基礎知識

歯を失った時の治療法とは?インプラントとブリッチの違いについて

20.06.07

歯を失った時の治療法にはインプラントとブリッチがあり、それぞれにメリット・デメリ
ットがあります。
それぞれの違いを比較してみて、ご自身に合った方法を選択してくださいね。
そこで今回はインプラントとブリッチの違いについて詳しくご紹介します。

治療法の特徴について

インプラントの特徴

歯科のインプラントとは、あごの骨に人工歯根を埋め込んで歯の根の役割をして、その上
に土台をたてて被せ物をする治療法です。
そのため、あごの骨に埋め込む手術をする必要がありますが、骨が十分にあって、インプ
ラント1本でしたら抜歯と同じくらいの時間の30分程度で終わることができるケースもあ
ります。
また、入れ歯やブリッチは歯の根の部分まで治療できませんが、インプラントは歯の根の
部分も再現できます。
そして、インプラントの大きなメリットですが、基本的に取り外しをする必要がないので
、安定してしっかりとかむことができます。
インプラントは多くの場合保険外の治療なので、歯科医院によって費用が異なります。
また、その歯科医院によって表示の方法が違う場合もあり、インプラントと被せ物のトー
タルの金額の場合とインプラント、被せ物、手術代など細かく金額が変わることがあるの
でしっかりと確認しましょう。

ブリッチの特徴

ブリッチは歯を失った部分の左右の歯を削って橋渡しのようにして被せ物をする治療法で
す。
そして、失った部分の歯の分も2本で3本分をカバーするので、左右の歯に負担がかかるの
で、長い目でみると、左右の歯の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
また、材料を選ばなければ保険の中で治療もできますが、奥歯では銀歯になる場合や、前
歯では時間が経過すると少しずつ黄ばんだように変色することがあります。
ただ、固定式なので取り外し式に比べてカタカタすることもなく安定してかむことができ
ます。

インプラントとブリッチの比較

見た目

〈インプラント〉

インプラントはほとんどが保険外の治療なので、さまざまな材料の中から被せ物を選ぶこ
とができます。
その中でセラミックは見た目も自然で透明感があり、長い期間使用していても変色しない
優れた材料です。
インプラントにセラミックの被せ物をすることで、審美的にキレイで満足度が高いです。

〈ブリッチ〉

ブリッチは保険でも治療ができますが、保険の材料は決められており、奥歯の場合には銀
歯で前歯は歯科用プラスチックの素材を使用します。
銀歯は笑った時などギラギラと光って見えることや歯科用プラスチックは少しずつ黄ばん
だように変色してしまいます。

ほかの歯への負担

〈インプラント〉

インプラントは歯を失った部分に人工歯根を埋め込むので、単独で治療ができます。
そのため、ほかの歯に負担をかけることなく治療ができます。
また、歯が失ったままや入れ歯だとあごの骨に刺激が伝わらず、少しずつ骨が減ってしま
うのですがインプラントは骨に刺激が伝わるので、あごの骨の吸収を予防する効果があり
ます。

〈ブリッチ〉

ブリッチは単独で治療するのではなく、左右の歯を削ってその上に被せ物をして歯を失っ
た部分を補います。
そのため、左右の2本の歯に3本分の力が加わるのでその分負担がかかってしまいますし、
歯が3本あった時に比べるとかむ力が劣ってしまいます。

費用

〈インプラント〉

インプラントは基本的に保険外の治療なので、歯科医院ごとに費用が異なります。
インプラント費用の平均は30~40万円といわれていますが、都市部では少し費用が高い傾
向にあります。
また、費用は自由に決められるため、医院の設備や使用しているインプラントのメーカー
などによっても異なることがあります。

〈ブリッチ〉

ブリッチは保険の中でも治療ができるので、3割負担の場合には数千円程度で治療ができ
ます。

治療期間

〈インプラント〉

インプラントはあごの骨にインプラントを埋め込むので、手術してから骨に定着するまで
に3~6カ月程度の期間待ちます。
定着するまでに定期的にチェックする必要はありますが、3~6カ月の間毎週通う必要はあ
りません。

〈ブリッチ〉

根の治療が必要な場合にはその治療が終わってからなので数回多いことがありますが、早
ければ3~4回程度で終わることもあります。

適応するためには

〈インプラント〉

インプラントはあごの骨を支えにするため、あごの骨が十分にあることが適応条件になり
ます。
骨造成などの手術をして骨の量を増やすこともあります。
ただ、インプラントは、ほかの歯の歯周病が悪化していると、インプラント周囲炎になる
リスクが高くなります。
インプラント周囲炎は汚れがついたままになってしまい、インプラントの不具合の原因に
なってしまうので、歯周病の治療を先に行って、安定してから治療する必要があります。

〈ブリッチ〉

ブリッチは1本歯を失った場合には支えとなる左右の歯が必要になります。
歯を数本失った場合には支えとなる歯がないためブリッチの治療が難しいことがあります。

インプラント治療の流れ

インプラント治療はしっかりと治療計画を立てて手術を行うために、すぐに治療を開始す
るわけではありません。
カウンセリングを行って患者さんが疑問に思っていることや、不安な点を解消してから治
療を進めていきます。
また、精密検査でレントゲンやCT撮影を行って骨の状態を確認してどの位置にインプラン
トを埋め込んだらよいか確認してから治療を開始します。

1 カウンセリング

カウンセリングで患者さんのお悩みや希望を踏まえた上で治療方法をご提案します。

2 審査・診断

レントゲンやCT撮影を行ってあごの骨やかみ合わせを確認して、診断して治療計画を
立てます。

3 1次手術

インプラント埋め込む1次手術を行います。
インプラントが定着するまで3~6カ月程度期間を待ちます。

4 2次手術

埋め込んだインプラントが定着したら歯ぐきを切開して、インプラントに土台を立てて
仮歯をつけます。

5 被せ物をする

術後の傷が落ち着いたら被せ物をしてインプラントが完了になります。

6 メインテナンス

治療後は定期的にメインテナンスを行い、かみ合わせのチェックやクリーニングをし
てお口の環境を整えます。

ブリッチは費用を抑えることができますが、見た目が気になってしまう場合やほかの歯に
負担をかけてしまうことがあります。
インプラントは、費用はかかりますが、見た目も自然でほかの歯に負担をかけることなく
しっかりかむことができます。
それぞれの特徴があるので、比較して自分にピッタリ合った治療を選択してくださいね。