インプラントコラム
COLUMN
インプラントを受けるための必要検査とは?
19.10.18
歯を失ってしまった際の治療法の1つとして広く知られるインプラント治療ではありますが、治療を受ける際には、インプラント治療を行える状態であるか診断するために必要な検査があります。しかし、実際にどのような検査が必要であるか、ご存知ではない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、インプラント治療を受けるために必要となる検査について詳しくご紹介しましょう。
インプラント治療をはじめる前に
インプラント治療を受けるためには、顎の骨である歯槽骨に直接インプラントを埋め込む必要があり、適切に歯槽骨とインプラントを結合させるためには、必ず検査が必要となります。その中でも一番初めに行われる患者さま自身で、お身体の状態を申告して頂くための問診があります。
【問診】
まずは患者さま自身に問診を行い、現在までの既往歴や持病やアレルギーの有無をお伺いします。インプラント治療は外科手術を伴うために、インプラント治療が禁忌とされる疾患も存在しるため、問診でスクリーニングを行い、禁忌とされる疾患やアレルギーがあるか、手術において気を付ける点はあるかを確認します。
以下一覧が、インプラント手術を行うことが禁忌とされる疾患となります。
・糖尿病
傷が治りにくく、細菌感染の抵抗力も弱まるために、血糖値を良好にコントロール出来ていない場合には、インプラント手術は禁忌とされています。
・血液疾患
細菌感染を引き起こすリスクも高まるために、インプラント手術は禁忌とされています。
・心臓疾患
発作が起きる、ペースメーカーを所持している等の場合には、リスクが伴うためにインプラント手術は禁忌とされています。
・肝臓疾患
急性肝炎、肝硬変など重度な肝臓疾患がある場合、血液を凝固する作用が十分でないために、インプラント手術を受けることは大変危険とされています。
・骨粗しょう症
骨粗しょう症の場合、インプラント治療を受けられる場合と、受けられない場合があり、CT検査を行い骨密度や、骨粗しょう症治療薬であるビスホスホネート系の薬を服用の場合は、インプラント治療を行えない恐れもあります。
・顎の骨質不良
インプラントを埋め込む顎の骨の質に不良が認められる場合、インプラント治療を受けることは困難となります。
・高血圧症
手術中に動悸、発汗、頭痛、嘔吐などの症状が生じる恐れがあるために、高血圧症の場合には、内科医との連携が必要となります。
・金属アレルギー(チタンアレルギー)
インプラントはチタンと呼ばれる金属で出来ているために、チタンアレルギーである場合には、アナフィラキシーショックを起こしかねず、インプラント治療を受けることが困難となります。
・喫煙
ニコチンには毛細血管を収縮する作用があり、傷が治りにくい傾向にあるために、インプラント治療は避けるべきと考えられています。
・重度の歯周病
歯周病が進行している場合、歯を支える役割がある歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜といった歯周組織が吸収され、インプラントを維持することが困難となります。
インプラント治療を受ける為に必要な検査
問診を終え、次に行うのはインプラント治療を行えるか、精密に検査致します。この検査をしっかりと行うことが、インプラント治療を成功させるための、鍵となります。
【血圧検査】
最高血圧140mmHg、最低血圧90mmHg以上が高血圧と呼ばれ、手術時に血圧が上昇し、動悸、発汗、頭痛、嘔吐などが生じる恐れもあるために、最高血圧160mmHg以上ある場合には、インプラント手術を行う前に、内科の受診をおすすめいたします。
【口腔内写真】
口腔内写真を撮影して、現状を把握します。患者さま一人一人細かく審美検査を行い、評価を行います。
【血液検査】
問診で申告されている疾患以外にも疾患がないか、血液感染するB型肝炎やC型肝炎、細菌からの抵抗力が低く、傷の治りが悪い傾向が特徴である糖尿病や、血液疾患、肝臓疾患、金属アレルギーの有無を、血液検査を行い確認します。
患者さまの身体の状態を把握するためには、血液検査は必要不可欠な検査であり、血液検査を行うことなくインプラント手術を受けることは大変危険なために、インプラント治療を受ける際には必ず行う検査の1つです。
▼主な血液検査項目
血中に存在する赤血球、白血球、ヘモグロビン、血小板数、たんぱく質、糖質、脂質、酵素などの数値から疾患の有無が判明します。
【診断用模型】(ステント)
患者さまのお口の中の型を取り、模型を作製し治療を有効かつ安全に行えるように診断を行います。実際その模型を口の中に装着した上で画像検査を行い、歯槽骨に埋め込むインプラントの長さや大きさ、位置、上層構造である補綴物のサイズなどを定めて行きます。
【歯周病検査 / レントゲン撮影】
歯周病である場合には、インプラント治療を行う前に歯周病の治療を行わなければなりません。なぜならば、歯周病であった場合にはインプラント治療の成功率が大幅に減少してしまうため、インプラント治療を行う前には、必ず歯周病検査のためにレントゲン撮影を行い、歯槽骨の状態、歯周病の有無を確認します。
【CT検査/3D画像シミュレーション検査】
CT撮影を行い目視では確認できない歯槽骨の中の状態を確認し、歯槽骨の厚みや高さ、骨密度、神経や血管の位置、インプラント埋入予定部位周辺組織を確認します。また更に治療を安全かつ正確に行うためにCTデータを基に、コンピューターシステムによる3D画像を屈指したシミュレーション検査を実施します。コンピューター内で擬似手術を行えるために、難しい症例にも適応することが可能となります。
まとめ
今回は、インプラント治療を受ける為に必要な検査について、詳しくご紹介して参りました。インプラント治療を成功させるためにはこれら検査が必要不可欠であり、インプラン治療を受けられるか診断するための大切な診断材料となります。ご自身がインプラント治療を行うことができるのか、できないのか、しっかりと検査を行った上で治療へと移行することが大切です。インプラント治療をお考えの場合には、お気軽にご相談ください。