インプラントコラム
COLUMN
インプラントが撤去になることも?気になる原因と撤去費用
21.04.30
インプラントはメインテナンスやケアをしていると長く良い状態で使うことができる治療法です。
ただ、メインテナンスやケアを怠るとトラブルにつながり最悪のケースでは撤去が必要になることもあります。
そこで今回はインプラントが撤去する必要がある場合について詳しくご紹介します。
インプラントの細菌感染
インプラント手術での細菌感染は手術中の衛生管理が十分でないために細菌感染が引きおこされることがあります。
細菌感染がおこると、腫れや痛みがいつまでもおさまらず、膿が出てくることもあります。
痛みが長く続いて膿が出ている状態が改善しないと最悪の場合、撤去しなければいけないこともあります。
そのようにならないために、インプラントは外科手術も行うので、徹底的に清潔に保つことが重要です。
通常は滅菌した使い捨てのグローブや手術着を使用して器具も清潔なものを使用します。
歯科医院の中には一般的な虫歯治療を行う所でインプラント手術を行う所もあります。
飛沫感染などのリスクもあるので、インプラント治療を受ける際には専用の個室があって手術用の器具が十分に滅菌されている衛生管理が整っている所を選ぶと安心ですね。
インプラント周囲炎
インプラントのトラブルで多いのが『インプラント周囲炎』です。
インプラント周囲炎は歯周病に良く似ていて、汚れが着いたままになっていると細菌が増殖して歯ぐきが腫れる場合や、ひどくなってくると骨が減ってインプラントを支える部分が減ってしまいます。
特に天然歯に比べてインプラントは『歯根膜』というクッションの役割をする部分がないので、炎症などのダメージをダイレクトに受けやすく進行が速いのが特徴です。
インプラント周囲炎は自覚症状が少ないのでいつの間にか進行してしまったということが多いのですが、『毎日のケア』と『定期的なメインテナンス』を行うことで防ぐことが可能です。
インプラントは汚れに非常に弱いので、毎日のブラッシングで細かく丁寧に磨くことが大切です。
汚れが着きやすい部分や苦手な所は決まってくることが多いので、歯科医院で磨き方を確認して苦手な部分も磨けるようにします。
また、毎日のケアでも取り切れない部分は定期的なメインテナンスでクリーニングして汚れを落としていきます。
その際に汚れがある部分もチェックできるのでインプラントの定期メインテナンスは大切です。
インプラントの破損
通常、インプラントは根の役割をする『インプラント体』土台の役割をする『アバットメント』、被せ物の部分の『上部構造』の3つに分かれています。
被せ物の部分にあたる上部構造が欠ける場合や、破損した場合には作製しなおすことができることが多いのですが、インプラント部分が破損した場合には修理することが難しいです。
製造上の問題のようで、まれなケースではありますがそのままではしっかりかむことができないので撤去が必要なケースになります。
手術後の神経麻痺
下あごの部分には下顎管という神経の入った動脈や神経が通ったトンネルのようなところがあります。
まれにですが、インプラント手術をした時にこの部分を傷つけてしまうとその部分にしびれや麻痺がおきることがあります。
数日すると落ち着くことが多いのですが、しびれが残る場合にはインプラントが神経に影響していることが考えられるため、撤去が必要な場合があります。
そのようなことがおきないようにするには、インプラント手術前にCT画像で神経の位置をしっかり把握することが大切です。
神経の位置を把握した上でインプラントの埋入位置や角度を決めてインプラント手術を行うと神経の麻痺の可能性が低くなります。
金属アレルギーの場合
インプラントはチタンと呼ばれる金属アレルギーをおこしにくい素材を使用しているので金属アレルギーをおこす可能性はかなりまれです。
ただ、その上で金属アレルギーを発症した場合にはインプラントを撤去する必要があります。
チタンで金属アレルギーをおこした場合には再度インプラント手術をすることは難しくなります。
インプラントの撤去方法
骨が少ないケース
インプラントが細菌感染などをおこして骨が減っていると、インプラントがグラグラした状態になっています。
歯ぐきを切開すると支えをほとんど失っていることが多く、骨を削らずにそのまま撤去することができることが多いです。
骨に着いている部分に関しては少し削って撤去することもあります。
骨がしっかりあるケース
インプラントがしっかりと骨に定着している場合には骨が少ないケースより撤去が難しいです。
まずは、歯ぐきを切開して、定着している部分の骨を削ってからインプラントを摘出していきます。
インプラントの撤去費用
保険適応になるケース
保険適応の条件
インプラントの撤去をするために保険適応の条件は、治療したほかの歯科医院で受けることが条件になります。
その場合には、治療前のレントゲン画像をそろえる必要があります。
保険適応の場合の費用
インプラントの種類によって少し費用が異なりますが、一般的な人工歯根のタイプの場合だと保険点数が460点なので、3割負担の場合にはインプラント1本に対して1500円程度です。
そのほかに初診料やレントゲン費用などは別でかかることがあります。
保険適応外のケース
保険適応外のケースは歯科医院によって費用が異なるので費用に差があります。
保険の場合は3割程度の負担ですが、自由診療の場合には10割の負担なので事前に確認しておくと安心ですね。
また、歯科医院によっては保証制度がある場合もあります。
インプラントトラブルがあった場合には、対象の期間や決められた期間にメインテナンスを受けることが条件になることが多いですが、どのような保証があるか確認しておくと万が一トラブルになった時もスムーズに治療ができます。
インプラントのトラブルがおきて、まれなケースではありますが、インプラントを撤去する必要があることもあります。
インプラントが撤去になる前に定期的にメインテナンスをしていることで防ぐことができることもありますので、定期的なメインテナンスは大切です。
また、小さなことでも気になることがありましたらすぐに受診していただくとトラブルを防ぐこともできますのでお気軽にご相談くださいね。