基礎知識

インプラントを知ろう!術後の注意点はあるの?

19.11.27

虫歯や歯周病、外傷で歯を失った際に行う治療法の1つであるインプラント治療は、歯肉を切開し、歯を支える歯槽骨にドリルで穴を開け、インプラントを埋め込む外科手術が必要となります。そのためインプラント手術を行うことを躊躇したり、不安になったりすることも少なくありません。そこで今回は、インプラント手術を受けるにあたり、知っておきたい術後の注意点を詳しくご紹介して参りましょう。

インプラント手術の工程を知ろう

はじめに、これから受けるインプラント治療はどのような工程を踏んで行われるのかを確認しながら、理解を深めることが大切です。工程を明確にすることで、ご自身がどの工程で、どのような注意が必要であるのか、把握することが可能となります。

▼今回ご紹介する工程は2回法となります。

1) 麻酔を行います。

インプラント手術は局所麻酔で行われることが主流でありますが、医院によっては静脈内鎮静法、全身麻酔で行うことも可能です。特に静脈内鎮静法は、完全に眠った状態ではなく、意識があるままリラックスして治療を受けられる麻酔であるために、恐怖心が強い患者さまに最適な麻酔方法です。

2) 歯肉を切開する

インプラントを埋め込む部位の歯肉を切開します。麻酔が効いているため、痛みを感じることはありません。

3) 歯槽骨に穴を開ける

顎の骨である歯槽骨に穴を開けます。麻酔を行っていても、穴を開けるドリルの振動が伝わってきますが、麻酔が効いている限り痛みを感じることはありません。

4) インプラントを埋入(一次手術)

人工歯根となるインプラントを埋め込みます。埋め込んだあとは、インプラントと歯槽骨の結合を待つために、インプラントの上に歯肉を覆い被せるように縫合します。

5) 一次治癒期間

個人差はありますが、インプラントと歯槽骨が結合するには3ヶ月~6ヶ月の治癒期間が必要となります。インプラントは人骨と結合する特性を持つチタンで形成されているため、下顎で2ヶ月~3ヶ月、上顎で4ヶ月~6ヶ月程でインプラントと結合すると言われています。

6) アバットメント装着(二次手術)

結合を待って、インプラントと上から被せる補綴物(人工歯)を連結する役割を担う、アバットメントを装着します。

7) 二次治癒期間

周辺歯肉が落ち着くまで、個人差はありますが2週間~6週間ほど更に治癒期間を設けます。

8) 補綴物作製・装着

周辺歯肉の回復を待って、人工歯である補綴物を作製し、インプラント治療は完了となります。

インプラント手術後の注意点を確認しましょう


次に、インプラント治療を終えた当日に気をつけたい注意点をご紹介しましょう。

出血・止血

術後から2~3時間経過しても出血が止まらない場合には、歯科医院へ連絡しましょう。配給されたガーゼを強く咬むことで血が止まる場合には、心配はありません。

また、術後24時間はうがいを極力避けましょう。うがいをしてしまうと、治癒しようとしている傷口がはがれてしまい、傷の治りが遅くなってしまいます。

痛みと薬

術後、痛みが治まらない場合には、処方された鎮痛剤を服用しましょう。ただし4時間以上間隔を開け、用量を守って服用しましょう。

麻酔

麻酔は徐々に切れていきますが、唇にしびれが残る、口の動きが鈍いため頬を咬んでしまう恐れがあり、注意しなければなりません。また、静脈内鎮静法の場合には、急なふらつき、めまい、眠気が襲うこともあるために、術後当日は安静にして過ごしましょう。

衛生管理

術後、当日の歯磨きは控えましょう。また、翌日移行も傷口にブラシが強く当たらないように、気を付け、腫れや痛みがある場合は無理に行わず、患部を避けて歯磨きしましょう。また、指で患部を触るなどの行為は、細菌が体内に侵入してしまう恐れもあるために避けましょう。

内出血斑

術後に顎や頬、首などに内出血斑となる青あざのように出現します。インプラント治療による内出血は、1週間~2週間程で消えていくため、問題はありません。

食事

術後直後は麻酔が残っている可能性、痛みを伴ったりするケースも見受けられるため、麻酔が効いている間は食事を控え、状況に合わせて食事を行いましょう。

麻酔が切れてからは、簡単に口にできる麺類やスープ、お粥やゼリーなどを食べることをおすすめいたします。また、傷口に影響を与えてしまう恐れもあるために、熱い食べ物や、辛い食べ物は刺激が強いため術後2~3日は避けましょう。

喫煙

インプラント治療に喫煙は禁忌とされ、術後以降も喫煙は避けるべきと考えられています。なぜならば、タバコに含まれるニコチンは毛細血管を収縮する作用があるため、傷の治りが悪くなり、インプラントと歯槽骨の結合の妨げになるリスクを伴うため、喫煙は控えましょう。

運動

術後から24時間は、運動は控えましょう。血流が強くなり出血を促進してしまう恐れがあります。万が一、運動をしてしまい出血が止まらなくなった場合には、速やかに歯科医院へ連絡しましょう。

運転

静脈内鎮静法を受けた場合には、術後直後は麻酔がまだ効いている可能性が高く、安全性に欠けるために運転は避け、タクシーやバス、電車を使用して歯科医院へ出向き帰宅しましょう。

入浴

術後当日は入浴を控え、シャワーを浴びるだけにしましょう。血流が強くなり出血を促進してしまう恐れがあります。万が一、入浴を行い出血が止まらなくなった場合には、速やかに歯科医院へ連絡しましょう。

飲酒

術後から傷が癒えるまでの2週間程度は、飲酒を控えましょう。血流が強くなり出血を促進してしまう恐れがあります。万が一、飲酒をして出血が止まらなくなった場合には、速やかに歯科医院へ連絡しましょう。

まとめ


以上、今回はインプラント手術後の注意点について詳しくご紹介して参りました。インプラント治療は、歯肉切開や歯槽骨に穴を開ける外科手術を伴うために、インプラント手術に不安を覚える患者さまも少なくありません。インプラント治療を成功するためには、術後にどうすべきか、注意点を把握し対処することが重要となります。インプラント治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。