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総入れ歯とインプラント、どっちがいいの? 気になる費用や違いについて

18.06.27

総入れ歯とインプラントはどう違うの?

歯を全て失った場合は、総入れ歯やインプラントを歯医者に勧められます。ちなみに、差し歯は残った歯の根本に人工の歯を被せるものであるため、歯根から抜けている場合には適用できません。歯を全て失っている方は、基本的に総入れ歯かインプラントを選ぶことになります。具体的に、どのような違いがあるのか、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

入れ歯の模型

総入れ歯の特徴

総入れ歯は、上下全ての歯がセットになっている入れ歯で、口の中の粘膜に吸い付かせるように装着します。口の中の型をとり、ひとりひとりに合った総入れ歯を作ってもらいます。人工の歯茎の部分がレジンというプラスチックで作られたものや、食べ物の温度を感じ取りやすい金属製のものなどがあります。

インプラントの特徴

インプラントは、金属の歯根を歯茎に埋め込み、その上に人工の歯を被せる治療法です。総入れ歯とは違い、取り外すことができません。その代わり、しっかりと噛めるため、総入れ歯よりも食事を楽しめるとされています。ただし、顎の骨の量が少なかったり、骨粗しょう症や糖尿病にかかっていたりする場合は、インプラント治療を受けられない可能性があります。
歯を全て失っている場合は、オールオンフォーやボーンアンカードフルブリッジといった方法を行うことが一般的です。オールオンフォーは、下顎に4本、上顎に4本のインプラントを埋め込み、その上にフルブリッジを被せます。フルブリッジは、歯が並んで繋がっているもので、総入れ歯の歯の部分を想像するとわかりやすいでしょう。
ボーンアンカードフルブリッジもオールオンフォーと同じく、インプラントの上にフルブリッジを被せます。オールオンフォーとの違いは、4本以上のインプラントを使うケースが多いことです。

費用はどれぐらい違うの?

総入れ歯とインプラントでは、費用に大きな差があります。また、総入れ歯は保険適用されますが、インプラントは自費診療となります。それぞれ、どれぐらいの費用がかかるのか、詳しくご紹介します。

インプラントと総入れ歯の費用を計算している

総入れ歯の料金の相場

総入れ歯は、保険適用のものから自費診療のものまで様々です。保険適用の総入れ歯は、1割負担で4,000~5,000円、3割負担で12,000~15,000円程度となっています。ただし、これは片顎のみの料金なので、上下ともに総入れ歯にする場合は、1割負担で8,000~10,000円、3割負担で24,000~30,000円程度の費用がかかります。
自費診療の総入れ歯の費用は、使用する素材によって大きく異なります。例えば、口の中の粘膜に当たる部分がチタンのものは、300,000~400,000万円、ゴールドは500,000~700,000円、コバルトは180,000~220,000円程度が相場です。歯科医院によって費用が大きく異なるので、事前によく確認しておきましょう。

インプラントの料金の相場

インプラントは、1本あたり200,000~600,000円程度が相場です。精密検査、外科手術、インプラントに被せる人工の歯、メンテナンスといった様々な工程があるため、どうしても費用が高くなります。
歯を全て失った場合に適用できるオールオンフォーは、片顎で250~400万円程度の費用がかかります。ボーンアンカードフルブリッジの費用の相場は、片顎200~300万円程度です。

それぞれどんなケアが必要?

総入れ歯とインプラントは、どちらも継続的なケアが必要です。それぞれ、どのようなケアが必要なのか詳しくご紹介します。

インプラント術後、歯磨きのケアをしている老夫婦

総入れ歯のケア

総入れ歯は、毎食後にケアが必要です。洗面器などに水を張り、水道水で流しながら丁寧に磨いていきます。また、就寝前にも入れ歯を洗い、義歯洗浄剤に浸けて汚れや雑菌を取り除きます。
ケアをしないでいると、入れ歯に汚れが溜まり、口の中にトラブルが起こる可能性があります。また、このようなケアを続けていても、入れ歯の状態が悪くなることがあるため、定期的に歯科医院でチェックしてもらうことが大切です。さらに、歯茎が退縮して入れ歯が合わなくなることがあるため、定期的な調整も必要となります。

インプラントのケア

インプラントは入れ歯と違い、天然の歯と同じようにブラッシングできます。人工の歯だからといってブラッシングをしないでいると、インプラント周囲炎という歯周病と同じ症状が現れる可能性があります。歯ブラシだけではなく、歯と歯の間を磨くデンタルフロスなども使い、すみずみまで綺麗にしましょう。
また、歯科医院で定期的に口の中の状態をチェックしてもらうことが大切です。口の中を清潔に保つことが、快適なインプラント生活をおくるための秘訣と言えるでしょう。

治療後の生活はどのように変わる?

総入れ歯やインプラントは噛む機能を取り戻すものですが、天然の歯があったときと全く変わらない状態に改善することは難しくなっています。治療を受けると、生活はどのように変わるのでしょうか。それぞれ詳しくご紹介します。

健康な歯になり、食事を楽しんでいる老夫婦

総入れ歯の生活

保険適用の総入れ歯は、熱伝導率が悪いプラスチック製の床となっています。そのため、食べ物の熱を感じ取りにくくなります。チタンやゴールド床の総入れ歯であれば、食べ物の熱が伝わりやすいため、問題なく食事を楽しむことができるでしょう。
また、保険適用の総入れ歯でも、失った歯を補えるというメリットは変わりません。しっかり噛めるようになるため、これまでよりも食事の時間が楽しみになるかもしれません。

インプラントの生活

インプラントは、総入れ歯よりもしっかりと固定されるため、より食事を楽しめるようになります。食事が楽しいことが生きがいになり、日々の生活の質が高まるでしょう。注意点は、歯の歯根膜というクッションが失われているため、歯ぎしりや食いしばりによる力が歯茎や顎の骨に強くかかるということです。それにより、歯肉や顎の骨のトラブルが起きたり、インプラントに問題が生じたりする可能性があるのです。
このような事態を防ぐために、歯ぎしりを防ぐマウスピースを使うこともあります。歯医者のアドバイスに従うことで、インプラントに関わるトラブルを防ぐことができるでしょう。