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インプラント治療に失敗しないよう、事前に様々なリスクを確認しよう

18.07.13

インプラント治療の失敗例

インプラントと言えば、しっかり噛めるようになる、食事を楽しめるようになるといったメリットばかりが頭に入り、デメリットからは目をそらしてしまいがちです。また、歯茎を切開して人工の土台を入れるといった外科手術が必要なため、歯科医の技術で治療結果が大きく左右されます。値段の安さに魅力を感じ治療を受けたところ、失敗されてしまったという事例はたくさんあります。まずは、インプラント治療の失敗例をご紹介します。

インプラント失敗の症例

インプラント周囲炎による脱落

歯と歯の間や歯と歯肉の間にプラーク(細菌の塊)が溜まると、歯周病が引き起こされます。インプラント治療では人工の歯を装着するため、歯周病とは無縁と思われがちですが、天然の歯と同様に歯周病が起こります。
インプラントの周りに起きた歯周病のことをインプラント周囲炎といい、悪化すると骨吸収(骨の破壊)が起こり、やがてインプラントが脱落してしまうこともあるのです。
ただし、ブラッシングなどによるプラークコントロールで、インプラント周囲炎のリスクを抑えられます。インプラント周囲炎を発症し、骨吸収が進んでしまった場合には、インプラントの除去が必要となります。定期的なメンテナンスと丁寧なブラッシングが予防策となるので、歯科医師の指示に従ってケアを続けましょう。

手術の際に血管や神経を損傷する

治療では、歯茎を切開してインプラントを埋め込みます。このように、粘膜の切開が必要となるため、血管や神経を損傷させてしまうケースがあるのです。神経が損傷すると、感覚の異常や麻痺などが起こり、血管の損傷は大量出血を引き起こします。手術前のCTによって立体的に骨の形態を確認することで、このようなトラブルを未然に防ぐことが可能です。
治療の前にCTを撮ることは一般的なことであるため、過度に心配する必要はありません。しかし、未熟な歯科医師が手術を行うことで、骨の形態を把握していても神経や血管を損傷させる可能性があります。

上顎洞粘膜の損傷

上の奥歯のインプラント治療では、上顎洞(じょうがくどう)粘膜を押し上げてインプラントを埋め込みます。この粘膜は損傷しやすく炎症も起こりやすいため注意が必要です。上顎洞粘膜が損傷すると、インプラントの脱落や上顎洞に感染が起こる可能性があります。

術後の感染

治療では歯茎を切開するため、どうしても感染のリスクを伴います。器具の滅菌が不十分であったり、不衛生な方法で手術をしたりすると、感染のリスクが上がります。

インプラントに被せた人工歯の破損や脱落

インプラントの脱落だけではなく、インプラントに被せる人工歯が破損したり脱落したりすることがあります。どのような理由で起こるのか、詳しくご紹介します。

治療の失敗例

アパットメントの緩み

インプラントと人工歯は、アパットメントという装置で連結されます。このアパットメントが緩んでいると、人工歯が脱落するリスクが高まるのです。定期的なメンテナンスでアパットメントの緩みを確認し、調整が必要です。また、インプラント治療の技術が低い歯科医師が手術することでも、アパットメントの緩みによる人工歯の脱落が起こります。

噛み合わせが悪いことによる人工歯への負担増加

噛み合わせが悪い状態では、特定の歯に大きな負担がかかります。インプラントの人工歯に負担がかかると、割れてしまう可能性があります。そのため、インプラント治療の前に噛み合わせを整える治療を受けることが大切です。歯科歯科医師によっては、噛み合わせを整える必要性について説明が不十分ということもありますので、注意が必要です。

インプラント治療のトラブルのリスクが低い歯科医院の選び方

治療に失敗しないためには、十分な実績があり、インプラント治療の設備が整っている歯科医院を選ぶ必要があります。具体的に、インプラント治療に失敗しないための歯科医院の選び方をご紹介します。

インプラント治療の歯科医院の選び方

料金の安さは重視しない方がいい

「破格!インプラント治療○○円」など安さを重視した歯科医院は、選ばない方がよいかもしれません。安い理由としては、質の悪い器具を使用している、追加料金が発生するといったことが考えられます。ただし、独自の仕入れルートがあるために材料費を抑えられるといった問題のないケースもあります。その他、実績が少なく、来院数を増やすために安くしている場合もあるのです。料金が安い歯科医院を選ぶ場合は、安い理由を確認しておきましょう。
安い理由を教えてもらえない場合は、患者様にとって不利益になる理由の可能性があります。

実績を確認する

歯科医院のインプラントの実績を確認しましょう。実績が多いということは、それだけ様々な症例を経験しており、トラブルを防ぐための処置も十分に心得ているということです。ただし、複数の歯科医師が在籍している場合は、歯科医師によって経験値が異なる場合がありますので、治療を相談する段階でどんな先生が治療してくれるのかを確認するのもいいかもしれません。

インプラント治療の設備が整っている

治療を成功させるためには、CTはもちろんのこと、滅菌機やコンピューターシミュレーションが可能な機器などが必要です。インプラント治療の設備が整っている歯科医院を選ぶことで、失敗のリスクを抑えられるでしょう。

医師が学会に属している

日本口腔インプラント学会や日本顎顔面インプラント学会など、インプラントに関する学会に加入しているか確認しましょう。学会では、講演会や研修会などが行われており、インプラントの知識の蓄積や技術の向上に役立ちます。このようなイベントに積極的に参加している歯科医師は、インプラント治療に対して高い意識と技術、豊富な知識を持っている傾向があります。

違和感がある場合はセカンドオピニオンを検討する

治療を受ける前にカウンセリングを受けますが、そのときに医師の対応や説明に違和感を覚えた場合は、セカンドオピニオンを検討しましょう。複数の歯科医師の話を聞くことで、説明の間違いや対応の問題点が浮き彫りになるケースがあります。デメリットやリスクなども把握し、納得したうえで治療を受けることが大切です。