い場合でも、力をかけたい部分に力をかけやすくなるため、適用できる症例の幅が広がります。
そのため、一般的に歯を失った時のインプラント治療とインプラント矯正は全く別の治療です。
インプラント矯正と名前がついているため、インプラント治療で歯並びが改善する?と間違えることもあるかもしれませんが、インプラント治療は失った歯を補う治療のため、歯並びを改善する目的はありません。
インプラント矯正は、全体的な歯並びやかみ合わせを考慮しながら少しずつ歯を動かして治療します。
インプラントは失った部分は改善することができますが、矯正ではありません。
・オールオンフォーは全体的なバランスも改善が見込める
ただし、インプラントの中でもオールオンフォーは片顎のすべての歯を治療するため、全体的なかみ合わせも改善しながら、治療ができます。
片顎で4~6本のインプラントを埋め込んでその上に被せ物をする治療です。
角度をつけてインプラントを埋入するため、少ない本数で12本程度の被せ物を維持ができます。
また、被せ物のセラミックの白い被せ物が入るため、審美性も高い治療です。
適用条件が片顎のすべての歯を失っている方が対象の治療のため注意が必要です。
【まとめ】
インプラント治療は、歯を失った時にその部分を補うためにインプラント体を埋め込んでその上に被せ物をする治療です。
インプラント矯正は、ワイヤー矯正の中の治療の1つで通常は一番奥の歯を支点にしますが、小さなねじのような矯正用インプラントを埋め込むことでその部分を支点にすることが可能です。
支点を自由に決められるため、効率的に歯を動かすことができたり、難しい症例も適用になったりすることがあります。
インプラントとインプラント矯正は、似ているようで全く異なる治療です。
歯科の治療は選択肢も増えていますので、患者様のご希望と口の中の状況に応じてより良い治療をご提案させていただきます。
インプラントは、天然歯のようにしっかり噛むことができて、審美性も優れており、ほかの歯に負担をかけない優れた治療です。
当院は、数多くのインプラント治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。