基礎知識

知っておきたい!前歯のインプラント治療のポイントとは?

20.08.27

歯を失った時の治療はいくつか選択肢がありますが、前歯は口を開けた時にすぐに見える
ので気になる方が多い部分です。
ブリッチや部分入れ歯のほかにインプラント治療がありますが、前歯は奥歯より治療の難
易度が上がることがあります。
そこで今回は前歯のインプラントのポイントやメリット・デメリットについてご紹介しま
すので参考にしてみてくださいね。

前歯のインプラントのポイント

・上の前歯は見た目が重要
 笑った時など上の前歯の6本分は『スマイルライン』と呼ばれ、特に目につきやすいのが
特徴です。
 スマイルラインは笑った時に自然に下の唇につく曲線で、上の歯がその曲線に沿ってい
ると見た目のバランスが良く、美しい歯並びと考えられています。
 この部分の歯で口元や顔の印象も左右するので、上の前歯のインプラントをする時には
 歯の色、形、土台となるアバットメントの素材など細かな部分までこだわることが大切
です。
 前歯の土台がチタンの場合には歯ぐきからすけて見える可能性や歯ぐきから金属部分が
見えることも考えられ、見た目を考慮して金属を使用しない『ジルコニア』のアバット
メントを選択することもあります。

〈被せ物の重要性〉
 被せものの種類は大きく分けて3種類あります。
 『オールセラミッククラウン』『セラミッククラウン』『ハイブリットセラミッククラ
ウン』です。
 ハイブリットセラミッククラウンはセラミックと歯科用プラスチックが配合されている
ので経年変化で少しずつ変色することがあります。
 セラミッククラウンは内側に金属の素材を使用しているので、少し透明感にかける点が
あります。
 オールセラミッククラウンは金属を使用しないので、透明感もあり変色もせず前歯にお
すすめの素材です。

・上のあごの骨の量
 上の前歯の骨の量は下の歯に比べて少ないことが多く、インプラント治療をする時には
支えとなるあごの骨の量によって安定感が変わってくるので、骨の量はとても重要です。
 骨の量が少ないとインプラントが安定せず、トラブルを引き起こしてしまうこともあります。
 また、歯を失った期間が長いと、あごの骨に刺激が伝わらずに骨が少しずつ減る原因に
なります。
 そのような状態になると、骨移植や骨を増やす治療から行う必要があり、インプラント
手術の難易度が難しくなるのです。
 前歯は骨が少ないことが多く、歯ぐきの厚みも減っているケースがあります。
 できるだけ良い状態でインプラント手術を受けるには、前歯を抜歯してから日にちが経
過していない早めの治療が大切です。

前歯のインプラントのメリット

ほかの歯に負担をかけない

 

インプラントは歯を失った部分にインプラントを埋め込んで土台にしてその上に被せ物
をするのでほかの歯に負担をかけません。
 ブリッチは左右の歯を削って橋渡しをするので、2本で3本分の歯を支えます。
 その分左右の歯に負担がかかってしまい、寿命を縮めてしまうことがあります。
 インプラントは大切な歯を削らないので、周りの歯に負担をかけずに前歯の治療ができ
ます。

しっかり話しができる

 

前歯の部分入れ歯にすると、空気がもれやすくなり発音しにくいことがあります。
 特に、仕事などで話をする機会が多い場合や、ばねがかかっている部分が見えてしまう
と気になってしまい、話にくくなってしまうこともあります。
 インプラントはぴったりと周りの歯に合わせたものができるので、空気がもれることも
なく、今までと同じように発音ができます。

見た目が自然

  

部分入れ歯はばねをかける必要があり、周囲の人の目が気になってしまうことも多いで
しょう。
 また、保険のブリッチの場合には歯科用プラスチックの素材を使用するので時間が経つ
と少しずつ黄ばんだように変色してしまいます。
 インプラントの場合には、基本的に保険外の治療なので、素材を自由に選択でき、セラ
ミックにすることで見た目も天然歯と同様に自然で透明感のある歯を被せることができ
ます。

前歯のインプラントのデメリット

上の歯は下の歯に比べると骨の厚みが少ないことが多い

 

 上のあごの骨は下のあごの骨と比べると少ないことが多いです。
 また、歯を抜いてから時間が経っている場合には徐々にあごの骨が減ってしまい、イン
プラント治療の難易度が上がることもあります。
 骨の量が少ない場合には骨移植なども検討できますが、あごのすぐ上に鼻があることな
どからできる量にも限界があります。
 インプラント治療を受けるには一定の条件を満たしていることが必要になります。

奥歯より高くなりケースがある

 

前歯のインプラントは審美的な面も考慮して、被せ物や土台となるアバットメントも選
択すると満足度の高い治療になります。
また、あごの骨が十分でないことも少なくないので、その場合には骨移植から治療を始
めるため、費用が高くなるケースがあります。
もちろん骨の量が十分にあり、材料も費用面を優先して考慮する時には奥歯と同様の費
用でも治療ができることもあるでしょう。
奥歯と同様の場合はあごの骨が十分にあって骨造成などの必要がないことが条件になり
ます。

前歯のインプラント治療の時の注意するポイント

早めに治療しましょう

歯がない期間が長くなるとあごの骨が減ってしまいますし、それに伴って歯ぐきも退縮し
ます。
前歯で歯ぐきが退縮すると歯が長く見えてしまうので見た目が悪くなります。
そのため、できるだけ早めに治療して歯肉の退縮を防ぎましょう。

総額の費用を確認しましょう

前歯のインプラントの場合には、被せ物の素材や土台になるアバットメントの素材、骨が
少ない場合には骨移植など、見た目の満足度を上げるために奥歯のインプラントではかか
らない費用がかかることがあります。
その費用の総額の目安を治療計画の段階で確認しておくと安心ですね。
インプラントは医療費控除の対象になることもあり、控除して費用を抑えることができる
ケースも多いです。
費用に関する疑問を解決してインプラント使用を受けましょう。
前歯のインプラントは見た目も自然で変色もしないので、機能的にも満足度の高い治療で
す。
ただ、あごの骨が十分にあることや早めに治療を受けた方が良いなど前歯のインプラント
受けるにはポイントがあります。
インプラント治療を検討している場合にはまず相談してお口の中の状況を確認してくださ
いね。
お口の印象を決める前歯の治療はインプラント治療がおすすめです。