基礎知識

インプラントの耐久性はどの位?耐久性をのばすポイントとは

20.11.30

インプラント治療を考えている時にどの程度耐久性があるのか気になる所ではないでしょうか。
インプラントは治療してケアやメインテナンスを行うことで長く使用できます。
それではインプラントの耐久性と耐久性をのばすポイントについて詳しくご紹介します。

インプラントの耐久性

インプラント治療の耐久性は、個人差はありますが、治療をして10年後に使用できている方は9割を超えていると言われています。
インプラントの耐久性は使用方法によって大きく変わるので、より長持ちさせるようにポイントを抑えて生活をしていると40年以上使用できたというケースもあります。
いくつかポイントを抑えてしっかりとケアすることでインプラントに耐久性を長くすることができます。
それではインプラントの耐久性を延ばすポイントについてご紹介します。

インプラント周囲炎の予防

インプラント周囲炎とは?

 

インプラントにトラブルが起きる大きな原因は『インプラント周囲炎』です。
 インプラント周囲炎は、歯ぐきの周辺に細かい汚れが着いたままになってしまうと炎症
を引き起こします。
これは歯周病に良く似た症状ですが、インプラントは天然歯と比べて構造が違い、『歯根膜』というクッションの役割をする膜がありません
そのため、炎症がおきるとダイレクトにダメージを受けてしまい、症状が悪化しやすくなります。
また、天然の歯と違って神経も通っていないので、痛みや炎症を感じにくくインプラント周囲炎が悪化しやすい特徴があります。
インプラント周囲炎が悪化すると、骨がやせてしまい、インプラントを支える骨が少なくなります。
支えが少なくなってしまうとグラグラする場合や、ひどくなっていくと抜け落ちてしまうこともあるので、インプラント周囲炎にならないように対策をすることが大切です。

インプラントの耐久性をのばすには?

ポイント1 自宅でのセルフケア

インプラントの耐久性をのばすにはお口の中の環境を整えて汚れが着いていない時間を
キープすることが大切です。
 そのために大事なことは『毎日の歯磨きを丁寧にする』ことです。
  特に気をつけたい部分は、インプラントと歯ぐきの境目の部分で、歯ぐきの境目を細か
く歯ブラシを当てましょう。
 お口の状態に合わせて細かな部分も磨くことができる小さなブラシの『タフトブラシ』
や歯と歯の間の汚れを取る『歯間ブラシ』などの補助清掃用具も使用して部分的な汚れ
も落とすようにしましょう。
 また、患者さんのお口に合わせて、歯ブラシの当て方や汚れが残りやすい場所などもお
伝えします。
どのサイズの補助清掃用具が良いかなどもお話させていただき、日頃のブラッシングに
役立てていただきます。
 歯科衛生士のブラッシング指導を毎日実践していただくことでインプラントの耐久性を
長くできます。

ポイント2 歯科医院での定期的なメインテナンス

 

歯磨きにはくせがついてしまうことが多く、インプラントで歯を失った部分は汚れが着
きやすく歯磨きが苦手な所が多いです。
 ご自分で苦手な所は、磨き残しが多くなってしまいがちです。
 どうしても取り残してしまった所は歯科医院でクリーニングしてお口の中をきれいにし
てリセットします。
 またクリーニングをする時にどの部分に汚れが着いていて、その部分の汚れの落とし方
についてもお話させていただくことができるので、取り残しの部分を改善ができます。
 そして、インプラントで大切なのが『かみ合わせ』です。
 先ほどもお話させていただいたように、インプラントは歯根膜がないのでクッションの
役割がなく、かみ合わせが強いとインプラントに負担がかかってしまいます。
 そのため、かみ合わせが強くなりすぎていないか定期的にチェックする必要があります。
 インプラントの被せ物を入れた時にもかみ合わせは調整しますが、食いしばりや歯ぎし
りなどで無理な力がかかる場合などもあります。
 強い力がかかりすぎている時にはマウスピースをはめて力がかかりすぎないように調整
します。

ポイント3 信頼できる歯科医院選び

 

インプラントを成功させて長く良い状態を保つためには、信頼できる歯科医院選びをす
ることが大切です。
 歯科医院選びで大切なことをご紹介します。

徹底した感染予防対策

 インプラントは外科手術を行うので、清潔な環境で感染予防対策をすることが大切です。
 そのため、インプラント専用の個室があると飛沫感染の心配がなく安心です。
 また、個室の場合には、ほかの患者様が治療をしている音などが聞こえることもなく、
リラックスした空間で治療ができます。
 そのほかには、手袋や手術着、顔を覆う布など使い捨てできるものを使用していると安
心ですね。

信頼できるインプラントメーカーを使用しているか?

 

インプラントメーカーは日本国内だけでも30種類以上流通していると言われています。
 広く世界でも普及しているインプラントメーカーは症例も多くあり、安全性も高く、安
心して治療できるでしょう。
 インプラントメーカーはそれぞれパーツに使用する器具が違うので、メーカーが違うと
対応が難しいことがあります。
 ただ、広く普及しているインプラントメーカーにしておくと、ライフスタイルが変わっ
て転居などでかかりつけの歯科医院に通うことが難しくなっても対応してくれやすいこ
とがあります。

ポイント4 喫煙を控えましょう

 インプラント手術をした方にとって喫煙はハイリスクになります。
 タバコに含まれるニコチンは血管を収縮するので、血流が悪くなってしまいます。
 そのような状態になると、血液に酸素が十分に行き届かなくなってしまい、インプラン
トとあごの骨の定着しにくく、しっかり結合しない状態になってしまうこともあります。
 また、そのほかにはニコチンは免疫力が低くなり、炎症がおこりやすい環境になります。
 そのほかには、たばこを吸っていると唾液の量が減少してしまい、細菌が増えやすい環境になります。
 細菌が増えるとインプラント周囲炎になるリスクが増えてしまうので、インプラントにとってリスクが多くなる喫煙は控えることをおすすめしています。
インプラントはしっかりとかむことができて見た目も自然なメリットの多い治療です。
お口のケアをしっかりしてほかの歯の健康も保ちましょう。
インプラントは治療後の生活によって耐久性が大きく左右されます。
お口の環境を整えてインプラントを長持ちさせてくださいね。