基礎知識

インプラントの選び方のポイントを一挙にご紹介!

20.05.30

歯科医院の件数は、今ではコンビニエンスストアよりも多いと言われ、インプラント
治療を取扱う歯科医院も増えています。しかし、インプラント治療は保険適応外となる自
由診療であるため、各歯科医院で必要となる治療費用や、取扱うインプラントメーカーも
さまざまであることから、インプラント治療を受ける際の選び方に戸惑う人も少なくあり
ません。そこで今回は、インプラントの選び方について詳しくご紹介していきましょう。

インプラントの仕組み

まずは、インプラントの仕組みについておさらいしましょう。
インプラントは基本的に、人工歯根部位にあたるインプラント体、人工歯にあたる補綴物
、それら両者を繋ぎとめるアバットメントで構成されています。
インプラントは虫歯などで失った歯の機能を補うために、人工歯根であるインプラント体
を、歯を支える役割がある歯槽骨に穴を開けて埋め込み、インプラント体と歯槽骨を結合
させて、お口の中で維持させます。
インプラントの原材料は、金属の中で唯一人骨と結合する特性を持つ『チタン』であり、
数カ月かけて両者が強固に結合していきます。

インプラントの選び方

歯を失った際の治療法の1つとして、広く認識されるようになったインプラントではあ
りますが、どのような基準でインプラントを選んでいいのか、困惑している人も少なくあ
りません。これからご紹介するポイントを基準として、治療を受ける歯科医院を選びまし
ょう。

インプラントの種類

世界では100~200種類のインプラントが存在し、日本で流通しているインプラントは
30~40種類とも言われています。日本で使用されている代表的メーカーは以下の通りです。

 

▼ストローマン社
▼ノーベルバイオケア社
▼ジンマー社
▼アストラティック社
無名のインプラントメーカーの場合、価格が抑えられているケースも多くありますが、自
身の体内に埋め込む人工臓器であるからこそ、信頼のある品質の高いインプラントメーカ
ーを選択することをおすすめいたします。
また、引っ越しなどの理由から、やむを得ず歯科医院を転院しなければならい恐れがある
人は、代表的なインプラントメーカーを選択することをおすすめします。代表的なインプ
ラントメーカーであれば、全国に取り扱っている歯科医院も多数存在するため、修理やメ
ンテナンスも容易です。

1回法か2回法か

一般的なインプラントはインプラント体とアバットメントで連結させる2ピースタイプ
のインプラントでありますが、1ピースタイプのインプラントも存在し、それぞれ以下の
特徴があります。
【2ピースタイプの特徴】(2回法)
・2回に分けて外科手術が必要
・治療期間が長い
・アバットメントの修理が比較的容易
【1ピースタイプの特徴】(1回法)
・1回の外科手術で済む
・治療期間が短い
・アバットメント修理が困難

適切な費用であるか

インプラント治療のほとんどの場合は、自費診療となるため(条件によっては保険適
応)、それら治療に必要となる費用は歯科医院ごとにことなります。平均費用はインプラ
ント1本あたりおよそ20万~40万円と言われ、10万円以下のインプラントは激安インプラ
ントに分類されるため、リスクを踏まえた上で、どこでインプラント治療を受けるか選択
しましょう。

しっかりとしたカウンセリングが設けられているか

インプラント治療にかかわらず、治療をおこなう前には必ずカウンセリングの時間を
設けている歯科医院を選びましょう。
患者さまのご希望やお悩みな点などを伺い、それらにそった治療計画を提示し、患者さま
がご納得した上で治療に挑むことが望ましく、説明や患者さまの合意なくして治療をおこ
なう歯科医院での治療は避けましょう。

インプラント認定医であるか

インプラント認定医の称号は、日本口腔インプラント学会が定めた厳しい条件を全て
クリアした医師だけに与えられる称号です。
認定医でなくとも優れた技術・品質の治療を提供する歯科医院もありますが、1つの基準
として、公式ホームページなどでインプラント認定医であることが掲げられているか、確
認してみましょう。

インプラント治療の実績

インプラント治療には高い技術とスキルが必要になります。これまでにおこなったイ
ンプエラント治療の件数や、歯科医院の設立年月、担当医師のプロフィールなどを確認す
ると良いでしょう。

医院の設備

インプラント治療は、外科手術をともなうため、衛生管理された専用の手術室や、衛
生管理された治療室でおこなうことが望ましく、それらもインプラント治療を選ぶ時の基
準の1つとなります。
また、インプラント手術室のほかにも、歯槽骨の状態を確認するためのレントゲンやCT、
全身管理するためのモニター、緊急時の対応についても確認しておくと良いでしょう。

衛生管理

歯科治療は血液や唾液の飛沫感染や、血液感染、空気感染してしまうリスクが高く、
適切な衛生管理のもとでおこなう治療が望ましいとされています。
洗浄・消毒・滅菌・管理された専用機器や白衣(手術着)はもちろんのこと、マスクやグ
ローブ(手袋)、エプロンといった使い捨てできるものは徹底したルールのもと、患者さ
まごとに交換することが定められており、衛生管理をおこたっていた場合には、感染症に
罹患してしまうリスクが高まるため、注意が必要です。

無理なく通院できるか

インプラントは外科手術を終えれば治療が完了するわけではなく、インプラント埋入
後には人工歯を装着し、咬み合わせなどの調整をおこなう必要がります。
さらには、インプラントは炎症に弱く、炎症が広がると瞬く間にインプラントを維持でき
なくなる恐れもあるため、年1回~2回定期的なメンテナンスをおこない、お口の中を健康
に保つ必要があります。
それらのことからもインプラント治療をおこなう歯科医院を選ぶ際には、自宅から無理な
く通院できる距離にある歯科医院を選びましょう。

まとめ

即時荷重インプラント

以上、今回はインプラントの選び方についてご紹介して参りました。インプラントは
失った歯の機能を補う画期的な治療として普及されていますが、人工臓器を埋め込む外科
手術が必要になり、治療を受ける歯科医院を選ぶ際には、注意が必要です。インプラント
治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。