基礎知識

主流となるインプラントの種類をご紹介!

19.12.10

1960年代以降からインプラント治療が一般的に行われるようになり、様々なインプラントメーカーからインプラントが発売され、活用されています。しかし、時より患者さまから「どのインプラントメーカーが主流なのか」、「何を基準にインプラントメーカーは選ばれているのか」と、ご質問頂くこともあります。そこで今回は、インプラントの種類について詳しくご紹介して参りましょう。

インプラントの歴史

即時荷重インプラント

インプラントの歴史は意外にも長く紀元前のミイラから、死後に象牙や宝石で装飾されたと思われる痕跡や、マヤ文明のミイラでは、歯の代用品に貝が活用されていたと予測されるミイラも発見され、人類にとって歯が生きるために必要不可欠な臓器であると認識されていたと考えられています。

更にインプラントの歴史の中で、革命的な発見となったのは1952年の「オッセオ・インテグレーション」であります。ブローネマルク博士は骨の研究を行う最中に、偶然うさぎの骨とチタンと呼ばれる金属が結合することを発見し、チタンはとても親和性が高い金属であることからもインプラントへの併用を試行錯誤し、ついにはインプラントと骨の結合に成功し、これら特性を「オッセオ・インテグレーション」と名付けられ、以後チタン製のチタンが現在でも活用されています。

インプラントの構造

次に、インプラントの構造をご紹介しましょう。インプラントの構造は3層に分かれ、歯槽骨に埋め込む人工歯根部分であるインプラント体、人工歯となる補綴物、それらを繋げる連結装置であるアバットメントで構成されています。

前述でご紹介したチタンはインプラントで形成されているため、他の金属や物質ではなし得なかった歯槽骨との結合を実現させました。

インプラントの種類

1952年にオッセオ・インテグレーションが確立されてから、チタン製の様々なインプラントメーカーが誕生し、活用されるようになりました。日本では20種類以上のインプラントが発売され、世界においては100種類以上のインプラントが存在します。

以下が、世界的に主流とされているインプラントとなります。

カルシテック・インプラント

メーカー名:ジーマー社
国:アメリカ
日本認可:○
特徴:インプラントの世界4大メーカーの1つであり、日本でシェア数No.1であるインプラントと言われ、信頼と実績に長けています。ハイドロキシアパタイトコーティングで骨との結合を促進させる特徴があり、治療期間を短縮させることができます。

TSシステム・インプラント

メーカー名:オステム社
国:韓国
日本認可:○
特徴:世界シェアNo.5と言われている、アジアを代表する韓国メーカーから発売されたインプラントです。国際規格ISO9001の認証、更にはCEマーク、米国食品医薬品局(米FDA)で定められたclass-Ⅲを取得し、世界でも認められた品質、安全性の高いインプラントです。

ブローネマルク・インプラント

メーカー名:ノーベル・バイオケア社
国:スウェーデン
日本認可:○
特徴:骨とチタンの結合を発見した、ブローネマルク博士が発見した、オッセオ・インテグレーションを最大限に活かしたインプラントであり、40年以上の研究、60万人以上の実績を伴い、インプラントの世界4大メーカーの1つであります。

ストローマン・インプラント

メーカー名:ストローマン社
国:スイス
日本認可:○
特徴:インプラントの世界4大メーカーの1つであり、世界40ヶ国以上でシェアされています。他のインプラントよりも治癒期間が最も短い特徴を持ち、最短6週間、SLAと呼ばれる手術法1回で完了させることができ、日本人の小さな顎に合う親和性の高さが特徴のインプラントです。

アストラテック・インプラント

メーカー名:デンツプライ社
国:スウェーデン
日本認可:○
特徴:インプラントの世界4大メーカーの1つであり、審美性に優れています。また、歯周病の病変でもある歯槽骨の吸収も抑えられ、歯槽骨の高さが足りない症例にも適応されるために、多くの実績を持つインプラントであります。

オールオン4(All-on-4)

オールオン6(All-on-6)

メーカー名:ノーベル・バイオケア社
国:スウェーデン
日本認可:○
特徴:インプラントは失った歯の本数が多ければ多いほどに費用がかさむものであり、総入れ歯やそれに近い数の歯を失った人には負担となるために、インプラント治療を諦める患者さまも少なくありませんでした。そこで誕生したのが、オールオン4(All-on-4)、オールオン6(All-on-6)であります。4本または6本のインプラントを埋め込み、入れ歯に似た固定式な補綴物を固定し、失った歯の機能を補います。

POI-EXシステム・インプラント

メーカー名:京セラ
国:日本
日本認可:○
特徴:日本を代表する歴史と実績のあるインプラントであり、日本製の特徴とも言える精巧な造りと、品質を誇るインプラントです。前歯に使用できないケース、咬み合わせに制限があるケースも見受けられますが、日本でのシェア数も高いインプラントです。

インプラントの品質と価格

インプラントは保険診療が適応されない自費診療となるため、その治療費は高価となる傾向があります。近年では“激安”を宣伝するインプラント治療も見受けられますが、インプラントは人工臓器であるために、その品質は確かなものでなければなりません。

品質を保つためには、コストや技術が必要となるためその価格は高価となり、通常安価な価格で治療を行なうことは困難であり、激安を宣伝する場合には、その品質や技術の保証はないと考えざるを得ません。

昔から「安かろう悪かろう」と言葉があるように、「ただ安いから」という理由だけで、治療を決めるのではなく、インプラントメーカー名、実績、信頼における医院であるのかを見極める必要もあります。

まとめ

以上、今回はインプラントの歴史や構造と合わせ、主流となるインプラントの種類について、詳しくご紹介して参りました。世界には100種類以上のインプラントが存在し、その特徴は様々であります。歯科医院毎に取り扱うインプラントの種類も異なるために、インプラント治療を考えの際には、取扱われているインプラントの種類を確認することも、選択肢の1つとなります。

インプラント治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。