基礎知識

負担の少ないインプラント治療のオールオン4とは?

20.02.14

オールオン4は従来の失った部分の歯を本数分補うのではなく、少ない本数で治療できる負担を減らせる治療法です。
費用面も抑えることができるので、費用面が気になって躊躇している方にも知って頂きたい方法です。

そこで今回はオールオン4について詳しくご紹介します。

オールオン4とは?

まず、インプラント治療はあごの骨に人工歯根を埋め込んでその上に被せ物をする治療です。
左右の歯を削るブリッチと比べて、ほかの歯に負担をかけずに治療ができます。

そして、オールオン4とはインプラントの治療方法の1つで従来のインプラント治療では、骨の状況によっても異なってきますが、失った歯の数と同程度の上の歯で8本~14本程度のインプラントが必要になり、費用や身体に大きな負担でした。
しかしオールオン4は最小上のあご4本で治療ができ、斜めにインプラントを埋入することで、骨が少ない部分ではなく、骨の量が多い所にインプラントを埋入できるので、失った歯の本数程度インプラントを埋める治療法に比べて骨の量が少なくてもインプラント治療が可能になりました。

オールオン4のメリット

・手術した日に仮歯を入れることができます

手術を行った当日に仮歯を固定するため、やわらかい食べ物であれば当日から食事ができます。
また、歯がない期間がないので見た目を気にすることなく、周りの人に気づかれることなくインプラント治療ができるので、人前で話す機会が多い仕事の方でも安心です。

・従来の総入れ歯より安定性に優れています

インプラントでブリッジを支えるため、総入れ歯に比べて安定性に優れていて、食べ物をしっかりかむことができるようになります。
もちろん、固定式なので、ずれたり外れたりする心配がなく、普段の生活を快適に過ごすことができます。

・毎日のケアはブラッシングでOK

入れ歯は外して洗って、洗浄剤に着ける必要がありますが、インプラントの場合には毎日のケアは歯ブラシできちんとブラッシングすることです。

・総入れ歯の悩みを解消できます

天然歯と同じようにかむことができ、固定式なので食べ物が挟まって痛むことがありません。
取り外す必要がなく、外出や旅行の時も気にせずに行く事ができます。
安心しておしゃべりができ、口元が改善されて若々しい印象になります。

オールオン4の費用

オールオン4は従来の失った歯の本数分8~14本埋入する方法に比べてインプラントの本数を減らすことができるので費用面を抑えることができます。
また、インプラントは医療費控除の対象になります。
1年間に支払った金額が10万円以上超えて、確定申告をすると支払った金額の一部が還付される仕組みです。
還付金は総所得によっても異なりますが、税金も控除されるので、費用を抑えることができるでしょう。

オールオン4の寿命

オールオン4も含めたインプラントの10年残存率はおよそ9割程度です。
10年経過した時点もの9割の方がインプラントを使用できています。
そして、10年経過した後も長く使用ができ、30年間使用できた症例も多くあります。
インプラントの治療後の寿命はその後のケア方法によって左右されます。
インプラントにとって1番良くないことは、汚れが着いたままの状態になり『インプラント周囲炎』になってしまうことです。
インプラント周囲炎は歯周病と似た症状ですが、インプラントは歯根膜というクッションの役割をした組織がないのでダイレクトに刺激を受けてしまい進行が早いのが特徴です。
歯周病も症状が少なく、気づいた時には症状が悪化している病気なのですが、インプラント周囲炎はさらに進行が早いので、その原因である汚れをしっかりと除去することが大切です。
汚れをしっかりと除去するには定期的な歯科医院でのメインテナンスと毎日のケアが重要です。

インプラントの寿命を延ばすメインテナンス

インプラント治療の歯科医院の選び方

インプラントは被せ物が入ったら終わりではありません。
その後のメインテナンスをきちんと行うかによって寿命に差が出てきます。
インプラントは汚れが大敵なのですが、細かな部分や苦手な所は汚れが残りやすいです。
そのため、メインテナンスで残ってしまっている汚れを落とし、お口の中をキレイに保ちましょう。
汚れが残っている部分はクリーニングで落とすことができますし、その部分の汚れの落とし方もお伝えすることができます。
また、メインテナンスではかみ合わせも確認します。
インプラントは力が強くかからないようにかみ合わせを調整するのですが、細かなかみ合わせは少しずつ変わってしまうことがあります。
定期的にメインテナンスをすることでかみ合わせをチェックして強く当たっている場合にはかみ合わせを調整します。
また、土台のねじがゆるんでいないかなども確認することもあります。
定期的に確認することで不具合が起きる前に対処してインプラントを良い状態で保つことができるのです。

自宅での毎日のケア

定期的に汚れを落としていても、毎日のケアが十分でないとすぐに汚れが着いてしまいます。
そのため、しっかりと汚れが落とせるようにケアをしましょう。
ケアはブラッシングが基本で歯ぐきの境目を細かく磨くことが大切です。
そのほかには殺菌効果のあるうがい薬もお口の中の細菌を減らすのに役立ちす。
お口の状態にもよりますが、細かな部分を磨く三角のタフトブラシなども補助的に使用すると良いでしょう。
患者さん1人1人に合ったケア方法をお伝えするので自宅での参考にしてみてくださいね。

歯ぎしりや食いしばりも気をつけましょう

治療法について

普段生活している中で歯ぎしりや食いしばりをしているとインプラントの寿命を縮めてしまうことがあります。
食いしばりがある場合には早めに改善しましょう。
寝ている時の歯ぎしりは自分では意識して変えることが難しいので、1度相談してくださいね。
マウスピースなどで保護するとインプラントに対する負担を軽減することができます。

まとめ

オールオン4は本数を少なく治療することができ、治療回数を減らせる場合や、費用を抑えることができるなど患者さんの負担を軽減できる治療法です。
ただ、すべての歯がない場合なので、患者さんのお口の状態によっては適応できないこともあります。
またその後の寿命はメインテナンスや毎日のケアによって変わってきます。
できるだけ良い状態で長持ちさせるために、しっかりとメインテナンスとケアをしてきくださいね。