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インプラントは安全?インプラント手術の合併症とは

21.09.12

インプラント手術は見た目も自然でほかの歯に負担をかけることなく、自分の歯と同様にしっかりかむことができる治療ですが、過去の症例の中には合併症を起こしたケースもあります。
インプラント手術を行う際にはどのようなリスクがあるかも知っていただいた上で手術を受けていただきたいので、まれなケースではありますが合併症についてご紹介させていただきます

なぜインプラントの合併症がおきるのか?

インプラントの合併症がおきる原因として考えられるのが術前の精密検査が不十分で適切な診断ができていないケースです。
術前にCTなどの3次元的な画像で、骨の厚みや高さなどを確認してインプラントの埋入位置や角度を決定するのですが、適切に診断ができていないとインプラント手術に影響があります。
歯科用のレントゲンだけでなく、CT撮影をして骨の状態を決定しているとより精密にお口の中を把握できます。
インプラントの合併症は歯科医師の技術不足によっておこることが多いですが、インプラント手術が難しいリスクの高い場合は歯科医師の技術不足だけが原因でないこともあります

インプラント手術でおこる合併症とは

神経損傷のトラブル

インプラント手術を行う時にはドリルで穴をあけてその部分にインプラントを埋め込みます。
そのため、インプラント手術前に神経の位置をしっかりと把握してその部分を避けるようにする必要があります。
特に下あごには下歯槽神経という太い神経が通っており、傷つけてしまいやすいといわれています。
インプラント手術をする際には手術前に精密検査を行って、CT画像などで神経の位置をしっかり把握するので、神経を傷つけることはほとんどありませんが、神経を傷つけてしまうと回復に時間がかかり、しびれが残る場合や味覚が変わってしまうこともあります。
神経損傷のトラブルの多くは術前の精密検査が不十分で適切な診断ができていないことや歯科医師の技術不足によっておこります。
そのため、入念な精密検査や治療計画をしっかり立ててくれているかしっかり確認しましょう。

上顎洞炎

上顎洞とは目の下の頬の内側にある部分で、鼻で吸い込んだ空気も上顎洞を通ります。
上顎洞はもともと粘膜が薄くなっていて、炎症が起きやすい部分です。
そして、あごの骨が十分な場合には上顎洞に影響を与えることは少ないのですが、あごの骨が足りないと上顎洞に炎症をおこすリスクが増えるのです。
また、上顎洞は上あごのすぐ上にあるので、まれなケースではありますが、インプラントの埋入位置を誤るとその空洞にインプラントが落ちてしまうことがあります。
このケースは骨の量が少なくて、骨を増やすために上顎洞を持ち上げながら行う『サイナスリフト』を行ってインプラント手術をする時におきることがあります。
上顎洞に炎症が起きているだけの場合には薬を服用して炎症がおさまるのを待ちますが、重篤な場合にはインプラントを取り除くリカバリーの手術になることもあります。

痛みやしびれが長期に渡って続くトラブル

通常インプラント手術は骨の量が十分で本数が少ない場合には痛みはそれほど強くありませんが、数日間腫れや痛みが出ることがあります。
ほとんどの場合、痛み止めを服用すると落ち着きますが、1週間以上痛みが続くようであればほかに原因が考えられるかもしれません。
痛み止めを服用しても痛みが継続的につづく場合やしびれが残る時には早めに歯科医院に受診しましょう。
この原因として考えられるのが、歯の根の部分にインプラントが当たって痛みが出ている場合やインプラントを埋入した位置が適切ではなく、神経を圧迫して痛みが出ている可能性があります。
これらのトラブルを防ぐためにも術前の精密検査が大切になります。

出血が多い

インプラント手術中にドリルで神経を損傷してしまうと多量の出血があります。
その場合の対処法は圧迫止血で出血を止めるように試みます。
それでも出血が難しい場合には電気メスを使用する場合や、血管を縛って出血を止めます。
これらの方法でも出血が止まらないようであれば、できるだけ早く医療機関に搬送する必要が出てきます

インプラント周囲炎

インプラントは人工の被せ物なので虫歯になることはありません。
ただ、インプラントの周りの歯ぐきは変わらないので、インプラント周囲炎になることがあります。
インプラント周囲炎は歯周病菌が原因でおこり、汚れが着いたままになっていると、汚れの中にある歯周病菌が増殖して炎症をおこします。
症状がひどくなるとあごの骨を溶かしてインプラントの支えが減ってしまいグラグラしたり、抜け落ちてしまうこともある怖い病気です。
また、インプラント周囲炎は自覚症状が少なく進行が早いことが特徴です。
出血や腫れに気づいた時にはいつの間にか進行して症状が重くなっていることも少なくありません。
そして、天然の歯と違い『歯根膜』というクッションの役割をする膜がないので、インプラント周囲炎の炎症のダメージをダイレクトに受けてしまい、進行がとても速いのです。
インプラント周囲炎を防ぐためには、毎日の歯磨きと歯科医院での定期的なメインテナンスでお口の中の汚れをしっかり除去することが大切です。
また、定期的なメインテナンスではインプラントに不具合がおきないようにきちんとチェックをするので、インプラントの緩みがないか、かみ合わせが強くなっていないかなどを把握して少しの不具合でも早めに対処するようにします。
定期健診での早期発見が良い状態でインプラントを長く使い続けるためにとても重要なのです。
インプラントの治療はほかの歯に負担をかけることもなく、見た目も自然でしっかりかむことができるメリットの多い治療です。
ただ、全くリスクがないわけではないので、治療を受ける前にどのようなリスクがあるのか把握しておきましょう。
そして、治療前の精密検査で立てた治療計画に無理がないかも確認しておくと良いですね。
そのほかには、インプラント治療後に良い状態で保ち続けるために毎日の丁寧なブラッシングと定期的は健診をしてインプラントを長持ちさせましょう。