インプラントコラム
COLUMN
しっかりかむ喜びを手に入れられるインプラント治療の歴史とは?
20.02.28
インプラントはあごの骨にインプラントを埋め込んで手術後には自分の歯と同じようにかむことができるので第2の永久歯として使用されています。
そんなインプラントはどの様な歴史があるのでしょうか?
そこで今回は広く普及してきているインプラントの歴史について詳しくご紹介します。
インプラントのはじまり
インプラント治療の歴史は意外と古く、紀元前までさかのぼります。
例えば、エジプト文明の時代には抜けた歯の部分に象牙や宝石で補っていたほか、インカ文明の時代にはミイラからサファイアでできた人工歯根が発見されています。
ただ、この古代のインプラントには死後に『死者が来世でも不自由なく生活ができるように』と願って行われた儀式の様な意味合いが強いのではないかと言われています。
はじめは儀式的なインプラントでしたが、西暦300年代の人骨の上あごからは鉄製のインプラントが発見されており、西暦700年代のマヤ文明の遺跡からは女性のしたあごと一体化した貝殻が発見されています。
この様にインプラントの歴史は古く、世界中の遺跡からは金、エメラルド、アルミニウムなどさまざまな素材を埋め込んだ形跡が残っています。
ただし、これらはどれも実際に使えるようなものはなく、その後実用的なインプラントが登場する1960年代まで、人類におけるインプラントの歴史は医学的な裏づけがない状態でした。
歯科インプラントの歴史
・チタンと骨が結合する事を発見する
現在インプラントの素材としては『チタン』が広く使用されています。
インプラントは偶然によって発見されました。
1952年、スウェーデンの学者、イングバール・ブローネマルク教授は血流の研究をするため、ウサギの骨にチタン金属を埋め込む実験を行っていました。
そして研究が終わる時に埋め込んだチタンと取り除こうとした所骨に結合して取り外すことができなかったのです。
この事に注目したブローネマルク医師はチタンと骨が結合した状態を『オッセオインテグレーション』と名付けました。
人への応用がはじまる
その後、ブローネマルク医師は研究を重ねて、チタンは、金属は骨に有害な作用を及ぼしにくいことを発見します。
安全が確立されて、人への応用が開始されました。
1965年にねじのような形のスクリュータイプのインプラント体が出たのを皮切りにオッセオインテグレーションの理論に基づいたインプラント治療が飛躍的に向上してインプラントが普及していきます。
最初にインプラントを行った男性は40年程度問題なく使用することができました。
進化するインプラント
およそ60年前に偶然から発見されたインプラント治療ですが、現在では、日本で30種類程度、世界では100種類程度のメーカーからさまざまな種類のインプラントが発売されています。
これらの製品の中には一般的に多く普及しているものとそうでないものがあるため、格安インプラントなどとうたっている場合には注意が必要です。
治療を受ける際には、信頼できる歯科医院で受けることはもちろん、信頼できて、一般的に普及しているインプラントメーカーか確認することも大切です。
さまざまなインプラントメーカーがあり、それぞれで規格が違ってくるので、違うメーカーを使用して治療することはできませんし、メインテナンスなどで器具を使用してねじを外す場合もそれぞれのメーカーで異なってきます。
広く普及しているインプラントメーカー
ノーベルバイオケア社
ブローネマルクシステム・インプラント
世界でも一般的に多く普及していて、歴史と実績を兼ね備えています。
また、インプラントのパーツや形態などが多く、応用の範囲が広いため、さまざまな症例に適応する事ができます。
また、インプラント治療後のアフターケアにも力を入れていて、『ペイシェント・カード』を発行して治療の記録を残しておきます。
これには、ロットナンバー、インプラントのサイズなどが記載されており、ノーベルバイオケアのインプラントを使用していることが確認できます。
ストローマンインプラント(ITI)
ストローマン社のインプラントの特徴は世界で初めてインプラントの表面を粗くしました。
このことが骨との結合を早くして、通常より初期固定が良くすることができます。
ストローマン社は基本的に1回法で行われるので、前歯などは見た目が気になる部分には向いていないこともありましたが、角度を補正することで対応することができる部分も増えてきました。
また、豊富な臨床データを保有して研究を重ねている点も信頼性があり安心感があります。
ジーマーデンタル社
ジーマー社のインプラントは表面をハイドロキシアパタイトでコーティングしています。
この成分は骨の大部分を占める成分なので、ハイドロキシアパタイトをコーティングすることで骨との結合を良くして、骨と定着する時間を短縮することができます。
京セラインプラント社
国内メーカーのインプラントで海外の大手メーカーに比べると比較的安い傾向になります。
主に2回法でインプラント治療を行います。
ただ実績や普及に関しては、海外の大手メーカーを取り扱っている歯科医院が多いです。
治療期間を短縮できるインプラント
いろいろなメーカーからインプラントが発売され、進化していく中で手術後にすぐに仮歯までセットができるオールオン4も注目されています。
総入れ歯の方向けのインプラント治療ですが、通常歯を失った同程度インプラントで補うのですが、このオールオン4は角度をつけてインプラントを埋め込むことで最小4本のインプラントで歯を支えます。
本数を少なくすることで費用や身体の負担を軽減できるほか、来院回数を減らすことができるなどメリットの多い治療です。
インプラント治療はチタンを使用してから現在の歯科のインプラント治療に移行してきました。
その後さまざまなインプラントメーカーからインプラントが出ています。
もし、「どんなインプラントを選べば良いのかが分からない」「インプラント手術を受けたいけど不安がある」など、お悩みをお持ちであれば、遠慮せずにお気軽に歯科医師までおたずねください。